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torawareouji wa mitsuyo ni nureru
生い立ちのせいで長年虐げられてきたユーリ。
やっかい払いのごとく、公務とは名ばかりの人身御供として隣国に行くことに。
そのために『準備』と称して淫らな行為を受けなくてはいけなくて───。
惜しい!惜しいよー。
兄弟たちに罵られ、身の置き場のない不幸なユーリ。
不幸受け、好きです。最後に大きなハッピーが待っているのなら。
でも、読了後の感想は、『なんか…中途半端だわ…』でした。
淫らな行為を義務でされても、唯一自分のために進言してくれたヴィルトに惹かれていくわけですが…。
ユーリの主観では、ヴィルトのユーリに対しての表現はずっと冷たい、嫌悪、蔑み、といった負の感情を表す言葉のオンパレードだったので、最初の時点でヴィルトのユーリに対する思いがまったく伝わらなかった。
この人と両思いになるん…だよね…?と疑問に思うぐらい。
ヴィルトさん、わっかりにくいよアンタ!
ユーリが生まれてこなければよかったと独白するシーンや、隣国での非道い仕打ち、すべてを諦めてしまう様子、隣国へ行くことになったのは誰の勧めだったのかを知り打ちのめされるところなどは、涙も浮かび感情移入したのですが。
ヴィルトはユーリに気持ちを告げますが、その言葉をユーリは『恋愛』の気持ちではないととらえます。あくまで人として。そこに特別な意味はない、と。
だけど急にヴィルトの思いを受け止めて、ずっとそばにいさせてと言葉にします。
ユーリがヴィルトの気持ちを受け入れるエピソードが弱かったのか…どこで本気だと思ったんだ?と頭にハテナ。
自分のことを嫌悪していた兄が実はユーリを気にしていた、らしい…のですが、そこらへんもハテナ?
あぁ、伏線がなかったからハテナなんだ、と納得。
ヴィルトにしても兄にしても、当初、ユーリに対する情のカケラがどこにも見られなかったからなのかも。
大なり小なり、二人が『なんだ、ユーリのこと気にしてるじゃん』という発言や表情をしていれば、最後事実を告げられたとき、『やっぱりねー』と頷けたのかもしれません。
いや、ヴィルトは多少そういった言動はあるんですが、もう一回言います。
わっかりにくいよアンタ!
絵も綺麗だし、設定は好みに入るのですが…なんとも惜しい。
期待しすぎていたのかもしれません。
分類はアラブ系になるのでしょうか、舞台が中東ですがアラブだと気がつかないです。
Cielさんの描く衣装を見てアラブものだと認識したくらいですのでアラブ嫌いだと
思う方でも読めると思います、ただし陵辱系が得意であればです。
陵辱系と言ってもそのお相手が攻めになる人物によるものとは違いまるっきり第三者で
しかも複数に政治の道具として弄ばれる展開です。
その前に攻めになるヴィルトから貢物として勤めを果たせるように準備と称して
エロ訓練させられる訳ですが、なんとも微妙な感じですね。
受けであるユーリは国王である父親と第三王妃とに生まれた王子ですが、王妃が異国人で
その血を濃く受け継いだ容姿のユーリは兄弟から疎まれ育ちます。
王が唯一愛する人がユーリの母だと言ったことから風当たりが強くなり全てが
ユーリに向かってしまう。
そんな状態の時に時期王になる兄から隣国への大使に任命されるのですが、
それは呈のいい「貢ぎ物」を意味していて、その勤めを全うする為にヴィルトから
調教を受けるが、ひどいことをされているのに何故か心惹かれる被虐王道です。
でも二人の気持ちがどうなる前に隣国へ、老齢でHなど出来ないと思われていたのに
行ってみればそこでも政治の道具として複数の人間に犯される。
しかも、隣国へユーリを行かせることにしたのがヴィルトだと知り、ユーリは身も心も
完全に憔悴してしまうが、そこでトラブルが発生しユーリが誘拐され直ぐにヴィルトに
助け出されるが、ユーリはヴィルトを信じたい気持ちと身が汚れきってしまったことで
精神的に弱ってしまうのです。
誤解や思い込みと言うより、攻めになるヴィルトの手腕の杜撰さがユーリが
陵辱されてしまう結果でなんとも間抜け臭いのです。
ヴィルトは15年もユーリ一筋なことが後に解りますし、恋愛的なものもヴィルトが
今回のことで傷ついたユーリに罪滅ぼしさせて欲しいなんて台詞が出てくると
ああ、これは私は好きになれないなと実感します。
次期国王の兄が実はユーリを口で虐げている程嫌ってはいなかったというのが
少し救いではあるし、捻くれたツンデレ兄だったのかと感想を抱く程度。
予測が甘かっただけでユーリが手ひどい目に合うってどうなのよって一人ツッコミ。
残念ながらどうしても好きになれませんね。