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ame to hyena
「青の疑惑」を読んで、テンポの良い展開が好きだったので作家買い。
雰囲気のある表紙絵にも、背中を押されました。
ただ、読後の感想としては、「青の~」ほどキレの良さを感じなかった・・・水原さんの作品ということで、期待しすぎたのもあるかもしれませんが。
主人公は、小さな町金業者を経営する雉村令(33歳)。はっと息を呑むほどの美貌の持ち主です。
義父に性的虐待を受けて15歳で家出して以降、売春やホストをしながらのし上がった令には、今もヤクザや高級官僚など複数のパトロンが。金融業者は趣味の範疇で営んでいる程度。
しかし、焦げ付いた債権の取立てに出向いた先で、債務者が依頼した弁護士・網淵宗平(32歳)に出会い、令は彼の若さと人としての強さに惹かれていく――
大枠はそんなストーリーです。
全く個人的な好みの問題ではあるんですが、弁護士×悪徳金融業者(金利は合法の範囲ですが、取立て方法は違法です)である以上は、掛け算の前に、「VS」=対立の段階ががっつり入ってほしかった・・・そこが最大のがっかりポイント。
2人の間に法の番人と違法業者としてのせめぎ合いは殆ど見られないまま、唐突にベッドイン。
う~ん、たやすく悪徳金融業者(それも依頼人と利害対立してる相手)と馴れ合ってしまう弁護士には、攻め様としての魅力を感じない・・・
弁護士という仕事に対する、網淵のネガティブ発言も気になってしまいます。
令は網淵のどういう部分に「人間としての強さ」を感じたのか?
網淵の魅力が感じ取れなかった、というのが正直な感想です。
令も分かりにくい。
金融業者を営み、借金苦に堕ちていく人間を見るのが蜜の味、自身はパトロンたちから億ションやポルシェを買い与えられ優雅な生活を送る男。
パトロンたちへの愛はなく、でも、彼らとのセックスで体は感じる・・・
はい、超歪んでます。
個人的に、美しくて歪んだキャラは大好物なんですが、この人の場合、パトロンの力を借りてるところが共感しづらい。
令みたいなハイエナ的な生き方の男に魅力を見出すのって、結構ハードルが高い気がします。
その令に、空虚ではあっても経済的にはおいしい愛人生活を捨てさせたのが網淵なわけですが、網淵の魅力にも説得力を感じないだけに、モヤモヤが二乗。
しかも、パトロンたちと別れた後のラストシーンは、元パトロンにもらったマンションで網淵とH・・・幸せいっぱいのハピエンのはずなのに、もうモヤモヤMAXに!
水原作品でなければ「萌」、でも期待値が高かっただけに、「中立」で。
ただ、2人の3度目のセックスでの、網淵のがっつきっぷりはすごく萌えました。
年下攻めの本領発揮ですね。
買いましたー!水原とほるさんの作品は受けが痛くて可哀想な話でないとなぜか物足りないんです。好きなので全部買いたいんですが、多作な作家さんなのでちるちるレビューや作品あらすじを読み、それっぽいお話から買うことにしています(なんて性格だ)
これは間違いなく痛い方の水原作品。でも主人公の年齢が30歳すぎなので色々人生を悟って本当の心を隠しながら生きる術を心得ています。幼い時から性的虐待に合うなど辛い境遇で、今ではそれを逆手に綺麗な顔と体を使って、たくさんの男のパトロンを手玉に取りながら生きている美しく淫乱な魔性の受け。今までありそうであまりなかった水原作品の受けかもしれません。
そしてもうひとつ水原作品に欠かせない執着攻め。しかも職業ヤ○ザ。これも酷い男だけどちょっとだけいいところも最後にあったんです。でも魔性受けは結局純情で素朴な誠実男の方を選ぶのは名作「唐梅のつばら」と男関係の構図は似ているかもしれない。でもあれとは違って受けが本当の純愛に30過ぎた大人になってから初めてはまるという展開が意外と新鮮に感じられて萌えました。
ヤクザや政財界のトップをパトロンに持つ
美貌の取り立て屋・令(33)は
借金の取り立て先で、弁護士の網淵(32)と出会う。
真面目で人の良い網淵に惹かれ、取引として身体の関係を
持ちかけるが…。
令がこれまでの自分を省み、変わろうとする様を
淡々と描いた作品。
網淵との恋愛は(大きな転機だけど)あくまで物語の一部
という感じでした。
絡みも、網淵とのシーンとパトロンたちとのシーンが
半々くらいの割合です。
令の半生はなかなか壮絶です。
幼い頃から義父に身体の関係を強要され、15で家出。
身体を売り、パトロンを変えながら
東京でのし上がってきた。
気づけば30を過ぎていて、そこで網淵という男に出会う。
網淵も母子家庭で貧乏な暮らしをしてきたのに
令とは違い、人の心を失わずまっすぐ生きている。
令に無理やりセックスを強要されたにも関わらず
事後に令の身体を気遣う優しさを見せる。
そんな網淵に愛され、令は自分も変わりたいと
暴力団幹部でサディストの三浦にパトロン解消を申し出る。
そこですんなり別れてくれるほど三浦は甘い男ではなく、
代償として令に凄絶なプレイを強要します。
縛り上げられ、輪姦され、排泄行為を強いられ…
その一部始終を撮影される。
描写はぼかしてあるためすごく痛い感じはないですが、
このシーンが一番印象に残りました。
裏社会を抜けることの重みや、三浦の令への執着など
綺麗事ではない人間関係の奥深さを感じました。
それだけに、三浦や網淵が令を
「きれいだ」「汚れてない」「泥の中で咲く蓮の花だ」
などと誉めるのはピンときませんでした。
いくら生い立ちが不幸で、顔がきれいで
取り立ての仕事を楽しんでいなかったとしても
取り立て屋は取り立て屋だと思うので。
変に美化せず、汚いは汚いと認めた上で
これから変わっていくラストの方が納得できたかな。
そこだけ気になりました。
淡々としすぎで、盛り上がりには欠けますが
硬派な雰囲気は好みな作品でした。