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tatoe hajimete no koi ga owattemo
“雑踏を歩くときには、いつでも稔の姿を探さずにはいられなかった。稔に年恰好が似た若者の死体が出たと聞けば出向いて確認せずにはいられなかったし、その死体を一瞬稔と見間違えて、心臓が止まりそうなショックを味わったこともある。”
バーバラさんといえば乳首のイメージだったのですが、こちらも乳首でした(笑)
戦後BLは珍しく、闇市舞台に惹かれて購入。親と離れて闇市で何とか食いつなぐ稔が、思惑ありで近づいたGHQハラダからご飯やお菓子をたくさん貰い、美味しく食べながらも自分だけ幸せな思いをする事に罪悪感と孤独を感じて泣くシーンが何度も出てきて健気で可愛いです。
歴史ベースだからこそ、貧しさと生き抜く残酷さに説得力がありました。でもBL小説として歴史描写は濃すぎず辛気臭くなり過ぎないバランス。
不憫健気(ショタ寄り)と歳上攻めcp好きなのですが、ハラダが少年に手を出す事について何の戸惑いも感慨も書かれてなかったのが気になりました。女に見紛う顔の稔に声をかけ、目的があるからこそ風呂や食料を提供しながらも徐々に健気さに和み心を寄せたのは分かりますが、「でも子供でしかも少年だぞ」と一度は自身に問いかけて欲しかったし、初心な少年を抱く事にも罪悪感がないようでそういう趣味でなければ一度立ち止まってほしかった(趣味でもいいけど、私がその辺りの心理描写を読みたかっただけです)。
稔がご飯をくれるハラダの為にできる事を考えて、満足させたいと思い、また何か裏がないかと怯える純粋さが良いです。芯が強いけどちょっととろくて、顔も良いから周りから心配されるのも愛嬌。
色恋だと気づいてからは「もっと色っぽくなって楽しませることができたらいいのに」と、考えること自体が色っぽくて可愛い。
林檎シーンも狐のゴンみたいで健気さMAX。
そして稔を残酷に突き放したハラダが、稔の仕事を工面していた勝に泣きついて怒鳴られるのはスッキリしたし、この辺りの綺麗な生活と底辺の泥臭さと立場がごちゃまぜになる感じグッときました。
とはいえハラダが楽な仕事をしてきた訳では当然なく、戦争はどの立場でも厳しく精神病むなぁと思いました。
エロは2回+aですが頁数が(笑)
綿密です。
アイスクリームをこっそり持ってきて、「(闇市で広げたら目立つから)二人きりになるところに」って誘い込むの、すっごく良かったけど、ハラダの手練れ感と倫理が(現在で測れないけど)気になりました。しかもバラックで声ダダ漏れて。美味しいけどせめて宿舎にしてあげて…
総じて時代背景とそれに活かされたキャラクターと心理描写、エロと年齢差が楽しめました!
BLとしては珍しい舞台設定で、興味深く読んだ。攻めは日系2世でGHQの将校、受けは闇市でふかし芋を売る健気な少年。
日本を食糧難から救うために、闇市のことを詳しく調査したいと攻めに言われ、お礼においしいものをごちそうされ…親切にしてもらううちに惹かれていく受け。いいように利用されてるだけかもと思いながらも止められず、そして不安は現実となってしまう。
健気で可愛い受けだが、可愛いだけじゃなくて、誰を恨むわけでも泣き言を言うでもなく、自分のすべきことを考えて行動を起こすところが、芯の強さを感じさせて好感触。
攻めも日系人として理不尽な差別を受けており、また弟を日本人に殺されたという悲しい背景もあり。
任務と恋の板挟みで苦しんでいるのも伝わってきたので、受けを騙しても、好感度が下がったりはしなかった。
そのせいか、恋愛面ではタイトルほどの切ない感じはなく、その辺もうひとひねりあってもよかったかな?という気もしなくはない。よく言えば、そこまで痛くも辛くもないので安心して読める。
書き下ろしのSS「たとえ映画が観られなくても」
本編では、真面目で堅物というイメージだった攻めがなぜか変態化。受けに女装させ、映画館でコトに及んでしまう(他の観客はいないので衆人環視プレイではない)。
女装には一応理由があるにせよ、本編はシリアスだし、読む人によっては攻めのイメージが崩れた!と感じるかも。
個人的には受けが可愛いあまりに…というのが読み取れるし、バーバラ先生の攻めには変態要素がないと物足りないので楽しめた。終わってみれば、なかなかのムッツリ野郎でした。
電子版は挿絵なし、あとがきあり。バーバラ先生のあとがきはいつもくすっと笑えて面白い。
終戦後の混乱もまだまだ落ち着かない闇市やアメリカ駐留軍GHQが背景の切ない系の
恋が描かれている作品で、読み進めるとラブとは関係なくあの時代の混乱や
アメリカ二世が受けたであろう差別、戦犯に捕虜の惨殺と表面的にさらっと描いてあって
読み手によっては奥深さが出る作品のようにも感じます。
満州からの引き揚げ船で帰ってきた受けになる稔、両親はいまだ満州にいて、
ぎりぎりのところで稔だけ本土への船に乗せられ親戚を頼るようにいわれてきたが、
既に親戚の家も焼け野原で生死もわからず路頭に迷う寸前に、闇市の世話人でもある
人物の弟を助けたことで闇市内での仕事と寝床を与えられて両親が来るのを
待っている日々。
そんな時にトラブルに巻き込まれ見た目は日本人に見えるGHQのハラダに助けられ
何故か手厚く扱われ、餌付けされ、衣服をもらい当時貴重だったチョコやキャラメル
缶詰物資などを手土産にもらい、日本をもっと知りたいというハラダと友達に。
それが実は稔を手なずけ懐柔しながらある情報を探る為に利用されることになるが、
稔はハラダを心のどこかで疑いながらもいつしかハラダに恋していて
全てに目をつぶった状態でいた事を後に後悔し、それでも相手を恨むことも無く、
自分のせいで無実の罪を着せられ捕まった軍人を助けるために奔走。
一方、弟の敵である戦犯を捕まえたい一心で稔を利用し、目的を果たしたハラダだが、
ハラダもまた、闇市で暮らしながらも純真で人を恨むこともしない稔のことを
大事な存在だったと目の前から消えられて初めて気がつくすれ違いもの。
GHQと日本人の恋は、真剣だったら余計に大変だったろうと感じさせます。
利用されても裏切られても、出会い恋したことに後悔をせずに、それでも死を覚悟した時
もう一度会いたいと健気な行動をする稔が可愛くて萌えでした。
終戦後の話なので今では全てがレトロ感を感じさせる。
闇市でふかし芋を売って糊口をしのいでいる可愛い少年稔と、GHQの大尉でアメリカ国籍の日系人ハラダのお話です。
満州からの引き上げで日本にくるまで稔はわりとお坊ちゃまな生活をしていたので、育ちの良さが抜けきらないぽややんとした抜けたところのある性格です。
貧しさや空腹に耐えながら頑張っている稔は、カバーのおりかえしのバーバラさんの書かれている通り、ハラダと一緒にいたい、会えるだけでうれしいなんておもってる健気なかわいそ可愛い受けです。
以下ちょこっとネタバレですなので下げます。
闇市の売り上げを取られそうになった稔を助けたハラダは、汚れて空腹の稔をお風呂にいれてやり温かい食事をご馳走し、食糧事情の悪い日本を援助するために闇市の事を知りたいので案内してほしいと稔に頼みます。
攻めのハラダの本当の狙いは別にあるのですが、稔は疑うことを知らないので快く引き受けてそれから二人の交流が始まります。
弟を殺した戦犯を見つける真の目的のためとは言え、稔を騙してその見返りに住まいや食べ物を与えてやるといったハラダの傲慢さには結構腹立たしさを覚え 貧しくともプライドを捨てずに否と言った稔に惚れ惚れとします。
日本人の容姿を持ちながら、日系人のアメリカ国籍でいわれのない差別をはねのけるため支えあってきた弟のためにしたことだと思うと、ハラダには同情するところもあるのですが、そのせいで後半稔が死にそうな状況になっているのを読むにつれ早く稔を幸せにしてやってほしいとやきもきしてしまいました。
とろくてぽやんとしているとおもっていた稔ですが、後半での命がけの使命を全うしようとする心の強さや、生来の純真で一生懸命なところも相まってめちゃめちゃ応援したくなる子でした。
アメリカと日本という国籍や家族の問題など色々あるのでしょうが、二人の未来は始まったばかりでこれから手を取り合って乗り越えていくんだなと思わせる終わり方もよかったです。
短編ではハラダが稔をでろでろに甘やかして構いつけている様子や映画館エッチの様子など、二人の幸せな日常が垣間見えて微笑ましかったです。
バーバラさんの本はあとがきも面白くて、楽しみにしているのですが今回も『ふかし芋を売っている受けから、芋買ったり、受けを買ったり』って受けに対する思い入れと情熱が伝わってきました。