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hansel to maou no ie
タイトルはメルヘンですが、内容はガッツリ地に足の着いた現代ものです。
しっかりお仕事ものですが、恋愛部分とのバランスがとてもいい。こういうの大好きで、最初から最後までワクワクして楽しめました。
どこかダークファンタジーを思わせる演出がたくさんちりばめられており、雰囲気がとてもよかったです。
不動産会社に勤める辺善は、客である興津からとある一軒屋の売却を任されます。
不動産についてしっかり書かれていて、辺善も仕事人間の業界ものなんですが、堅苦しくなくてすごく読みやすく興味深く読めました。
なのにきちんと恋愛ものとしてもしっかりしていて、恋に至るまでが早急でなく緩急がとてもよいです。ここまでお仕事と恋愛の部分のバランスがとてもいいって、意外とありそうでないので、感動しました。
家は古い庭付き一軒屋で魔法使いの家のようだとかかれてる、その雰囲気も目に浮かぶようでよかったです。
依頼人の興津は不動産のブラックリストに載るくらい揉め事の多い我が儘な客で、誰も担当したがらず、読んでいても最初は嫌なやつだなあと思ったのですが、読んでいるとかっこよくて堪らなくなってきて、最後には最近読んだBLのカッコイイ攻めキャラベスト5に入るくらい…。
魔王って影で呼ばれるくらい怖いんだけど、何事にも本気で嘘もごまかしも言い訳もなく、自分のルールに責任を持って生きている魅力的な人です。
その興津のルールが、慣れない他人にとっては戸惑いを覚えるものなのですが、慣れてくればこの魔王の生き方ってすごくカッコよく思えるんです。
辺善も、最初は収入をあげたくて必死に仕事してる合理的でクールな印象なんですが、家のこと、住む人や買う人のことを真剣に考えてる様子がわかってきます。情熱家で思い立ったら居ても立ってもいられない。この人本当に家が好きなんだなあて思う。
家がどういう役割を持っているか、住む人、去る人、それを見送る人が何を思っているかなど、BLにおける恋愛部分の他にも、邪魔にならないように、楽しめるように、他のテーマが盛り込まれていてとても納得できたし、最初から最後まで中だるみしないで楽しかったです。
辺善が興津を想う気持ちも、日に日に気持ちが興津に向いていく、ベクトルが強くなっていく、一緒にいるとドキドキする、一挙一動にワクワクする、そういう恋になっていく過程が自然に描かれていてきゅんとなるし、大人なのに中学生のようなピュアなシーンもあります。
無理矢理でない、ハラハラするトラブルも間に用意されています。
だた、辺善の元カレが結婚しているのにちょっかいをかけてくるのが理解できず、ちょっと気持ち悪かったです。
離婚したからヨリを戻したい、ならわかるんだけど、そうでもないのに近所に越してくるなんてストーカーなんじゃ…何度も仕事にかこつけて会いに来るし、女性だったら警察に相談するレベルじゃないでしょうか^^;
でもこの人がいないとお話はすすまないんですよね…。
仕事が大部分を占めてますが、仕事あっての恋愛のお話だなあと思いました。
仕事を通じて出会い、この仕事を片付けてから答をだそうとするところも、仕事の態度をお互い見て信頼しあってこそ、この人を好きになってよかったと結論づけられるところがとてもとても素敵でした。
なにより興津が最後までブレないキャラで非常にカッコイイ!と思えて、読み返したくなる作品でした。
不動産会社営業の千秋(受け)は、業界で「魔王」と呼ばれる傲慢な客・興津(攻め)の担当に。
興津の売ろうとする邸宅にまつわる思い出と、
彼の人となりを知るにつれ、彼に惹かれていくが……
受けの千秋は、ゲイの29歳。
小綺麗なイケメンだけど意外と肉食系で
マイノリティとして何かと苦労してきたため
精神的なタフさもある大人の男性。
落ち着いているようで意外とドジだったり、
興津の言動にキレそうになったり、
それでも彼の助けになろうとする健気さもある、
とてもチャーミングな人物でした。
攻めの興津は、人気ダークファンタジー作家の34歳で、無駄なおしゃべりは好まない偏屈な性格。
俺様なんだか天然なんだか掴めない
突飛な言動がまさに人外というか
「魔王」と呼ばれるだけあるなという感じですw
それでいて、不慮の事故で亡くなった友人一家の屋敷をずっと管理している情の深い一面も。
ゲイではないのに、勢いで抱いた千秋にハマって、自分でもわけが分からないまま千秋にキスしてしまう、ちょっととぼけた言動が可愛いです。
そんな二人の絡み、男同士の対等感&甘さがかなり好みでした。
千秋が、優しく抱かれるのに焦れ焦れして自分から上に乗る等、受け身でない点が好き。
イケメン二人が好きだとか愛してるとか恥ずかしげもなく言い合っているところにも萌えました♪
もっともそんなラブラブなシーンは最後までお預けで、大半が仕事の話なのですが。
それぞれの職業についての蘊蓄や
仕事におけるポリシー、
子供時代の生い立ちと職業選択など
仕事描写からキャラクターの人となりが浮かび上がってきて、その人物に対する愛着が湧くような手法が好きです。
「貴種流離譚」やら「ヌワラエリア」やら 、明日から使って見たくなる単語・蘊蓄が煩くない程度に挟まれ、物語の良いアクセントとなっていました。
「ヘンゼルとグレーテル」の二人は「お菓子の家」から逃げ出し新しい道を切り開いていきますが
本書の二人は「お菓子の家」を新しく一緒に作り上げることで、それぞれの過去(千秋は元彼、興津は友人の家)と決別し、前に進んでいく。
現実的な大人の物語でありながら夢のある、
素敵なファンタジー作品となっています。
ラブ+家の売買の話に、上手いこと「ヘンデルとグレーテル」を入れ込んでいます。
不動産会社に勤める辺善(ヘンゼン・受け)は、小説家である興津真法(まさのり・攻め)の家を担当することになります。興津は一軒家の物件でトラブルを起こしており、不動産業界内で「魔王」と呼ばれていました。辺善も、興津の傲慢さに最初は断るものの、最終的には興津の信頼を得て、その一軒家は「魔法使いの家」というケーキで有名な、お菓子屋「グレーテル」に生まれ変わります。
「ヘンデルとグレーテル」には魔王は出てこなかった気がしてますが、最後に興津が子供に「魔法使い」に間違われるので、それで帳尻をあわせたということでしょうか。興津の名前「真法」を辺善が「魔法かよ」と思う場面もありますし、「ヘンデルとグレーテル」が随所にちりばめられています。
興津は小説家なのですが、執筆に苦しんでいる場面はなく、淡々と書いている感じで、働いているという印象は薄いです。ただ、所々で出てくる彼の信条というか人生の指針なのか。まっすぐでシンプルな言動が心地よいです。作家に必要な経験のため、と酔った辺善を抱き、別のキスをした後で「ちょっと待て、考えるから」と辺善を立ったまま待たせる。
「ストレスがかかったら、別のストレスで粉砕しろ。」
「(物事が複雑になると、)言い訳が増える。」
のセリフもきっぱりしていて良かったです。
一方、辺善千秋も、仕事が好きで、有能でもあります。人間的に好意をもたれていても、無能だと、興津とここまで心を通わすことはできなかったはず…と思います。そのくせ、客である興津と寝てしまったり、元彼の泰臣が公私混同してきて悩んだり、クールでなく人間的なのが好感もてました。
ベットシーンもですが、二人の会話が楽しかった作品です。
今回のおとぎ話シリーズは「ヘンゼルとグレーテル」。
お仕事は、小説家x不動産仲介業です。
主人公は、受けの不動産会社勤務のゲイ、千秋。
不動産仲介業業界で悪名の高い興津の担当になる、という出会い。興津にとって訳ありの一軒家の売買を巡っての恋愛模様です。
千秋が興津の家の風呂掃除をしてからの日本酒風呂、ほろ酔いになっての誘い受け?の流れは、よーく考えたらハテナ展開なんだけど、鳩村先生の筆にかかると特に疑問も感じずに読み進めちゃいますね。興津はノンケで男は初めてだったのに、千秋のあえぎ声がお好みだったようで…。
その後、興津所有の物件に絡んで千秋の元カレがしつこく絡んできたりしますが、千秋の貞操の危機?にも興津が颯爽と助けてくれたりして晴れて恋人同士となる二人です。
Hにおいては「物言う受け」の千秋、どうされるとどう感じるのか。「最中」の二人の会話は赤面モノです。
興津の、下着越しの責め、ちょっとだけイかせて焦らせて時間差でしごくワザ、そういうの初めて読みました。
鳩村さんはお仕事ものが多くて好きなんですよね。
今回は、不動産やの営業くん、辺善が主人公。ヘンゼルですね。グレーテルは登場せず、魔女の代わりに偏屈?っぽい魔王がお相手です。
作家で、こだわりが強い魔王、興津は、不動産をたくさん持っている模様。しかし、売買条件が厳しく営業なかせ。
キャリアアップのためと、”魔王”担当を志願した辺善は、心が折れそうになるも、興津の家への愛着を知り、なんとか力になろうとする。
辺善の元彼がかきまわしてくれます。復縁を迫る手口が汚い。。
結婚するからと振った過去がありながら、妻の兄弟が飲食プロデューサーであることを利用して大口の仕事を辺善にまわしてくるのです。
仕事とプライベートを混ぜるのは最低ですね。
そしてそんな当て馬を一周する興津、さすが魔王です。
二人の恋は、魔王が口下手なばっかりにスムーズとはいきませんが、まあ最後に種明かしされてみれば、ごちそうさま、という感じでしょうか。。
あまりがっつりお仕事ものという感じでもなかったですが、面白かったです。