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sono hitomi ga boku wo dame ni suru
高校生の晃一はその美貌から、女性達に貢がれ、数々の年上女性と付き合ってきた。
そんな付き合いばかりしてきたせいで、一部の人間からは悪い噂が後を絶たず、陰口を叩かれてきた晃一。
良くない噂が逆に女性を引き寄せ、こぞってお金を晃一に使いたがる。
そこへ五十万あげるからクリスマスまでの期間限定の恋人になってと晃一に告白してきたまゆら。
お金とタイムリミット絡む晃一とまゆらの恋人ごっこは、さてどうなるのか…というお話です。
期間限定ということで甘く切ない恋のお話かなと想像していたらちょっと違いましたね。
切なさを感じるシーンは確かにあるにはあるのですが、どうも伝わってきませんでした。
晃一に期限付きの交際を申し込んできたまゆらは美少女に見紛う程に可愛いのですが、性格や言動、女性と遊びまくってたという設定も個人的には好感を持てません。
晃一は噂通りの男の子ではなく、自分の夢を叶える為にアルバイトをし、女性に貢がれていたのは本当ですが自ら欲するような子ではないのです。
現金も受け取りません。
どちらかというと見た目とは違った真面目寄りの男の子でした。
最初は、まゆらが一方的に晃一を追いかけている感じがいたしましたが、
途中から晃一もまゆらに心惹かれ、やがて追いかける側へと変化します。
そこには、五十万を差し出して晃一に交際を迫ったまゆらの真意、本当の理由が隠されているからなんです。
その理由がまたどうしたものかと…。何だかしっくりきませんでした。
主人公達を始め、サブキャラクター達も好きになれず、感情移入が出来なかったのが、物語に入り込めなかった理由かと思います。
著者様のあとがきに「遊んでる」風の男子高校生とありましたが、
どことなく一昔前の男子高校生っぽい感じがするなと思ったら1999年の作品だったのですね。
晃一がまゆらにお金を返却するシーンはきちんと描かれていた方がよかったのではないかと思います。
そういったところもあり、二人の間の好きのカタチがやや薄っぺらい印象を受けました。
いろいろと書いてしまいましたが、今の季節にぴったりなお話で題材設定はとても面白いと思います。
口絵のカラーイラストも綺麗で可愛いかったです。