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jamisama niwa chikawanai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
積み本の中に前作「ファラウェイ」もあるにも関わらずこちらを先に手に取ってしまい、シリーズものは時系列に読む派の自分としては「読む順番を間違ったか…」と思ったものの主人公カップルが別ということで読み進めました。読み終えた今、違う意味で「読む順番を間違った!」と思います。あまりにも深く感動してしまい、余韻から抜け出せないので、アシュトレトが無邪気に登場する(らしい)前作を読むのはかなり先になりそうです。
悪魔と人間のラブストーリーという王道といえば王道な設定で、そんなはずはなかったのに、泣き疲れるほど泣きました。泣ければいいってもんじゃないことは重々承知で言いますが、名作だと思います。英田サキさんの底力を私は見誤っていたのだと反省しました。
表題作はあらすじのイメージのとおり、切なさはありつつもハートフルなコメディタッチのドラマになっています。腹黒悪魔・アシュトレトの傲慢で俺様でどこかズレた感覚の一人称で書かれていて非常にテンポがよく、悪魔と人間という生き物としての違いもそこまで深く考えずに楽しめる展開で、この表題作だけなら私の評価はせいぜい「萌x2」だったと思います。
書き下ろしの「神さまには祈らない」「終わらないお伽噺」は、色んなことを考えながら、号泣しながら読みました。私を含め「魂の在処」というようなものに思いを馳せたことのある人ならとても心に響くと思います。答えのない類の話ですが、改めて、幸せとか、いま家族や好きな人が居ることとか…そういうことの意味を噛み締めて、また涙が出ました。
もしも、とてもとても丁寧に作って頂けるならば、CD化や映像化を期待したくなる素晴らしい作品でした。この物語と出会えて良かったです。
アシュトレトにはまってしまいました!
炬燵は危険だと言いながらまったりしているアシュトレト。マリーの愛らしさにキューとなっちゃうアシュトレト。ミシュラン並みに舌肥えてて、美味しいモノに惹かれるアシュトレト。…そして惹かれたものには、懸命に対峙して自分すら明け渡す。
愛おしい者の為、子供のように泣いているアシュトレト。…天使こそが、悪魔に見えましたよ。この高次元生命体はホント、人間が面白くて大好きなんだろうな~(ちょっと、歪んだ愛情表現あるけど)
レビュー書こうと思って読んでたら、そのまま全部読み!…ここのところよね~。と、思いながら、また全部読み!!なかなかレビューにたどり着けませんでした…隅から隅まで心惹かれるお話です♪
円陣先生好きで好きで、英田先生も大好きで。
前作で?とは思っていたのですが、やはり円陣先生の美しさに負けて
購入、読破。あまりに好きなので今頃ですがレビューを。
元作品のカップルが出てきてくれて、そっちの輪廻転生の結論に
人生の選択肢の奥深さを感じ、こっちのカップルの選択した結果に
すごい勇気を感じ、途中から号泣でした。
聖書に昔からなじんでいるので
神には祈らない という考えには、目からうろこでした。
人生なんでも自分の手で勝ち取れるよう努力しよう!という
メッセージを感じたのは私だけ?
きゅんしましたし、おおおお、そう来たかーという感慨深いものもありましたし、とっても印象ふかい作品です。
トピで薦めていただいた作品。『ファラウェイ』のスピンオフで、アモンの悪友アシュトレトという名の悪魔が主人公。彼は悪魔だからかその欲深さが人間より一層人間っぽくって、わたしにはとっても魅力的なキャラクターだったんですよね。魂の一部を預けた相手に忠実なアモンとは対照的に、自分の持つ能力を最大限に謳歌しているアシュトレト。人間だったら不遜で身勝手な快楽主義者かもしれません。何度も生まれ変わり少しずつしか成長できない人間をバカにしながら、ゲームを愉しむように人間の身体を借りて肉体でしか得られない快楽に耽る。でも欲が深い分、欲に動かされる部分も大きいことが彼の弱点だったりするのです。ふふ。
散歩の途中に立ち寄った教会で、アシュトレトは牧師のアシュレイと知り合う。その娘で五歳のマリーにぞっこん惚れ込んでしまったのが運の尽き。よもや彼を生まれ変わらせる出会いを呼び込むことになろうとは…。マリーがお気に入りのケーキを作るパティシエ、上総達朗から気持ちを向けられ、アシュトレトは人間と恋に落ちる。何度も何度も同じ人に惹かれてしまうのは、前世でも出会っていたから?言い古されたセリフに説得力を与えてくれる二人の愛の軌跡は映画のようにドラマティックです。
書き下ろしの「神さまには祈らない」ではアシュトレト側の世界について触れられていて、大天使ミカエルとアシュトレトの愛憎関係が示唆されていたり(実はここに萌えた自分がいる)、人間と人間ならざる者の結びつきに課されたリスクや天界の秩序なんかを分かりやすい物語にしてくれています。やっぱり悪魔は天使さまに懲らしめられるのよね。個人的にはラファエル推し。でも登場しないので、彼だったらどんなキャラとして登場したんだろう?とか妄想するのもまた楽しかった。
極めつけは最後の「終わらないお伽噺」。もう、感想を書くこと自体が野暮な行為になりかねません。とにかく実際に触れて、味わって欲しくなります。随分昔、学生時代に友人から教えてもらったブライアン・ワイスの『魂の伴侶』を読んでいて、ここにきて「転生」がBL設定として最大限に生かされていることに少々複雑な思いがしましたが(苦笑)、もし魂や愛の力を信じているのならば、楽しませてもらいつつ、こんなに気持ちが救われる物語はありません。
オススメしてくださった方、本当に素敵な物語との出会いをありがとうございました。
実は前作『ファラウェイ』が今一歩私には合わなくて、このお話は読んでいなかったのですよ。
読んで良かった!
流石、御大。
名作!
今までも素敵なレビューが沢山ありますので、感想のみを。
アシュトレトは『悪魔』とされていますが、本人は『人知を越えたエネルギー体』と自分を定義づけています。時間や空間の観念を超えるものなのですね。だから死なないし、空間移動は出来るし、人の記憶を弄ったり、魂が人間の体から抜け出さない限りは肉体損傷をした生物を修復することも出来ます。
そういうエネルギー体を人が勝手に『悪魔』とか『天使』とか『妖精』とか、勝手に呼んでいると、アシュトレトは言っています。
だから、不幸な事故で牧師のアシュレイが死んでしまった時その体に入り、幼い娘マリーを育てようと思ったのも、事故を起こしたパティシエの上総と体の関係を持ったのも、ある意味『単なる気まぐれ』だったんだろうな、と思うのです。
でも、気まぐれから始まった3人の暮らしを意外なほど彼が気に入り、そこに安らぎを見いだしてしまうんですね。マリーの成長をずっと見届けたいと思ったり、上総の真っ直ぐな気持ちに応えたいと心底、思ってしまうのです。
これは『ファラウェイ』で主人公だったアモンと珠樹の関係に影響された所為もあるかもしれません。
全能の存在として人間社会を俯瞰する立場ではなく、自分もその中で喜びを感じたかったのではないかと。
『天使』との諍いがあり、3人の暮らしはアシュトレトが思い描いていたものとは違った形になります。
未読の方にはお手に取って読んでいただきたいので詳しくは書きませんが、これがね……泣けるのよ。
どんなに大切なものでも、人として生きる限り必ず、別れの日は来ます。
だけど、それは全ての終わりなのか?
慈しみあった日々、輝いていた日々は雲散霧消してしまうのか?
もしそうなら、私たちが今生きて感じていることがとても軽く哀しいものになってしまいます。
上総がアシュトレトに残した言葉は、一つの回答だったと思うのです。
いや、私も「このお話と全く同じ様になる」と言うつもりはありませんよ。
ただ、生きたこと、愛したことは何らかの形で残るということを信じたい。
永劫の時を生きるエネルギー体であるアシュトレトの存在を通して、英田さんが伝えたかったことはそれなんじゃないかと思いました。
恋愛を通した『生と死』や『生きる意味』に直結する感動的な物語です。
いやー、やっぱり御大の皆さまが繰り広げてくれるお話は良いなぁ。
あとがきによると、随分前からリンクスロマンスから要望を受けて居たファンタジーもの二作で、ファラウェイが先、
①「ファラウェイ」 発売日 2013/07/31
②「神さまには誓わない」 発売日 2014/02/28
「ファラウェイ」に登場した脇役のアモンの友人 アシュトレト
「神様には誓わない」は、ポールの体に飽きた悪魔のアシュトレトが、神父の体に入って知り合った、一途で真面目なケーキ職人と恋に落ちる。
「ファラウェイ」のあとがきに「人間を好きになった時、悪魔側の辛さや苦しみがあり、書いていて切なくなった」・・とあるように、人間以上に人間的な悪魔です。
「神さまには誓わない」・・悪魔だから、「愛を君に誓う」
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冒頭は、珠樹の家で炬燵に入りながらTVを観て、アメリカに帰るのが億劫になっているアシュトレトと珠樹の会話。アシュトレトは最近珠樹が生意気になってきたとぼやく。でも珠樹が住む下町が気に入って、珠樹の手料理も大好き・・アシュトレトは、人間臭い悪魔になっている。
アシュトレト視点で進捗する物語は、コーヒー のCM「宇宙人ジョーンズ調」に似ていて面白い。
悪魔が自分の気持ちが変っていく事にうろたえる展開
生れ変っても達朗を探して、愛したい悪魔。
やっと見つけたら・・可哀そうだけど、見つけられたんだから幸せ。
珠樹は永遠に一緒にいる事を選んでいました。
この作品の方が面白かった。
2014年刊。
『ファラウェイ』のスピンオフ作。
前作カップルのアモンと珠樹もがっつり絡んでくる。
アモンとアシュトレトの二人は関わってきた歴史によって神、悪魔と概念が変わる存在なので、その辺りの設定に馴染む為にも元の本編を先に読んでおく事をおすすめしたい。
アシュトレトってば何だかんだ言っていても珠樹の事を気に入っているし。
一見高慢なようでいても、人間の一生というものに愛着を持っているアシュトレトは憎めない男だ。
彼なりの斜めで皮肉な考え方は少しは同意できる部分もあるし。
彼の大雑把な性格は、当人は全く意識していないが、永い年月をかけて人間を観察してきた影響なのだと思うのだけどね。
そんなアシュトレトが、よりによって目の前で即死してしまったノーブルな牧師・アシュレイの中に入り込んで彼の人生を真面目に引き継ぐとはね…
最初、性格の悪さはアシュトレトのまま、元のアシュレイの人柄を無視して一時はどうなる事やらとは思ったものの、残された幼いマリ―と、パティシエとしての腕から惚れ込むきっかけになった達郎への愛情は本物だった。
アシュレイ(アシュトレト)のほうが達郎にベタ惚れだったのが何だか微笑ましかった。
アシュレイとして生き抜いて達郎とマリーへの家族愛を貫いた姿には感動した。
この話も本編同様に輪廻転生が絡んでくるが、アモンと珠樹の時と同じように『魂は引き継いでも人間にとっては前世と今世は違う』といった概念を引き継いでいる。
それでももう一度達郎に逢いたいと願ったアシュトレトの想いには涙がでてきた。
まさかこの一冊が『泣けるBL』だとは思わなかったよ…
アシュトレト、人間を好きになってくれてありがとう。
ちなみに、巻末の『終わらないお伽噺』は粋な話だったけれど、何だか次の転生をいうよりも、パラレルワールドのような不思議な感覚だった。
既刊「ファラウェイ」のスピンオフで前作のユージン×珠樹カプも脇キャラで出てくる
作品なので、世界観がまるっきり同じだけどカプのあり方が違うだけで感想も変化。
前作は余りにもファンタジーとしてはやるせなさを感じて好みで無かったのですが、
今回は同じく所謂ハッピーものではありませんが意外にも後味が悪くないのです。
個人的にそう思うだけなのかもしれませんが、アンハッピーものが苦手なのに、
今回の作品は不覚にも涙して感涙してしまった。
前作の二人の出した答えもそんな考えもあるよねと思える内容だったですね。
今回はひとつだけそれって酷過ぎと思うのが攻めになる達郎が実際に事故で
アシュトレトが入る前の人間を死なせているということ。
その後にアシュトレトが死んでしまった肉体に入り込むことで生き返りなのが
どうにもやるせない、それを後に本人が知ってしまうのもかなり残酷かと・・・
寿命の存在しない生命体が人間と恋に落ちる、始めから悲恋と決まっている設定。
やはり愛し合いながら残される方は辛い気がするのですが、今回はすんなりと
人間でもそうだよね、寿命があってもそれを全うできずに事故で病で突然消えてしまう
そんなことが多々あるのだからと妙に納得出来て、達郎がこの世を去った時に
残されたアシュトレトに宛てた手紙が恒久を生きるアシュトレトの支えになる。
達郎の生まれ変わりを探すのではなく、自分がアシュトレトを探し出すと。
それがたとえ恋人ではなくても親子でも兄弟でも友人でも繰り返し転生しても
いつも達郎が姿かたちは違えどアシュトレト傍に必ず現れる。
そんなおとぎ話のような繰り返しを予感させるラストが意外としっくりきました。
前作ではどうしても許せないと思ってい設定が、同じ設定なのに感動までしてしまう。
やっぱりこの作家さんは凄いわと実感するのです。
たとえ恋人でなくても恒久を生きるアシュトレトのそばには立場、姿を変えても
繰り返し達郎が傍にいる、前世の記憶がなくても魂に刻まれた思いの強さが
二人を何度でも巡り合わせる。
前作のことがあったのでためらいがちに読みましたが面白かったです。
「ファラウェイ」の続編。
前作でアモンと行動を共にしていたアシュトレトが主人公となります。
皮肉屋で人間を下に見ているアシュトレトは、当然人間の珠樹に恋をしたアモンをバカにしていましたが、何故か珠樹の家や珠樹が作る家庭料理に和み、しょっちゅう日本に来ています。
そこである事件が起こり、アシュトレトは今までの体を捨てて、新たに牧師のアシュレイの肉体に入る…冒頭からかなりの急展開。
そして、アシュレイとしてケーキ店店主の上総達朗と知り合い恋愛が始まるのですが、人間に恋をする自分を認められないアシュレイは間違った選択をしてしまう。
でも、不老不死で高次元の存在であるアシュレイよりも、ずっと不完全で短い生をジタバタと生きる人間の達朗の方が奇跡を起こすのです。
「神さまには祈らない」
すっかりラブラブの達朗とアシュレイの生活に試練が!
「天使」が登場しますが、これがまた非情というか無慈悲で…。天使の仕打ちが酷くて、アシュレイどうなっちゃうの?とハラハラドキドキ。
達朗の気持ちは?アシュレイとの関係は?
そして、転生ものにはつきもの、というか切り離せない展開、「死」がどうしても絡んでくる。
愛する人の死を経験した後も続く自分の生。そしてのちに訪れる自分の死。
それほど長い物語ではないけれど、色んな要素が詰まりに詰まっていて読み応え感が凄い。
「終わらないお伽噺」
この場面は、私は無くても良かったかなぁ〜という気もしてしまうのですね…
でも、これがあって、ハッピーエンド嬉しい!っていう人がたくさんいるのなら、それでいいのかな。ソウルメイトかぁ。兄弟でも?これも切ないぞ。
しばらく英田作品を読んでてヒットが来ていなかったのですが、レビュー評価の高いものを手に取ってみたら、これはよかったです。
ファンタジーもので、ストーリーに読み応えがあり、英田さんのコミカルテイストを織り交ぜつつもラブをしっかり描くというスタイルが健在で、ご本人も楽しんで描いてらっしゃるんだろうなーと思ってしまいました。
悪魔のアシュトレトと、ケーキ職人の達朗のカップル。
アシュトレトは、いつでもだれのでも人の体を借りて俗っぽい楽しみができるという設定。
しかし、おいしすぎるケーキが食べたいという理由で、亡くなるはずだった牧師のアシュレイの体に入り、かわいい娘の父、また牧師として生きるようになります。
純粋な達朗と交流するうちに真実の愛に目覚めるアシュトレト。そしてかわらしい娘のことも心から愛するようになります。
しかし、幸せは長く続かず、達朗は自己で命を落としてしまう。アシュレイは生まれ変わった達朗を必ず探すと誓いますが、達朗は自分から探しに行くから探さないで、と言い残していました。
アシュレイとして老いるまでその生をまっとうし、愛する娘が成人して子供を持つまでその成長も見守ったアシュトレト。
生まれ変わって、美麗な青年となったアシュトレトは、兄弟として達朗に再会しますが、「兄弟かよっ」の捨て台詞であはっと笑いを誘うのも英田さんらしい。
面白かったです。