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boku to koi no recipe
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
1冊すべて表題作です。
直人(受け)の視点がメインですが、彩彦の思考や行動もあります。
表紙からも書き方からも、明るくコミカルチックな作品だと思っていたのですが、読後はどうにもすっきりしないものでした。
彩彦(攻め)は妖怪「サトリ」のように他人の心が読めます。そんな彼に気に入られた直人は「怪物」を飼っていると言われて…という話です。
ハッピーエンドではあるのですが、なんだか落ち着きませんでした。
直人のスリルを求めるという「怪物」は追及すれば危険なものになりえますが、それは放置されたままです。
直人は、スリルを感じるから彩彦が好きでなのではないかと指摘されます。直人は否定しましたが、読んでいるこちら側では、最初のセックスの時点では否定しきれない気もしました。また、その指摘も、他の人が言い出したのを彩彦が笑ってそれでもかまわないと悠然と受け入れるのなら安心もできますが、彩彦自身が言い出しているのも心配なところで、愛してると言いつつも将来が不安な二人だという印象でした。
また、直人の過去がさらっと書かれてますが、なかなかヘビィなものなのも読んでいて暗い気持ちになりました。
あと読みやすくはあったのですが、ちょっとくどく感じる場面もありました。顕著なのは冒頭で、その序章では直人が彩彦の世話に手を焼いている場面が書かれています。彩彦の変人ぶりを示したかったのでしょうが、二人の関係がはっきりしないまま読むには13ページは長かったです。全体的にももっと短い方が良かったのではと思いました。
コミカルなのかシリアスなのか戸惑う作品でした。
いや、きちんと料理で落としてる風なところもあったのですが
中身とはあんまり関係ないタイトルのような気がしてなりませんでした。
色々と話の内容が未消化なところがあり、続くの?と疑問を抱かずにはいられませんでした。
もし一冊完結のお話だとしたら自身といたしましてはやや気持ちの悪い終わり方のような気がします。もっとも著者がそういう意図で完結させているのならその心情も併せて読み切れなかった自身の読解能力不足のせいなのですが。。。
それでも未完結感は否めませんでした。
恋愛模様も急に盛り上がり、性急に事をなしているため自身のキュンセンサーの反応はいまいちでした。
ただ、話の傾向としましては自身の好きな感じではあったので中立とさせていただいてます。