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聖液は身を清めてくださいます
rengoku no kurobara
インタビュー記事を見て好みの内容だったというのと、あと久々に見かける挿絵作家ということもあり入手してみました。
主人公、ルカ侍祭は重大な生い立ちを持っているのですが、その描写を避けるためか当初どこかキャラ描写が希薄かなーと感じつつ読んでいました。表紙の通り東欧系の退廃的で幸薄い感じです(その点、表紙には人となりがよく描かれていると思います)。読み進めていくと生い立ちが徐々に明らかになりキャラ描写も増えていきます。半分ぐらい読んだところで亜麻色の髪と出てきたような(笑
オルマン司祭は偽善者の上、外法は使うわ、ご奉仕はさせるわ、(受け以外にですが)薬を使うわで、人目につかないところではクズっぷりを発揮しています…ルカにとっては恩人ということもあり、ルカ自体は依存にも似た篤い信仰心を持って接しています。
攻めのガルバスは半ば偶然召喚された悪魔です。当初は甘言など用いた悪魔っぷりを発揮しルカを籠絡しようとしたります。当初ルカの司祭への頑なな依存に呆れつつも、ルカを知るにつれ優しさが出てきたり、甲斐甲斐しく世話するようになり、うわ、いい人…いや悪魔という感じに。ガルバス、マジ天使!…ある事柄でルカと一度離れてしまうことになるも、一連の事をきっかけにして復活しクライマックスへと繋がります。
お話に絡む、死神のセトがキャラ的に良い感じ。ガルバスとは付き合い長そうでそこら辺のエピソードも読んでみたいものです。
お話を振り返ってみると、受け攻めともに特殊な事情による死生観的なものが、語られる感じでしょうか。多少重い話になりますが、スッキリまとめたと思います。世界の自由度の高いファンタジーならではの展開で楽しめました。
ガルバスの「俺を誰だと思っている」で全て解決です。
宮本さんの作品は合ったり合わなかったりがあるのですが、こちらはかなりよかったです!
ファンタジーをもともとあまり読まないのですが、(えろ目当てなら読むのですが…)すごく面白かった。
設定がよく考えられてるなあと思いました。
あんまりファンタジーを読まないのは、本によっては世界観の説明や設定が小難しく感じることがあり、自分は難しい事が苦手…^^;だからなのですが、この本は設定があれこれあるのに難しくなく、素直に面白い!と思えました。
主人公のルカは教会の修道士で、手違いで悪魔ガルバスを呼び出してしまいます。
ガルバスはルカの願いを叶えなければ人間界を去ることができないのでルカに願いを言えというのですが、ルカは昔犯した罪で体に呪いがかかっていて、性欲、睡眠欲、食欲、寒いとか痛いとか感情さえもないという…。
そのルカの生活が、悪魔ガルバスが表れたことにより変わっていくストーリーは恋愛要素を抜きにしても面白く感動的でした。
まさしく壮大といえるお話です。
恋愛部分もとても丁寧で、萌えるというよりせつなくてたまらないです。
最初は子供も簡単に殺そうとするガルバスに攻めキャラとしてのかっこよさが見いだせない…て思っていたら、お話が進むにつれてカルバスの健気さや一途さに胸が疼く感じでした。
ルカの生きてきた環境が過酷でつらすぎるのですが、ルカは呪いにかかりながらも自分の居場所を探しています。
そんなルカに理不尽な世界こそがこの世界だという悪魔は、人間とは別のところで生きているからか、当たり前のことを人間よりもわかっている。
感情に素直で、欲望に忠実で、人間より優しい心もある。
見ていて気持ちいいキャラでした。
キャラのセリフも一つ一つが面白いものを選ばれて書かれている感じがしました。
受けであるルカの性格も変わっていて、特殊な環境で生きてきたせいで、自分の恩人である司祭に猥褻な行為を強要されていても、司祭の私利私欲に利用されていても、これは聖なる行為だと信じきっています。
そんなルカにイライラし、振り向かせたいと思って、自分勝手に気ままな悪魔だったガルバスもまた変わっていきます。
人間の肉体からも、天国や地獄からも解放され、文字通り二人きり、お互いの世界には互いには二人だけ…というようなラブストーリーにはとても弱いです。
人間の身体をなくし、天国にも地獄にもいけなくなったけど、長い間暗い世界に閉じこもっていたルカにとって、ここからが新しい世界の始まりなんだなあと思うと、ほんとにラストのラストまで辛いことばかりで、ルカにとっていいことなんて今まで一つもなかったといっていいくらい厳しい世界だったのに、急激に世界がぶわっと綺麗に見えるんです。
それが絵でなく文章で伝わってくるのがすごい。
そんな最後の一ページがとてもよかった。
こういうラストシーンドキドキして大好きです。
「灰と骸」を読んでいなかったら、このお話で作者様が描こうとしていた萌えを捉えきれなかったんじゃないかな…。それでもわたしには難しすぎて、攻め受けの愛の形が理解できたかというと、うーん…(←できていない)
聖職者(カトリック?)の黒歴史を背景に、異種間の(性)愛を描くなんてBLにしかできないですよね。
冒頭、悪魔を呼び出す儀式から始まって期待感にゾクゾクしましたが、主人公・ルカの抱えている秘密がなかなか明かされなくて、それがちょっとストレスになってしまったような気がします。
東欧の小国にあるトランダフィル・ネグル修道院。村人から崇められている最高責任者の司祭・オルマンは、夜になると修道士ルカを伴い、地下聖堂で悪魔と契約を結ぶための黒魔術を行っていました。失敗を繰り返す中、禁忌とされる黒薔薇召喚に踏み切った夜。見事に術は成功し、悪魔・ガルバスが出現します。ところが、秘儀の準備段階で生じた小さなミスにより、悪魔の召喚者がオルマンではなくルカとなってしまったことから、事態は不穏な流れに…。ガルバスの姿はルカにしか見えなかったために、オルマンにとって今回の黒魔術はまたも失敗とみなされます。
ルカの生い立ちは不幸なものでした。窮地に陥っていた彼を条件付きで救ったのがオルマンで、二人は聖職者でありながら歪んだ主従関係を結んでいます。オルマンはルカの秘密を利用して悪魔に差し出すための生贄となるように強要し、さらに性的処理までさせているにもかかわらず、ルカは喜んでその役目を引き受けているのです。
しかし、ルカにかけられた呪いを召喚されたガルバスが解放してしまったため、ルカは更なる代償を背負わされることになります。いつしかガルバスは不憫なルカを憐れむようになり、その存在を失いたくないと願うほどまでに囚われていきますが、ここら辺からルカとガルバスの関係にだんだん追いつけなくなってきたような…、、
ガルバスと出会うまでルカには我というものがなく、自分の命にすら執着がありませんでした。けれど、ルカの願いを叶えなければ役目を終えられないガルバスによって、ルカは皮肉にも人間としての欲望に目覚めさせられることに…。そしてオルマンに向かっていたルカの関心が全てガルバスの方に切り替わっていくのですが、二転三転するルカの状況を把握するのに精一杯で、この肝心な部分がちょっと伝わりにくかったかも。
ガルバスは生粋の悪魔というわけではないのだけれど、なぜ特別ルカだけに情けをかけたのか、その心理をもうちょっとゆっくり追いたかったです。それと、ルカの人生がめちゃくちゃ理不尽すぎて、受けとして見ていられないくらい可哀想でした…。
緻密で重厚な舞台背景や、ゴシック小説的な雰囲気がすごく好きだったのですが、ルカとガルバスが惹かれ合ったプロセスがあまりにも複雑だったために、ラブストーリーとしてはズズーンと重苦しいものがありました。
うう、ごめんなさい。後半は駆け足になってしまいました。前半を読みながら、多分ここを乗り越えれば相応のカタルシスがあるんだろうなーと予感はしたものの、禁忌的で淫靡なのにどうしてだか退屈に感じてしまって読み進めるほど興味を持てませんでした。
一つには、ルカの人物像が複雑すぎてどこに魅力を感じればいいのか分からなかったというのがあります。壮絶な過去があったようなのですが途中まで詳細には明かされず、読者に対して勿体ぶっているようでモヤモヤしました。情報を小出しにする技法って難しいんですねぇ。そんなルカにガルバスがどんどん絆されていくのもまた謎で、ルカのどこをそんなに気に入ったのかさっぱり分かりませんでした。
明確にキリスト教とは(たぶん)書かれていなかったと思いますが、十分にそう思わせる教会や信仰の話は面白かったです。