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only you,only
原作既読です。
確かに、泣きの岸尾節でした。
真木は最初から須藤が好きで、でも、最初からかなわない恋と諦めていて、行きずりの男との身元を隠した一夜限りの関係で身体の寂しさを紛らすことで、心の隙間を隠しています。
須藤は偶然2丁目でそんな真木を見かけて、真木に興味を持つのですが、、、
とりあえず、泣きの岸尾さんのことはおいといて、
前野さんって、こういう鈍感で誠実な男をやらせると絶妙。
ノンケの鈍感さが俺様化することなく、本気の恋に対してはヘタレることなく潔さになる、なんかこう、針の穴を通すみたいにギリギリのライン。
そこへ、岸尾さんの抑制の効いたハスキーボイスが絡んで、
派手さはないけどしっかりしたいいもん聴かせて戴きましたって感じです。
フリトで岸尾さんが「久々のBL出演。まだ自分にもオファーがくるんだな」なんて言っているけど、
いやもう!本当に素晴らしいから!是非また出てください。
知性を感じる美人声でナチュラルな演技。
濡れ場の艶っぽさも健在。
短いのが残念!
最初から最後まで、堪能したかった!
それくらい岸尾さんの濡れ場は絶品だと思う。
前野さんも真っ直ぐな青年役がとても合っていた。
外野から妨害は入るものの、二人の気持ちはしっかりと結びついているので、安心して聴ける。
終始甘く、品の良い作品。
原作既読。
前回の【ティアドロップ】同様、原作がとても好きなのですが、この作品もやっぱり何かが違う……という感じが最後まで付きまとってしまい、いまいち集中できなかったです。
役者さん達の演技は文句なしなのに、何だか空気が違うというか、上手く表現できないのですが、とにかく違和感がぬぐえない。
正直なところを言ってしまえば、麻生作品は音声化に向かないような気が。
それか、別のメーカーから出していれば、もう少し違ったかも、というのはあります。
ここのメーカーさん、ポップなお話は凄くいいのですが、どうもシリアス系になると私は相性が悪いかな、と感じています。BGMの使い回しが目立つので、どうにかしてほしい。
肝心の中身についてですが、ヤンデレ受の真木を岸尾さん、その想い人の攻・須藤を前野さんが演じてらっしゃいます。
おふたりとも、繊細な演技を最初から最後まで通されていて良かったです。
真木の過去のトラウマや、想いをぶちまけて号泣するシーンなど、岸尾さんの迫真の演技で非常に聞き応えがありました。
後半の泣き演技には、思わずこっちまでじわっとこみあげてくるものが……。
想いがだだ漏れ溢れかえって、好きで好きで好きで、どうしようもなく好きで、という見栄や体裁を全て捨て去ったような泣き方がたまらなく良かったです。
会社や日常生活でも、感情を抑制して生きている分、この感情爆発の仕方は本当に素晴らしい効果を生んでいました。
前野さんも親族経営の会社に勤める坊っちゃん、という役柄なんですが、育ちの良さからくるお坊ちゃん特有の無神経さが良く出ていて、イメージとぴったりでした。
重苦しい展開の連続技で、聴いてる方も力が入ってくるのですが、ここまで色々とてんこ盛りなので、やっぱりCD1枚に納めるにはぎゅうぎゅう詰めにしすぎた感が否めない。
コミックだと表情だけで伝わってきますが、音声なのでその辺をどうにかしてほしかったです。
間の取り方を工夫しようにも、ここまで詰めこむと役者さんどうしようもないと思う。
とはいえ、普通に聴いてて胸が締め付けられるような痛苦しさや、ふたりの選んだ選択など、感動ポイントはたくさんあります。
ストーリーがかなり重たいので、気軽に聴ける話ではないですが、切ない話を求めているときにはオススメです。
評価は中立にしようか散々迷った末、役者さん方の演技が素晴らしかったので萌で。
雀影
セルフつっこみ
原作はコミックで読んだはずだけど、その割には、コミックじゃなくて小説だったように思えてしょうがない。
ストーリーは確かに覚えているのに、キャラクターの絵がちっとも思い浮かばない。
確か原作コミックの感想も、小説を読んだようだったって書いてたようなきがする。
でも、こうやって音声化されてみると、やっぱり内容量は小説のそれよりコミックのそれで、
少なくとも、真木の変装に関してはCDだけだとほとんど伝わってこなくて、
そこはやっぱりコミックならではの演出というか展開だったのだなぁ。