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kisha yo yuke koi no michi
極楽村を守る不可思議な存在、鷹男。
柔軟な思考とタフな精神力を持つ俊次。
読み進めて行けばいくほど、俊次ってなんて男まえ!!武術の心得どころか達人の域にある俊次に殴られ蹴られしながらも「…さすが俺の嫁…」と、こりずにやってる鷹男、やけに人間くさい(神?)様です。そんな二人の場の空気が間抜けてしまうやりとりには笑ってしまいました♪
今見ても蒸気機関車の走る姿、そして轟音には圧倒されます。当時の人々は腰が抜けるほど驚いたに違いない!明治、文明開化と共に薄れていった妖だとか不思議なモノだとか…。どこかに紛れてちゃっかり暮らしているのかも?…なんて思ってしまいました♪
神様を祀る山にトンネルを掘って鉄道を通す……神様か鉄道か。
人って、信じたいことを信じるんですよね。だから、賛成派の村人たちは、鉄道を推進する政治家や軍人、彼らが連れてきた怪しげな祓い屋を信じようとする。反対していた人たちも、神様の祟りなしに鉄道の恩恵を受けられるかもしれないとなると、これまで頑なに信じていた心が揺らぐ。
そんな中で、常にニュートラルで、常に状況を正しく見極め、村人にとってのベストを一生懸命探ろうとする俊次がかっこいいです。
鷹男はもともと祟り神なのですが、その祟り神となった経緯や、信仰が薄れ村人の心が離れていく、そんな人間の身勝手さを、恬淡と受け入れていて、何だかもう切なくて寂しくて、そりゃ俊次も絆されちゃいますよねえ。
「哀れか。それはもう惚れたってことだな」…至言です。
山に入ってはいけないということだけは確かで、あとは鷹男にも読めない。村人たちは、政治家や軍人に唆され、徐々に信じる心を都合よくねじ曲げていく……読んでて、ハラハラしました。
明治時代、世の中が急激に変わっていく中で、神様を畏怖しながらも世の中の流れに取り残される不安に揺れる村の人たちがリアルに描かれていて、お話の展開も面白くて、BLとして、というよりひとつのフィクションとして楽しめました。
舞台が明治だからなのかノスタルジックな雰囲気が漂う作品でしたね。
タイトルを見たときにこれは好きな作風かもと思っていたので当たりでした。
明治を舞台にした時代が急激に変わる感じが個人的に好きなのです。
尚且つ、そこにファンタジーがプラスされれば好みに決まってます。
たまにそれでも失敗なんてことがあるのですが今回は概ね満足。
内容は祖父が武士で父親が大きな商家に婿入りし本人は鉄道局に入り
小さな村の官設鉄道に反対する住民の説得役で村を訪れる。
しかし俊次は鉄道局の人間でありながら反対派を説得しようという気概がなく
それは面倒だからという事ではなく、反対も賛成もしない中立的な考えで
役人としては変わり者なのです。
全員者は何故かその村に行ってから一人は辞め一人は直ぐに異動をしてしまう。
好奇心が旺盛な俊次はそのことが気になっているのです。
そこで反対派の村長と対峙するのですが、何故か尊重よりも尊大な男がいて、
この男のせいで前任者が二度と村に行きたくない理由だと知る。
この男が攻めになる鷹男で正体は元人間で祟神だったこともある村の神。
はっきり村に人の姿で出てくる神様って言うのも珍しいですよね。
前任者は鷹男を怖がり村へ近づきたくないのですが鷹男はかなり豪胆で
不思議な現象を見ても恐怖より好奇心で驚く前に受け入れている感じです。
そんな俊次を気に入って面白いと、ついには嫁にすると迫られる展開、
鉄道をめぐり村が賛成と反対に分裂し、神である鷹男への信心も薄れる。
新時代の流れに古くからの神が廃れる感じが伝わります。
そこに鉄道を推し進める議員が怪しげな連れを伴い村に来たことで
村に不穏な気配が漂い、鷹男の人間だった時の記憶と俊次がシンクロしたりと
小さな村に起こった官設鉄道と時代の波、そして人間と神様のラブが
うまく合わさったような作品で結構楽しめました。
芸人も関西弁も出てこない久我さん作品は初めて読みました!
(舞台は近畿ですが、メイン二人は標準語)
ジャンル的にはファンタジーなのでしょうが、リアルかつノスタルジックな明治時代の描写もお見事。
男前だけど濡れ場では色っぽい受の魅力も健在で、さすがの面白さでした。
時は明治。
鉄道局で働く俊次(受)は、鉄道を通す計画に反対する山奥の村を訪れる。
村の反対派は、山の神・鷹男(パッと見ただの人間)を崇め、トンネルが通る予定の山を守るため鉄道開設に反対していた。
鷹男(攻)は、物怖じしない俊次の態度を気に入り、嫁にすると言い出し…。
俊次(受)は、一人称「僕」で、面倒ごとを押し付けられがちな下っ端の官吏。
しかし、実は柔軟で視野が広く、腕っぷしも強いという男前受です。
鷹男(攻)が俊次にセクハラ→俊次、拳で撃退→鷹男、あまりの痛さに涙目…というお決まりのパターンがツボでした。
大の男が涙目て!
鷹男(攻)は、飄々とした顔でいつも物事の大局を見ているような、食えない男。
変わりゆく時代のなかで人々の信心が薄れ、自身が忘れられても仕方がないと達観している。
元人間で、 大切な人たちを失った過去もある(本人は忘れてますが)。
キツイものを、全然平気そうな顔で背負う哀愁、色気がたまりません!
老成しているようで、俊次には盛りのついた中学生のようになるところが可愛いし、面白かったです。
西洋の文化や思想が流入し、新時代への希望と、古いものが淘汰されていく不安とが混在する明治時代。
先が見えない時代でも、自分の信じるものや大切な人のため皆が精一杯生きているのは現代と同じで、そこから生まれる対立や愛にとても共鳴しました。
恋人になってからのラブも、久我さん作品らしく濃厚で、硬軟バランスのとれた良作だと思います。
明治を舞台に、久我さんにしては珍しいファンタジーもの。
どんどん世の中が変化して行く、明治の時代。
士族の祖父を持つ俊次は、幼い頃に出会った鉄道に魅せられ
長じて鉄道局に勤務するようになる。
長い間、天災や疫病と無縁だった山奥の村に鉄道を通す計画が持ち上がるが
抵抗もあってなかなか進まないところに、派遣された俊次。
鉄道敷設を巡って賛成派反対派二つに割れて揺れる村を舞台に
村の守り神・鷹男と、俊次が惹かれ合っていく様と
時代の変化の痛みや軋轢、人々の思惑が描かれて行く。
突然俊次を嫁にすると宣う神様・鷹男の、強くて寂しいキャラもいいが、
こよなく鉄道を愛する鉄道局の職員でありながら、
鉄道敷設を一方的に推進するのではなく、
功罪両面を見据えている俊次の公平さや男前さがいい。
村の人々の言葉や佇まいにも味があり、
リアリティのあるファンジー(って変だけれどw)、
且つ心地よい疾走感もある、安定したクオリティの作品になっている。
その背景には、ビックリさせられた多量の参考文献があるのだろうなぁ……
久我先生!お疲れさまでした。
久我さんの新作、とても面白かったです。時代物で、ファンタジーですよ!受け様が攻め様にお姫様抱っこされて空を飛ぶシーンなんてジブリそのものです。ありましたよね?そんな映画。あと最後の方で暴走して自分を見失って崇り神化しそうになった攻め様を体を張って止める受け様もナウ○カとか千と千尋とかに見えて・・・とにかくそんな感じのジブリ風で萌えました。
受け様はきっぱり男前で、でも情は厚いという私の好きなタイプの受けでした。蒸気機関車萌えしてる人で、今の時代だったらただの鉄オタって感じもしますけど(笑)普段は男らしいのに濡れ場になると快感に弱くてとても色っぽくなってしまう久我さんの書かれる受け様大好きです。ギャップが良いです。
男同士の濡れ場がある時点でジブリ化は無理ですけどね。それははずせません。やっぱBLなんで(笑)
帯に騙されなくて本当に良かった、と
通読した評者は溜息を吐きました。
カバー裏表紙の梗概も大概なものでして…
確かにBL小説の梗概としては間違った
方向性ではないのですが…正直この作品には
他に拾うべき所があるでしょうと。
と、言う所でネタバレをなるべく回避して
評者が舌を巻いた部分を一言で申し上げますと、
『公平』の一言につきます。日和見では
ありません。見識を持った上での公平です。
そう言う一本きちんとした筋があるからこそ、
こう言う事も実はあったのかも知れないと言う
ふとした説得力が生まれて来る。
ただ何かをなぞった様な恋模様ではなく、
理があって径があって、と言う恋路になる。
鉄道が添え物ではない、誠に美味しい
気骨ある恋物語でした。
面白かったです!表紙の地味な印象を裏切って!(すいません・・)
印象は私もジ○リ作品ですが、もの○け姫を連想しました。
怒るとか祟るシーンは、多分映像でみたら寒気でそうなぐらい怖い印象ですが
攻め、受けがめっちゃ面白い&大好きな性格で、勧善懲悪ではないですが
読後感がとてもよかったです。
関西弁満載なので、関西弁を文字列で読むのはツライ という方には、
難しいかも・・
あと色っぽいシーンは最後の方にねったりありますが、
途中はキス程度 でした。
押し寄せる時代の波(西洋化)に翻弄される日本の小さな里山が舞台。
鉄道通す、通さないで村を二分して議論になってます。
(丹波篠山あたりかな と勝手に思ってます。)
攻め:長身美丈夫。受けさんが気に入ってちょっかい出しては逆襲され
「いたい・・」と泣くところが超可愛い(笑)
そりゃイタイわ、膝でまじ蹴りされてんねんから・・・
一応 神らしい。空飛ぶし、風と共に瞬間移動してくるし。
受け:帝都生まれ、商社社長の次男坊。
逓信省鉄道局 神戸保線事務所の書記。
鉄道通すよう説得のために村を訪問したのが始まり。
爺さんが元武士で武術を嗜んでいる。強い~&性格が超男前!
きっぱりさっぱり!「山に穴があいたらお前祟るか?」って
神様にしれっと質問しちゃう(笑)いいわーこの受け。
その他里山の民と、エライ議員さん、将校、
詐欺師まがいの祈祷師みたいなやつ
と、攻めの昔の記憶内の村人なんかが出てきます。
先生の文章との相性もいいのか、読み物として本当に面白かったです!
新緑の季節に、里山走る小さなローカル線に乗りに行きたくなるような
いいお話でした。
文明開化!!鉄道融資と山信仰。
村の発展のため、利権のため、
人間ってなんて身勝手なんだ…と苦しくなるけど、
正しいことばかりで正しいことなんてないって俊次がすごく良い。
この潔さに強さ!!そりゃ嫁に来いってなるよ~
神様×人間、だけどタカオは妙に人間臭くて、二人のやりとりのテンポが楽しい。
普段、飄々としているタカオの抱えるものの深さや優しさにズーーーンってなったり、
鉄道が導入されたことで日本がどう変わってきたのかという面もおもしろかった。
そして何より男前が可愛く蕩けちゃう姿の尊いこと!!
BL的萌えは萌え少な目ですが、
生き様や時代描写に惹きこまれ、読む手が止まりませんでした。
参考文献の数がすさまじくってビックリ。
第一印象は、久我先生ってこういうタイプの作品書かれるんだ〜。
私が久我先生作品で多く読んでいるのは関西弁も賑やかな芸人シリーズなので、ファンタジー系は初めて。
舞台は明治。文明開化がいよいよ進み、都市部だけでなく地域にまで鉄道の建設が進んできた。
そんな開発の折、ある山深い村の一つが鉄道反対を貫いていて…
…という設定。
ここに鉄道局の官吏である主人公の若友俊次が説得に赴くが…と展開していきます。
ファンタジー要素というのは…
この村の山には守り神がいて、という部分。
その神様は時折山を下りて村を歩き、村の子供と親しく遊び、誰にでも見えるし話もできる。
名は「鷹男」。
そして、鷹男とお山を汚さないように、という鉄道反対派と、守り神なんて迷信だ、という鉄道賛成派に村が二分してしまう。
その攻防や鷹男の起こす「力」、そこに鷹男に共鳴する俊次とのケンカップル的な関係が重なって物語が進んでいく感じです。
で、感想なんですけど。
まず鷹男が「神様」と聞いて想像するお姿や行動が違うんですよね…それだけ村の生活の中に入り込んでいるといえばそうなんでしょうけど、なーんか違和感。
また、鷹男が俊次を気に入る、というのはいいとして、祖先に力を持つ人がいるとかいないとか、鷹男の過去を夢に見たりという、その辺の設定説明がちょっと曖昧だったり。
ちょいちょい入り込めない部分がありました。
本編後の「はるかな街で」では、鷹男がそのまま俊次と村を出て同居してます。
元神様の今人間ですよ。想像できないな…ヘンな感じ。
人外ものとしてかなり異色な作品かな、と感じました。