条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
ninkan
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
すごい体格差…
その時代ならではの言葉やシチュで萌え上がらせるところも、文体を時代の雰囲気に合わせて変えているところも(“〜だった”が多く、若干読みづらさはあるものの)、いつもながら素晴らしかったです。
笠井あゆみ先生の挿絵は構図もかなり凝っていて華々しく、文章と相まって壮絶なムードでした!細い線で描かれる妓楼の部屋やお尻を握るような対面座位も最高でした…
戦国の時代に無双の強さを誇る太田平蔵は体格良く傷だらけで鬼のような風貌。でも実生活では女が怖がらないように出来るだけ優しく接するジェントルマン。
その彼がお凛(実は少女の格好をした忍凛太郎)に一目惚れして、出来るだけ背中を屈めて目線を合わせたり草花のお話をするなんて滅茶苦茶可愛すぎます!大男が少女に側室のお伺いを立てるなんて…激萌でした。
この作品では濡場にはそこまで萌えず(綿密で圧巻でしたが)、それよりも表立って一緒に居られない二人の僅かな逢瀬の数々が切なくて良かったです。
忍びとして報告する凛太郎を、平蔵は触れる事も出来ず上から眺めるしかないシーン。凛は凛で心の中で何度も彼の名前を呼んでいたり。
我慢出来ず凛太郎がお城の平蔵の腕の中に忍び込んだり、夢のようにお告げを囁いたり。
女は壊れないよう努めて優しく触れていた平蔵が、恋をした相手には感情も理性も振り乱され、「おかしくなる」と言われれば「痴けになればこれ幸いと座敷牢に閉じ込めよう」と激情赴くまま抱き潰します。
平蔵は鬼のような風貌と心の純粋さを持ち、凛太郎は平蔵の前ではメロメロメロでも他人に揶揄われれば鼻で笑うような冷たさを持っていたりと、ギャップの振り幅が魅力的。
嫉妬が渦巻いているのもとても良かったです。正室の豊の方は、自分には向けられない平蔵の恋心やお凛に遠慮なくぶつけられる熱情を妬む。お凛の兄分は変わってしまった弟を許せない。この二人とそれぞれ対峙する笠井先生の挿絵がまた素晴らしい…!!
いや、忍が正室を抱くとかありえんし、平蔵一人で政に悩み過ぎだったり、突っ込むとこはあるんですけども。
時代小説を全く読まない者でも把握しやすい文章に助けられ、また太鼓やシンフォニーが聴こえてくる様な戦の臨場感を味わえました。
バッドエンドしか想像できない激動の世のなか、昔の二人に戻ったような花のお話や穏やかな雰囲気(エロはエロい)の終わりもホッと終えられて良かったです。徹して純愛でした。
猛将・平蔵x屋敷で働く凛
(凛=凛太郎は美貌の少年忍者、くノ一の修練も受けている)
titleと笠井あゆみさんの表紙が凄く淫靡だけど、中身はまともな純愛物語。
鬼子と同じでこれも岡山県が舞台。
著者ブログによると「戦国時代が舞台の命をかけた恋愛」武将と忍者の純愛(https://bit.ly/2HMDgTJ)
もう一つ、戦国ものがあって「情恋~乱世の蜜華~」こちらは、殿x殿。東北。
ゲームのシナリオライターらしい展開で、幾つか山場があり、忍者として育てられた凛太郎が、太田の殿様の執着愛のおかげで心を開き、恋を知り、人としての情操を取り戻していく純愛物語。
「忍ぶ恋」
妬んで邪魔する正室や、凛太郎と組む兄弟子の長吉など、試練が色々あっても二人の心の結びつきは強かった。
凛太郎が忍者を抜ける際に片腕を失い、約束を守って「桔梗の花」一輪を持ち姿を現す場面に感動しました。(ここで失血死して物語が終わるのかと思った)
「とある忍びの死」
気になるのは、安定しない太田家に万一ある時、凛太郎が盾になる気持ちがまだある終りの場面。太田を守り、自分を犠牲にする生き方しか知らない凛太郎は、きっと太田より早く死んでしまうのだろうな、という予感を感じる終わり方で、少し寂しかった。
目的を達成する任務の捨て駒として、感情を捨てる洗脳教育を受けた凛太郎がとても健気で憐れでした。束の間かもしれませんが、幸せな時間を持つ結末があってよかった。やっぱり幸せな結末の小説を読むと、波乱が途中にあっても読後が気持ちいいです。
戦国時代の武将をアレンジして付けた「登場人物のモデルは誰か?」を想像するのも楽しかった。分かりやすいネーミングですよね。
---
備中:太田氏
旧国名の一。山陽道に属し、現在の岡山県の西部にあたる。古くは吉備 国の一部。備州
(備中の戦国時代前期(永正・大永期)の武将に、岩付太田氏が居ます。太田道灌の子孫)
伊賀忍者:
根拠地は、現在の三重県伊賀市と名張市 普段は農業や行商をして各地の情報を探る一方、指令が下ると戦場やその後方へ出向き、工作活動に励んだ。甲賀流と異なる点は、甲賀忍者が1人の主君に忠義を尽くすのに対し、伊賀忍者は金銭による契約以上の関わりを雇い主との間に持たない点。「抜忍成敗」に則り、厳酷な精神と高い体術を育成していた。江戸中期に帰農。
---著者は、こういう「小道具を使ったメッセージ」が上手いです---
★桔梗の花言葉:瀕死の凛太郎が再会場面で持つ花
花言葉は「永遠の愛」「一途」
桔梗の花言葉の由来は、夫や恋人が戦場から帰る日を無事を祈り、亡霊になっても永遠に待ち続ける、一途で切ない女性の伝承が東西にあるため。
★椿の花言葉:★椿の花の場面で、正室が妬む様子が描かれています。面白い。
赤い椿=「謙虚な美徳」 「控えめな素晴らしさ」 「気取らない優美さ」
裏花言葉は「犯罪を犯す女」
椿には邪悪なものを祓う力があるとされていた。
笠井先生のイラストたどりでこの本に到達。
丸木先生は、何かで一度拝読したのですが、ちょっと怖かった印象があり
やや避けてました。ごめんなさい。
で、今回、そんな私でしたが、これは大丈夫、超好き!
(でも和風以外のファンタジーのためにやっぱ神はおいとく)
何がよかったっていうと、受け!強い!凛々しい!!!
○○切っちゃっても、這っても帰ってきちゃう!!!!!
読んでて、わーん、帰ってきたーと思わずぐっすん。
苦手な身体損壊シーンでしたが、思いが強く感じられたせいか、
全く痛いーという感触がなかったです。
後、攻めさんの嫁さん。
彼女の悋気には、なんとなく同情してしまって。。。。
そりゃ男に寝取られたらたまらんわ。 とつい。
なんとか受けさんを追い出そうと画策するところも、
見苦しい というより、彼女の強さを感じて、個人的には
をを、頑張る~つえー とやや感動。
日本史物はたぶん初めてなんですが、
大変面白かったです。読後感が超よかった!
あ、女子がちらっとでも出てきたらやだ という人は
お止めになった方がよろしいかも ですね。
戦国時代の史実をベースにファンタジーとして書かれた武将×忍者の物語です。平蔵も凜もお互いへの執着が強くて、読み終わってみると二人がひたすら肉欲に溺れてやりまくっていたような気がしますが(笑)、戦国時代ならではの命がけのドラマティックな展開や敵味方に分かれた駆け引きめいたやり取りもあって読み応えがありました。
全体的に淫靡で、武士と忍者という立場ゆえに刹那的な雰囲気が一貫していて世界観に浸ることが出来ました。笠井あゆみさんのイラストで作品の魅力がさらに増しているように感じます。この体格差…色んな意味でゾクゾクしました。
プレイとしては激しめですが、愛が有り余るほどあるので読んでも辛さはありませんでした。二人にはいつまでも相思相愛で居て欲しいなと思います。
淫靡にして、哀しい逢瀬。
鬼子の夢を読んだときに山田風太郎作品に似ている気がしていたのですが、そんな丸木文華さんの作品で、忍びネタというのでこれは是非読まねば、と思ってました。
これはもうタイトルに“忍法帖”と付けていいのでは?と。
時代小説なんかが好きで、よく読むのですがのその中でも、山田風太郎の忍法帖シリーズや司馬遼太郎の梟の城、隆慶一郎の花と火の帝など忍びを題材にした作品が大好きです。
BLなので、さほどグロテスクなシーンや時代背景の細かな描写はありません。しかしながら、この作品では受けの凛太郎がちゃんと忍びの仕事を全うしていて、ただ守られるだけの存在ではないんですよ。仕事とあらば他の男に抱かれるし、自分の前に立ちはだかるのであれば朋輩も殺します。彼に人間としての感情を教えたのは平蔵なので、いずれ本当に平蔵の為に命を落とすのかもしれませんね。
一応、ハッピーエンドの形を取ってはいますけど、平蔵には子供もいるし側室もいるし、太田家当主である以上凛太郎との蜜月は束の間である様な気がしてなりません。
どうか、二人の幸せが少しでも長く続くことを願ってやまないです。
表紙の笠井さんのイラストに惹かれ購入しました
攻め視点で描かれていて
受けがなぜ攻めを好きになったのか
あとで実は裏切ったりしないか
ちょっと疑いながら読んでしまいました(笑)
そんなことなくてよかったです
新刊チェックで知り、作家買いする先生の作品で、
今回は特典ペーパーが付くということで、
いつものお店で予約して購入しました。
好きな作家さんや粗筋の内容に関係なく、
もう「忍姦」という単語だけで、何だか萌えに萌えてしまいました。
『忍ぶ恋』、『とある忍びの死』、『忍姦 ~蜜戯の策~』の
三部構成になっています。
最初、このタイトルだけを見た時、「まさかの死ネタ?」と、
攻めには契りを交わした受け(元)が居て、
その(元)受けが亡くなった後に今回の主役である受けが登場して…、
というような内容なのかと思っていましたが、死ネタではなかったので
良かったです。
攻めである平蔵さんは、外見からは想像し難いくらいの
純情で一途で誠実で優しい人でした。
受けの凜太郎くんに対する平蔵さんには好感を持ちますが、
その一方で正室である お豊さんの言う通り、
良い意味で、人が良すぎて残酷だと思いました。
平蔵さんは良い人すぎて罪な人だと思いました。
受けである凜太郎くんは、人ではなく忍びとして化生となって
生きているため、無感情で無機質な印象を持ちました。
平蔵さんと出会ったことで、忍びとしては死んでしまったけれど、
人として少しずつ感情を知っていく姿に好感を持ちました。
また、平蔵さんと相思相愛になっても、何の躊躇もなく
いつもの調子で体を使って忍びの仕事をして平蔵さんを
ヒヤヒヤさせている、少し天然なところが可愛らしく思いました。
平蔵さんの正室である お豊さんは、姑のように凜太郎くんに
嫌がらせをしたり追い出そうとしたりしていますが、
いつもなら、このような登場人物であれば嫌いになったり
苦手になったりするだけの印象に留まるだけになるのですが、
今作では、お豊さんの視点の描写もあり、読んだ限りでは
お豊さんは性格が元から悪いわけではない印象を受けたため、
お豊さんのことを憎く思ったり疎ましく思ったりすることは
ありませんでした。
むしろ、今作の主な登場人物の中では、一番 強く印象に残っています。
長吉さんの裏切りと平蔵さんからの良い意味でも悪い意味でも
残酷な仕打ちを受けて、唯一の寄り処である幼い息子を
取り上げられてしまい、当時の武士の時代の宿命だとは分かっていても、
やはり、お豊さんを救済してほしいと思わずにはいられませんでした。
凜太郎くんの兄弟子である長吉さんは、
初めは適度に良い印象を受けていたのですが、
自分の欲望の赴くまま、軽い気持ちで お豊さんを裏切る行為を行った
その心境が、一気に好感度を失せさせてしまいました。
お豊さんとは反対に、何とか長吉さんを懲らしめてほしい
という思いで一杯になりました。
今作は上記の四人の視点から適度に書かれているのがとても良かったです。
とても分かりやすかったです。
今作は時代が戦国時代ということで、台詞だけでなく全ての文章が
戦国風の文面のため、丸木先生らしさが出ていて、
当時の雰囲気が伝わってきて、とても良かったです。
しかし、その反面、言葉遣いや文体が戦国風のため、
何度も躓きながらスムーズに読み進めることが出来ず、
良い意味で読み辛かったです。
『忍姦 ~蜜戯の策~』内の「桜」の章の冒頭を読む前まで、
戦国時代の実在の武将とは全く関係ない架空の武将が
登場していると思って、様々な武将の名前が出てきても
全く疑いもしなかったのですが、「桜」の章の冒頭を読んだ時、
実在する武将の名前を捩っているのに気が付き、
面白いなと、粋だなと思いました。
また、名前だけでなく、時代背景も、
読んでいる時には架空の戦とばかり思っていたのが、
実は少し史実を絡めていたのだということに気が付き、
史実と架空の話を上手く絡ませた描写がとても面白いと思いました。
今回の評価は、「萌×2」と「萌」で少しだけ迷いました。
丸木先生の文章は申し分なく素晴らしく、
物語の内容や展開、時代設定、舞台設定、人物設定など
迷うことなく「萌×2」評価です。
ただ、お豊さんの最後と長吉さんの件が気になって、
また、良い意味でですが読み辛かったのが気になり、少し迷いました。
しかし、少し時間を置いて改めて考察すると、
上記の懸念が評価に迷ってしまうほどではなかったため、
最終的に「萌×2」評価にしました。
今作は、あとがきによると『エロとじv艶』に収録されていた
ということですが、『エロとじv艶』は持っていますが未読のため、
そうとは知らずに今作を読みました。
(単純に完全に忘れていただけかもしれませんが(汗)。)
性別を超越したような、艶麗たる美貌はまさに少年ヴィーナス。
女装していなくとも凛太郎の婀娜っぽさが文章全体に溢れ出ていて、それが己の体と技だけを信じる忍という相反する魅力を一層醸し出していたように感じます。
人の心を捨ててしまったというのに平蔵の為に、忍びのタブーを犯して身を捨ててでもという一途な純愛に全てを捧げる描写は心に沁みました。
戦場では猛将とまで呼ばれる平蔵もまた、そんな凛太郎の前では丸裸になって涙を流しながらも純愛に従うのですから美しくも切ないです。
だけど、凛太郎の魅力の虜囚になる平蔵は見ていてちょっと可愛かったかな。
人目を忍んで逢瀬を重ねるシーンもセンシュアルでロマンチックでキュンとしてしまいます。
エロス満載でラブシーンは甘く美しく官能を煽り立てられますが、時代背景が戦国という事、二人の置かれている立場、それを考えると常にハラハラと緊張感が漂っていて飽きずに最後まで魅せられました。
最後の最後までほんと安心できなかったw
笠井さんのイラストも恐ろしい程にマッチしており、ラブシーンはもちろん兄弟子との戦闘シーンにはまた違う美しさがあったように思います。
一途な恋っていつの時代でも素敵ですね。
◆あらすじ◆
舞台は戦国時代の備中。人名は架空ですが、政治情勢は大枠史実通りで、地名も実在のものです。
リアル戦国史では、本能寺の変前夜の、天正八年以降天正十年頃に重なり合いそうですね。
攻めの太田平蔵は、どうやら備中の国人領主らしく、戦場では一騎当千の猛将。
彼の居城・備中松山城(※)は、中国地方に勢力を拡大してきた織田(この作品では「尾野田」)勢と、中国地方の覇者・毛利(この作品では「利川」)勢の勢力がせめぎ合う境目地域にあたります。
両勢力の狭間で生き残りを模索しながら、伊賀忍者・凛太郎(受け)との愛を貫こうとする平蔵ですが、妻に凛太郎との仲を勘付かれ――
◆レビュー◆
この表紙に、このタイトル、そして「毎晩、犯してやろう」という帯コピー。
もう、思いっきりエロを期待していいからねvと言わんばかりな(笑)
実際、『エロとじ 艶』初出の第一話は殆ど濡れ場オンリーですし、全編まんべんなく濡れ場はふんだん。その意味では期待を裏切らない一冊だと思います。
丸木さんの濡れ場描写は私にはちょっと甘味成分が過多なんですが、甘めが好きな人にはジャストミートかと。
そしていつもながら美麗な笠井あゆみさんのイラスト!!
鬼神のような大男の平蔵と女と見紛う儚げな凛太郎という体格差カプですから、笠井さんの絵はほんとイメージに合いますね。
平蔵の褌姿もちらりご開陳。
ただ個人的に戦国ファンということもあって、ちょっと物足りない部分も。
特に中盤の、平蔵が姫路まで単身凛太郎に会いに行くという暴挙に出る辺りは、あまりに戦国時代の現実とかけ離れ過ぎていてドン引き。
備中松山から姫路まで、直線距離でも100キロ。姫路は敵陣まっただ中だし・・・戦国物は一歩間違えれば命を失う緊迫感が魅力なのに、そりゃあまりにも境目地域の戦国領主として呑気すぎ(;_;)です。
もっとも、クライマックスに向けての生死を賭したシビアな展開で、テンション回復。
しかも本能寺の変の新解釈(?)まで飛び出すとは!!思いのほか奥が深くて、終盤は大満足でした。
戦闘シーンの描写にもスピード感がありますねぇ。
平蔵の戦いっぷりは、猛将というより不死身のゲームキャラ級。一刀のもとに首3つ飛ばすって・・・かなりゲーム的戦国世界な部分はあって、リアリティーは度外視。それだけにスカッと痛快!です。
また、平蔵の妻や凛太郎の同胞を巻き込んでの、愛憎渦巻く人間関係の機微はさすがの描写力で、読み応えがありました。平蔵の妻の去り際の一言には、図らずも共感しましたね。
ちなみに、昨年発売の「鬼子の夢」(花丸black)も、同じく戦国の中国地方が舞台で、イラストも同じ笠井あゆみさん。この作品が気に入った方は併読をお勧めします。
う~ん、BLとしてはかなり面白いし評価は迷いに迷いましたが、なまじ史実が織り込まれてるだけに時代物としての期待値が上がってしまったこともあって、萌で。
※リアル戦国史では、松山城はこの時代毛利氏の城です。本書には「松山の城」とあるので、いわゆる松山城とはベツモノという設定かもw
まず何より先に述べたいのは
笠井あゆみ先生のエロエロエロ美しすぎる挿絵について!!
口絵カラーがエロなのは勿論のこと
中の絵も10枚中6枚がエロシーンなのですが、それぞれの構図や表情など工夫されていて飽きさせません。
「え、これどこがどう絡み合ってんの?」
と思わず色んな角度から見つめたくなる、複雑で濃厚で隠微な合体図はさながら春画のようでした。
では内容について・・・
戦では「猛将」と恐れられるが
根は心優しき武将・平蔵は
可憐な美貌の女中・お凛に少年のように純粋な恋心を抱いていた。
お凛が密偵のため女装し
屋敷に潜伏する草の者と知った後も
その愛は変わることなく…。
互いに一目惚れで初恋の二人は
人目を忍んで逢瀬を重ねる。
それぞれが死にそうになる等
切ない要素もあるのだけれど
それより互いにベタ惚れな二人のエロシーンや
愛の告白が強烈で、
読み終わってみると非常にラブラブで
糖度の高いお話という印象。
そんな二人の仲を快く思わないのが
平蔵の側室のお豊と、お凛の兄弟子・長吉。
一度は結託する二人だが
長吉は、いつも冷徹なお豊がふと見せた「女」の部分に幻滅し、以後は彼女を欲望の対象としか捉えなくなる。
最後の最後で平蔵への情が勝ってしまったお豊と
最後まで「忍びに色恋はご法度」と持論を捨てぬままお凛と相対する長吉。
同じあて馬ながら、女性と男性の違いが見えてこの二人の存在も興味深いものでした。
違いと言えば、平蔵と凛太郎の愛し方の違いも面白いです。
優しすぎるが故に自分からは凛太郎を束縛できない平蔵(ややヘタレ?)。
それに対して、凛太郎は平蔵のため
その身体も命も全て捧げ尽くすほどの
強さと熱さを持つ。
このように性格は違えど相思相愛な二人なので
数あるエロシーンは会話から何から
情熱的だわ長いわで
胸焼けしそうな濃さでしたw
「ふぐり」「腎水」など
時代がかった官能用語もバリエーション豊かで
エロスを感じるより
丸木さんの筆の巧みさに感心・・・
エロだけでなく
死と隣り合わせの戦国時代の緊張感や
脇役を含めた人の心の機微など
ドラマティックに描かれた秀作かと思います。
冒頭から始まる、草(忍)が露見したことで捕えられた恋した人に、領主がこらえきれなくなった感情を爆発させて行われる、凌辱でありながら少し色合いが違う交わりに一気に引き込まれる物語。
時は戦国。
読んで行けばその設定は皆様ご存じの魔王が天下布武を行ったあれやこれやが重なるそれらをパラレル風にしたものと思われます。
全部で3部からなっているのですが、そうした史実に近い流れを取っているために、この主人公になる2人に一体生きて幸せをまっとうする終わりは訪れるのか?少しハラハラもさせられました。
丸木さんの作品のエロス描写は何と言っても他のエロを描く作家さんよりも格段エロいと思っているのですが、その中でも時代設定ものは絶品と思います♪
言葉使いが時代めいた口調、少し固い表現を用いて進行されるそれは時代小説を読んでいる臨床感を与えます。
そしてその時代口調で行われる交わりは、まさにエロ本を読んでいる感じに浸れます。(好みはあるでしょうが)
何が一体違うのか?上手くコレ!という事ができないのですが、自分に訴えかける官能の波長がピッタリ合うとしか・・・
それを盛り上げる場面設定が、それぞれの3話において効果的に見せているのです。
最初においては、裏切られた絶望と憎しみの底に潜む互いを恋うる気持ちをぶつけ貪り合う姿。
2話目においては、主従となった人目を忍ぶ互いがやっと逢瀬を遂げた事への喜びを込めた互いの貪り愛。
3話においては、激しい嫉妬に駆られた気狂いのような情動。
場面設定において交わりの表現が見事に2人の心情を語っているのです。
ここが、自分が好きだな~と思う所でもあります。
戦場では鬼と言われる平蔵も、恋に落ちればそれが心を占めてしまうような優れた領主とは言い難い弱い面を見せて行き
人の心を持つべからずと忍の道を生きてきた凛太郎が恋を知った事で仲間に”くの一”と呼ばれ人になってしまった己に葛藤しながらも愛する人のために道を貫こうとする強い姿を見せ。
丸木作品にしては、受けが強いという珍しい設定だったのではないでしょうか?
丸木さんの戦国時代物です。
色々資料を見直して書かれたということで、世界観はバッチリです。
現代物とはまた違う『魔羅(アソコ)』だとか『腎水(精液)』だとかの言葉がBLでは新鮮ですねえ。
丸木さんの作品は買ったり買わなかったりがあるのですが、今作は笠井あゆみさんのイラスト買いでした。
雑誌掲載二作と書き下ろしですが、その三本でうまく一つにまとめられています。
この違和感のなさは流石です。
********************
攻めの備中守太田平蔵は大男の猛将で、30歳。
心根は優しくとも、太田家を備中一に押し上げた実力者。
受けの凛太郎は、平蔵の元へ仲間を手引きする為に忍んだ乱破(忍)。
女のように美しい、15、6歳に見える少年。
********************
一年前、荒れ果てた村で拾った凛太郎を連れ帰って女中とした平蔵でしたが、その美しさと心根に惹かれ側室(本妻と子供もいます)にと考えていた矢先の乱破侵入騒動。
もちろん少女と信じていたわけですし、自分が心を許した相手が敵方の乱破であったことで、怒りと落胆に襲われ衝動的に陵辱してしまいます。
しかし裏切られても平蔵は凛太郎が諦められず、凛太郎自身も平蔵に惚れ抜いていて、乱破としての自分の宿命に苦悩しつつも、己の命をかえりみず平蔵のために行動することでお話は進みます。
まあ、とにかくえっちシーンが多いわけですが、その割りにあまりいつもの丸木さんのエロスは感じません。
相変わらず攻めも喋りまくってはおりますが。(そこが丸木さんの好きなところ♡)
多分その場面が、ほとんど命がけのような雰囲気があるからかと。
時代背景が戦国なので、エロより命!(笑
本番シーンよりも、夢の中に乱破としての現れた凛太郎のシーンの方がエロスでしたねえ。
ちなみに、最初の陵辱シーンだけで笠井さんの挿絵が二枚もあってお得感が満載。
一本目は平蔵視点、二本目は凛太郎、三本目は両視点。
命の危険にさらされたり本妻の陰謀やらはありますが、それらはまああくまでBL世界でのことなので、あまり心配はいりません。
凛太郎の覚悟するシーンはなかなかに切ないですが、最後はハッピーエンドですのでご安心を。
そして、登場人物や時代背景は実在の歴史をもじっていたりしてちょっとクスリです。
シリアスばかりですとしんどくなるので、まあこれくらいの遊びがあって良かったのだと思います。
ちなみに帯のあおりは『毎晩、犯してやろう』なんですが、実際は遠距離恋愛のようなものなので願望ってことですね(苦笑