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初めて知った、人間の熱──衝撃のミステリアスLOVE!!
black box
秀香穂里先生による、何と!SF物語。
私は作家買いであらすじもレビューも帯も見ずに読み始め、途中の展開で「へえ〜!ほお〜!」と楽しめましたが、確かに帯がまるっとネタバレだ……
ただし、森里の秘密はそれと知って読んでも知らずに読んでも、その秘密が納得できる人物像として描写されています。
あらすじ・正体バレがあってなお、森里の前に現れる敷島の方の謎は依然としてあるわけで、敷島の謎、敷島の正体、敷島の人物像、森里とどう関わっていくのか、を主眼に読めば十分ミステリー風味のあるSFとして楽しめると思いました。
書き下ろしの「パンドラボックス」は、本編「ブラックボックス」とほぼ同じボリュームで続きます。
敷島と森里の、緊張感を常に持ちながらも穏やかな暮らしが描かれて、逆に2人の間・根底に横たわる暗く危険な影がいつまた彼らを襲うのか、そのハラハラ感がなかなか楽しめます。
そして本編よりもSF色が濃い研究所のシーンなどがあり、サスペンス的展開、もちろんそれに加えて森里に芽生える敷島への愛情(文字通り何もない心から生まれ出ずる愛の心、です)、敷島と森里の熱いラブシーンもあり。
ラストは逃避行ならぬ、なぜか南の島での安寧が語られますが、やはりここでも普通の人間とは違う速度で生きてきた森里にかすかな死の影を漂わせ、余韻も感じさせます。
結論。秀先生の引き出しの多さに感服です。
表題作と続編、中編の2本立てです。シンプルですが、内容にリンクしていて、秀逸な題名だと思います。「1か月30円で売ります」という出会い方もインパクトがあり、序盤からストーリーに引き込まれていきます。森里の目線で進んでいくのですが、徐々に感情が豊かになっていくのが読んでいて感じられ、クローンが人間らしくなるのが嬉しくなりました。
ところで、レビューされた皆様がご指摘されている帯ですが。
私は指摘されるまで、帯がネタバレしていることに気がつきませんでした(笑)
ただ、BLでSFって珍しいと思いますし、作者様もそういう系統を書かれる印象はありません。そのため、表紙イラストの森里の服装が普通と違えて示唆しているように、あえて帯でネタバレすることで、読んだ後の非難をかわそうとしたのと、興味を引こうとしたのかもしれません。
続編である「パンドラボックス」は、森里がクローンだと判明してからの生活になりますし、表題作「ブラックボックス」も何故?という謎だけが重視されている展開ではないので、ネタバレされていても推理小説のようにガッカリだけではありませんでした。
ただ、物語の中でも、そううまく行かないのが、リアリティがありもするし、残念で。両思いになり二人で暮らしているとはいえ、森里と敷島の行く末を想像するとちょっと切ないです。
破天荒で明るい作品ではありません。コミカル要素は感じません。
SF(進化したクローン技術&それを維持する力のある組織)がOK、切ない将来であっても前向きに生きていくエンドがOKの方に、お勧めです。
皆さん、ネタバレ帯に触れていらっしゃるんですが、
幸か不幸か、カバーのかかった借り本、
予備知識もなく帯も見ないで読みました。
最初の方は、かなり好みだったんですが……
新宿は歌舞伎町、美形で優秀な不動産会社勤務の森里は
常に何事にも心動かされず、クールに淡々と生きている。
そんな彼がある日、30円で買ってくれという男・敷島を拾う。
そんなちょっとキャッチーな始まりなのだが、
今まで誰とも触れあわず心通わせずに生きて来た森里が
敷島の熱に触れてみたいと思い、人間らしくなっていく……。
その様は可愛らしく、キュンとするんですが……。
そこからが!
この二人、実はクローン人間とその製造に関わった研究者。
はい?
まさかの、SF?
前半の表題作は、森里に埋められていたチップを取り除き、
二人で逃走しようと決めるまで。
後半では、小さな島で平和に暮していた二人に追っ手が迫り
研究所に拉致されて、ラスボス羽鳥と対決する……。
突っ込みどころが満載で、最後のなしくずし的なご都合主義
しかもモヤッとする終わりで、個人的な感想としては
途中からかなり冷めてしまった。
途中から出現した突飛な展開が、最初の雰囲気と統合されず
アイデアのツギハギな印象を持ってしまった。
このネタで書くには、圧倒的に尺が足りないのかも。
それにしても、BLでSFって難しいんだとつくづく思う。
「青の軌跡」のような壮大なスペースオペラだと又違うけれど……
このところ「Calling」「Time Away」と続けて読んで、どれも乗り切れず。
まず内容よりなにより帯です、帯。
あらすじでぼかされているネタが、どーんとバラされてます。ネタバレ帯。
これってこのネタを知ってるうえで読むものなのかな?と思って読み進めてみたんですが
どう考えても話のキモになるものなので、知らないほうが楽しめる。
それにあらすじで秀先生自身が、「ネタバレになるから詳しくは書けない」みたいなことを書かれてるんです。
エロ帯やこっぱずかしい台詞帯などBLの帯もさまざまですが、ネタバレ帯はいらないです…
で、評価が難しいのですが、「ブラックボックス」は萌え×2、「パンドラボックス」が趣味じゃないに近い中立くらいなので、萌えかなーと。
どちらも森里(受)の成長物語なのですが、「ブラックボックス」でだんだんと人間らしい感情を得ていく様子がかわいいんですよ。
敷島(攻)はあらすじにあるように、最初は掴みどころのない怪しい(けど優しい)男。
いやほんと、帯がなければこの辺ももっと楽しめたのに…
「パンドラボックス」が好きになれないのは、ハッピーエンドに見せかけて、実は後味が悪いから。
読者に想像の余地が残ります。
森里と敷島が幸せなのは変わりないのですが、数年後どうなっているかわからない。
おとなしく引き下がったように見える羽鳥ですが、敷島に執着する彼が森里を助けるとは思えないし。
短い生だからこれからの人生を大切にする、という見方もできるんでしょうが、私はこういうの好きじゃないんです、すみません。
「ブラックボックス」は今後どうなるかわからないなかに、希望みたいなものも見えたんですが…
あらすじと金先生のイラストで予約買いしたのですが、
これ、ネタバレしたらおもしろさ半減。
でも、ココロの準備してたら、萌え一つぐらいは、
いや、やっぱり、このネタだと承知で読んでも、やっぱり、、、
状況でSFにチェックがあるし、店頭で帯をみればネタ丸わかりなので、敢えて云いますが、
SF設定に関して、思うところのある方にはオススメし難い。
私自身は、帯は全く目に留めないまま、いきなり読み始めたのですが、
出だしの、森里が1ヶ月30円で男を買って帰り、一緒に暮らし始めて、、、
って辺りは、敷島の方には森里に対して一方的な、何か思い入れがあるのだろうなと予想しつつ読んでいたわけで、まあ、普通に楽しく読んでいたわけです。
で、
その思い入れって云うのが、、、、
おいおいおいおい、
いきなりそれかよ、
と、
いや、SF設定とか、まあ、その発想自体は、基本的には全然OKなんですが、
この雰囲気で進んできて、二人の愛の障害に、そんな、急に、無体な、、、みたいな、
もうちょっと、普通の障害でいいじゃん、、、みたいな、
多分、マンガやアニメなら許せても、小説で、この流れで持ってこられちゃうと、一気に頭が混乱しちゃって、必要以上に萎えるというか、
喩えていえば、日本料理のコース料理だと思って食べていたら、途中でお箸を片づけられて、インド料理だから手で食べろってフレンチ持ってこられた感じ?(意味不明?)
料理そのものは美味しいんだけど、なんだか納得いかない。
クローンのタンクをブチ倒して死屍累々って、アニメの絵面的には割とありがちだから流せるけど、小説で読む方がダメージ大きいわ。
事前情報なしで読んだ方が二転三転するストーリーを楽しめるかも?
ネタバレを控えキャラについて書くと、
◆受はクールかと思いきやだんだん子どものように純粋な部分が出てきて、恋する初々しさに溢れているのが可愛い♪
◆攻はワイルドなヒモ属性かと思いきやスゴい経歴のインテリで、料理上手で、受を守り抜く男気もあって…と出来すぎなくらいカッコよい。
「俺でしか感じられない身体になってもいいのかよ」とか「おまえだけに俺をくれてやる」とかクサイ台詞も様になってます。
【以下ちょっとネタバレ】
↓
↓
↓
いくら包囲網が万全とはいえ、
研究に否定的な人間に大事な実験体の監視役を任せるか?
とか、
ラスボスはやけにあっさり二人を諦めたな~
とか、
SF逃走劇としてはちょっと弱い印象です;;
しかし、森里(受)が敷島(攻)の温かさに包まれ
徐々に人間らしくなっていく過程はとても甘く
読んでいて幸せな気持ちになります。
クリスマスの準備にいそしむ二人は
普通のラブラブなカップルのようです。
熱や吐息がこっちにまで伝わってきそうな
ラブシーンの数々は、エロく且つ感動的。
まっさらな森里と優しい敷島の、
相手の身体を隅々まで慈しむような所作に
深い愛を感じます。
設定のせいもあり、
セックスシーンが人間の自然な営みという感じであまり嫌らしさがないし、
限りある生を好きな人と精一杯生きようとする切実な想いにかなりグッときます。
あと、こんなにラブラブなのに苗字呼び(呼び捨て)なところが男友達のようで良いなと思いました。
でもラストシーンを読むに、
これからは名前呼びになりそうですね♪
SF設定が切なさや生命讃歌を喚起する
愛に溢れた作品でした。
萌×2に近い萌です☆☆
あらすじで1ヶ月30円で売りますと書いてあるのに読み始めてみたら1ヶ月30万、
おいおい、いったいどっちなんだという突っ込みで読み始め、金額の違いで逆に
興味を一気に引っ張られた感じとでもいいましょうか、とりあえず大幅値下げの
プライスダウンで押し売り気味に不動産屋で働く森里が買ったのはガタイのいい男。
受けになる森里は記憶力がとてもいいから不動産屋でも好成績を収めているのですが、
綺麗な顔をしていながら感情の起伏が面に出ないタイプでどんなに安くても
得体の知れない男を30円で買うようなタイプではないが、買われる方に押し切られ、
ちょっとしたトラブルになっていた男を自宅に連れ帰るのです。
男は敷島と言う名で居酒屋を喧嘩で首になり無職で住むところも無いことから
誰かに買われようとしたと話すが、それだけでない何かを感じるのです。
他人にあまり興味を抱かない森里が敷島を前にするとその熱量に触れたいと思う欲求が
湧き出るのですが森里は恋愛にも性へも生きている者への興味が希薄なんです。
なんと言うか生者への憧れに近いかも知れません。
そんな森里が敷島との生活で少しずつ変わっていくのも面白いが、ある意味天才的な
記憶力に何かがあるのではと感じてきます、それに森里の偏頭痛の原因。
森里は10歳の頃に両親を事故で亡くして天涯孤独の施設育ち、過去のことを覚えていない
両親との記憶を覚えていない、トラウマ的な何かが敷島との出会いで封印が解かれる、
そんな風に思える展開です。
森里が頭痛と共に見る夢がかなりサスペンス的で興味を惹かれるのですが、
そこからまさかの展開になっていき、これはファンタジーだったのかと気がつくように。
ミステリアスで先進的な技術、もちろんラブ要素ありますが私が思う仰天ポイントは
強烈なナルシシズム傾倒してそうなマッドサイエンティストがいること。
表題はプロローグ的な逃避行で終わりを向かえ、次に書き下ろし後編へと続きます。
前編ではハッピーエンドとは言えなかった話が後編で実を結ぶ。
個人的にはかなり面白かった、シリアスなファンタジーだけど満足です。