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夢に挫折した男と未来に賭けようとする男の哀し切なくもあたたかい青春ラブストーリー
sonnani aijou irimasen
読むのに気力が必要な本だけど、着地点が非常に良いので報われます。
受けも攻めも育った過程が過酷。
おまけにプロボクサーになる事だけをひたすら目指してきた比嘉(受け)が、志半ばで失明。
「無気力な人間に変わってしまった」とあらすじにあるけど、この無気力期間が三年と長く、またその間の腐りっぷりもなかなかなもの。
途中までは、男前で頼れる先輩!!って感じだったのに、途中の引きこもりニートになってしまった様子との落差たるや……!
作中でここまでどん底になる受けって初めて読んだけど、「これしかない」と全てを賭けてきたものを、無理やり諦めざる得なかったその絶望も充分理解できるので本当に辛い。
攻めの瓜生はいじめられっ子で、比嘉に助けてもらって以来、受け一筋真っしぐら!!!
比嘉が途中で引きこもりニートになってしまっても、ひたすら尽くし続けて一緒にいるんだけど、この擦れ違いパートもなかなかきつい。
というのも、比嘉ときたら「攻めの一生を縛る権利はない」なんて超〜的外れな事を考えているんですよ。
ここが歯痒すぎる。
だって、瓜生は超弩級のワンコ。
比嘉のいない世界は死んだも同然だし、俺の一生なんかで良ければ喜んで差し出します!というか、お願いですから離れないように念には念を入れてギチギチに一生縛りつづけてください!と土下座するに決まってるのにー!!と。
瓜生はお馬鹿なんだけど(母親のネグレクトのせいでもある)、でも、だからこそというのかな、馬鹿がつくほどのひたむきさ、愚直さに繋がっていて好ましい。
でもお馬鹿なせいで、三年もの間、比嘉の変化に気づく事もできなかったのも事実で、嗚呼……ともなる。
なんていうか恋愛模様が、スタイリッシュの対局にあるというか超〜泥臭いんだけど、そこがどんなに殴られても立ち上がろうとボクシングというスポーツと通じるところがあって良いと思います。
特にあの泣き虫だった瓜生が「一緒に戦おう」って言うところ。
泣けるわー。
なんか成長したなーって。
ホーリーノベルズは電子全撤退しちゃったけど、こちらの作品はカクテルキスノベルスで再販していて現在も電子で読めます。
ーー
・表紙の攻めの表情がめちゃくちゃ好き。
あらすじから痛い作品だとわかっているので一応ハッピーエンドだとも聞いていても長らく積ん読でした。ボクサーが失明する話だなんておそろしい。
でも読んで良かった。
瓜生はバカで一途でイライラしたけどそこに救われたし、比嘉は比嘉でわかりにくく一途なんだよな。
ラストが秀逸。やっぱり数行が良かったのであまり語れないけど。
瓜生は比嘉さんが見えてないのをいいことに多分、いっぱいファンが見ている前でいちゃこらしているので、スキャンダル仕掛けた女子アナザマァだよなぁと思いました。あれはまあ勝手に自爆するタイプだろうけど。後日の周辺エピソードはあまり書かれてないのでそう想像したい。
あとがきからわかった書きたかったシーンが意外。そこですかよ!
電子書籍にもついていた挿絵が良かった。挿絵って結構小説の内容と別の服装してたりしてそういうのは興醒めだけどムクさんのは各シーンを丁寧に切り取っていて、痣とか雰囲気倍増でございました。
比嘉視点の「プロローグ」「リングネーム・ヒーロー」、瓜生視点の「そんなに愛情いりません」(表題作)、そして再び比嘉視点の「白の朝」が収録されています。
正直、全体の8割方は「しんどい…」と思いながら読んでいました。今井真椎さんの作品を読んだのは2作目ですが、1作目も人の弱さや暗部を抉りだすような、萌えというよりは痛みや辛さが印象に残る作品だったので、今作もチョイスミスだったかも、と。比嘉も瓜生も理不尽なほど可哀想に思えてしまって、なんかもう、なんでBLでこんな辛い気持ちにならなきゃいけないの~…と思ってしまいまして。プロレス派なのでボクシングにもそんなに興味ないし。
しかし「白の朝」まで読み終え、涙が出ました。たった数行にとてつもないカタルシスを感じました。ここだけで「神」評価をしてもいいんじゃないかと思ったほどです。
レビューに書くことでもないですが、実体験から、大人になって視力を失うことの辛さや周囲でサポートする人の大変さを少しは理解しているつもりです。なので「関連作品」の欄から後日談がいくつか存在することが分かって、とても安心しました。
幸せの形は人それぞれ。お互いを愛する気持ちさえあれば何も怖くない。本当にそうだなーなんて思いました。二人に沢山の幸がありますように。
読み終えるのに普段より随分と時間がかかりました。ただでさえ新書版で250ページというボリュームに、細かい活字が隙間なくびっしり!(文庫ならゆうに2冊分と今井さんご本人も太鼓判?を押されてました)でも理由はそれだけじゃありませんね。舞台がボクシング界、受け攻めともにボクサーと聞いて、基本的に痛いの苦手なビビりなもんで、少しずつしか読み進められなかったのです。
じゃあ最初っから読まなきゃいいじゃん! と言われそうですが、実は私にとって今井作品とは、GとGホイホイの如き関係なのです。(身もフタもないあんまりな譬えですね。ファンの方ごめんなさい)正体はよくわからないけれど、理屈抜きで強烈に引き寄せられるものがあるのです。
(デビュー作「告解の死神」のときはそれで失敗した! と思ったんですけどね。題材の選び方とかもろに好みだし、レーベルもHOLLYだしってことで、読む前の期待値がやたら高かったぶん、読後の消沈感といったら・・・)
でも本作は、こちらのお姐さま方の評価も高いし、何よりイラストがムクさんだし、読まないという選択は初めっからなしなわけです。
覚悟して読んだけど、やっぱり痛いものは痛かった。子どもの頃にプロボクサーで世界王者だった父をリング上の不名誉な事故で喪い、その汚名を雪ぐため同じ道に進み頂点を目指していた比嘉。でもその夢はインターハイ目前、ボクサーにとっては致命的な目の疾患によって唐突に断たれてしまう。荒れる比嘉を案じ、寄り添い、その夢を代わりにかなえようとしたのは、一つ年下のおさななじみ、瓜生だった。
図体ばかり大きいけど、気弱で泣き虫、いじめられっ子で母親からも虐待されていた瓜生にとってただ一人、いつもかばってくれた比嘉は憧れのヒーローそのものだったから・・・
「俺、馬鹿だから」がくちぐせの瓜生。だからというのではなく、彼の思考はとてもわかりやすい。うそも綺麗事のひとつもない。上手な駆け引きなんてもとからできっこない。たどたどしくても彼の口から出る言葉ひとつひとつが、掛け値なしの真実なのだ。比嘉さえ望めば、いつでも自分の持てる全てを喜んで差し出すだろう。
それがわかっているからこそ、差し伸べられた手を比嘉は拒む。そうしなければいけないと思った。日に日に狭まる視野、薄らぐ光。遠からず自分は完全に失明する。瓜生のお荷物になる。だからその前にー
順調にプロの階段を上りつつあった瓜生だが、純朴さゆえに八百長の片棒を担がされ、スキャンダルにまみれる。失った世間の信頼を取り戻すため、現役の世界チャンピオン相手に無謀な試合に挑む。1か月で10キロという過酷な減量でぎりぎりまで自らを追い詰め、性欲すら失くした瓜生が、ただ無垢な子どものように比嘉を抱き締めて眠るシーンは、ムクさんの画力とも相まってとても美しい。
命がけの試合を終えた瓜生が横たわる病院のベッドで、比嘉は初めて重い秘密を打ち明ける。ずっと言えなかった本心とともに。それでもまだ迷ってもいる。温かい家庭に飢えていた瓜生には、普通に女と結婚して、子どもを産ませて、『台風一家』より幸せな家族をつくってもらいたいーそれもまた、比嘉の偽らざる願いでもあったから。とはいえ、大きな試練を乗り越えて、男として一回り成長した瓜生だけど、比嘉のことになると相変わらず筋金入りの馬鹿に戻るので、その本心を知った以上はもう怖いものなし。彼を手放すはずありません。
最後のショートと、おまけのペーパーで読む後日談では、瓜生のそばで、新たな天職と将来の夢を見いだした比嘉の生き生きとした姿も描かれていて、痛くて長い旅路の果てにはちゃんとあまいご褒美が待っていました。
主人公達の話は本当に切なかったです。
イワンのバカ的に与え続ける瓜生と、瓜生の重荷になりたくないと引く比嘉。
不幸が重なって大切なものを失くす度に、欲しいものが明確になってくることをこの2人に教えて貰いました。
ボクシングは好きでよく見ます。
だからか、主人公達の事とは別に、周りに付いて気になることが多かったので、敢て書かせて貰います。
まず、比嘉の父親の世界戦での事件。
いかに挑戦者が友人であろうと、安易に試合直前に会えるだろうか?
ましてやそこで出されたものを飲む行為はどういったものか。
文面から比嘉父は覚悟を持って飲んだようにも取れたので、その疑問に繋がるのかと思っていましたが、それ以降に何もなく、あの一瞬の描写は何だったのか?と気になっています。
マイク・タイソン述書に「ドーピング検査はあって無いようなもの」と書かれてましたが、覚せい剤と死亡事故なら大事件で、関係者の範囲も狭く警察もマスコミもしついはずで、挑戦者側にとって良いこと無いのでは?と思えました。
それと、瓜生が知らないで上がったイカサマ試合、アウェイの洗礼や贔屓が見苦しい試合もあるし、同様な件でジムを替え再出発した選手もいるし、お金がある大ジム所属の瓜生が早々に処分されるような大事件とは思えませんでした。
比嘉父を殺した、暴力団絡みだという現ジムオーナーの起訴内容が気になったのにそれもなく、謝罪も空を舞ってました。
2人の主人公達の方は☆5でも良かったのですが、その周りの説明は自分にはもの足りなかったです。
ラストの「白い朝」
諦めなきゃならないことを受けとめるって辛いですね。
瓜生にとってはどんな比嘉であろうと、そこに居てくれるだけで比嘉100%なんだろうけど。
それよか、1日1日加点が付いていくんだろうなぁと思え、悲しいだけではなかったです。
本作の同人誌があることをH姐さんから教えて頂き、早速注文。
瓜生のボケ「好々爺」話からのタイトル
「すきすきじじい~」が自分初の新刊購入同人誌になりました^^
タイトルの印象で、きっと幼馴染の年下攻めが
うっとおしいくらいベタベタしてるのかなぁなんて
それこそ私の予想が甘過ぎました……。
今井真椎さんを初めて読ませていただきましたが
“いまいましい”ってすっごいPNですね!!w
作品は勿論忌々しくはなかったですよ!!ww
ただ、甘々ストーリーだと思っていた私には重かったなぁ…。
瓜生の家庭環境もいじめも悲しいし
比嘉の父の死も、比嘉自身に起きる変調も
ずっとツライまま読み進めました。
瓜生の、比嘉への愛だけが揺るがなくて
ここがぐらっとしていたら最後まで読めなかったかもしれません。
ボクシングの事も詳しくありませんし
病気については気の毒すぎてキツかったので…。
勝気な性格の比嘉の苦しみを少しでも和らげたい瓜生の優しさと
ずっとそばにいて欲しいと願う強さにも涙が落ちました。
感動というか、萌えというか…。
普段BLに感じる気持ちとはなんだか少し違う気がします。
物語にありがちな、大団円的な奇跡はおきなかったけれど、
瓜生と出逢えたことが最大の奇跡のようでした。
苦しい、苦しいと思いながら読む作品は久しぶりでしたが
色々考えさせられました。
いつも以上にレビューになっていなくて申し訳ないですが
言いたいこともまとまらないまま読後すぐ書かせていただきました。
愛って、強くて優しくて生きることそのものですね。
評価にとても迷いましたが萌×2とさせていただきます。
全力で全く違う好きの方向に突っ走るお話。
ま、逃げれば追うってことかな。
比嘉は幼い正義感で、いじめられっ子だった大輔のヒーローだった。
父の汚名を晴らすべく、ボクシングに打ち込んでいる比嘉は、高校で1年下に入学してきた大輔と偶然再会し、、、。
大輔は、とにかく比嘉が大好き。
好きで、好きで、常に比嘉について回り、比嘉にいわれるままにボクシング部に入ります。
大輔は、その恵まれた体格と、我慢強さとでボクサーとしての才能を開花させていきます。
一方、一日も早くプロになりたい比嘉は、病気のためプロへの道を絶たれてしまいます。
他にも、なんやかやあって、二人は一緒に暮らしながらも、ちっとも幸せじゃない。
とにかく愛されたくて、なんでも耐えて、ひたすら尽くす事しか知らない大輔と、
愛されなくなる日を怖れて、すべてを隠したまま嫌われようとする比嘉。
で、この壁を乗り越えるのに、3年、、、。
終わりよければすべてよし、とは言え、長いよ。
なんかこうやって、整理しているうちに段々比嘉に腹立ってきたな、
そんなわけで、ガーッと読んで、ウルッと泣いて、パタンと閉じて、それでおしまいにするのがオススメ。
特に最後の「白い朝」で気分良く読みおえてね。
セルフツッコミ
小椋ムクさんの表紙は、いつもいつも、どれもコレも、すごく素敵。
でも、
なんだか、
読後感的には
私のお好みからすると、
当たりが出ないんだな。
だったら表紙買いしなきゃ良いんだけど、
でも、表紙のイラストが素敵すぎて、
買わずにいられないのよね。
夢中で読みました。
切なくて、クスッと笑って、やっぱり切なくて、最後は温かい涙を流してました。
とにかく、とにかく、おすすめです!多くの方々に読んでいただきたい作品。
主人公2人の気持ちの描写が素晴らしかったし、ストーリーは最後まで読者を飽きさせず、キャラも魅力的。表紙や挿絵まで最高。
迷いなく神評価です。
切なくて苦しい展開になってます。
ですが、物語の最初から最後まで、攻めの瓜生から受けの比嘉への愛情が満ち満ちていて、読み終わったあとは不思議と、切ない話読んだなというより、心がほんのり温かくなっているというか……単純に感動とか萌えとか、一言で表せない感情がこみ上げてきました。
瓜生は、ヘタレなとこもありますが、本当に優しい。母性本能くすぐりまくり。そして比嘉が全ての男です。
ワンコ攻めかとも思ったのですが、ちょっと違うなぁ。
ワンコより包容力があり、でも少しヘタレてて、ちょっとお馬鹿(真面目に珍回答するのでツボでしたw)で、とにかく一途みたいな…。
表紙がまさに、瓜生のキャラクターを物語ってます。好きだなぁ、瓜生。。
以下、ネタバレも多少含むあらすじです。
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比嘉は小柄ながら才能があり、プロボクサーを目指している。
努力家で勝ち気で、正義感が強くて本当は優しい比嘉。
高校の部活でもボクシングに励む比嘉は、比嘉を追って一学年下に入学してきた瓜生と再会する。
幼い頃、家が貧しく鈍くさいために周りに虐められていた瓜生を、比嘉は体を張って守ってやっていた。瓜生にとって、比嘉はヒーローなのだ。
比嘉は、恵まれた体格に成長した瓜生をボクシングに誘い、瓜生は急激に力をつけていく。
お金がない瓜生は、今まで年をごまかしてバイト三昧だったため、かなりの世間知らずで、同世代と遊んだこともほとんどない。そんな瓜生が、比嘉のあとを嬉しそうについて回るのは微笑ましいやら可愛いやら。
比嘉もまんざらでもなかったが、瓜生は単に懐いてくる後輩ではなかったことが発覚する。
瓜生が、試合に勝ったらご褒美に「セックスさせて」とか「キスさせて」とか言い出したのだ。
単純ゆえに深く考えず、盲目的に自分を慕って求めてくる瓜生に戸惑う比嘉。
念願のプロ試験の前、比嘉の病気が判明する。それは目の病気で、視野がどんどん狭くなっていき、進行すると最後には失明してしまうというもの。(このことを知ってるのは比嘉と読者。比嘉は瓜生を含め、周りには隠し続ける。)
プロボクサーになる夢を断たれ、自暴自棄になる比嘉。
寄り添う瓜生に、比嘉は縋る。
2人は同棲するが、比嘉は年々どんどん自堕落になって家に引きこもり、そんな比嘉にすべてを捧げひたすら尽くす瓜生。
一途に比嘉を想う瓜生と、何を考えているかわからない比嘉だったが……。
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瓜生だけではなく、比嘉も好きです。
挫折にも様々だと思うけど、比嘉の越えなくてはいけないハードルは残酷なまでに高くて、それを乗り越えたときの彼は眩しかった。
ネタバレが過ぎると思うのであえて詳しくは触れませんが、この作品のラストシーンが、本当に秀逸です。数年後の、ワンシーン。
映像のように頭に浮かんで、この先忘れられない場面になりそうです。
筆者の前作を、「しゅみじゃない」にしてしまった私としては新刊を読むか、しばし葛藤があったのですが、読んで本当に良かった。
本棚の宝物が一冊増えました。