kirara
nightingale to inu
商業誌『しもべと犬』『茨姫は犬の夢を見るか』の番外編同人誌です。ようやくレビューが最新刊に追いつきました(他シリーズはまだこれからですけどね)。
信乃中心の『信乃本』だそうです。分厚いです。みっしりです。
ちなみに、時系列としては犬姫の最終回である同人誌『茨姫の棺』よりも前になるので、そちらでハッピーエンドを迎えた犬姫の状況はそれ以前と変わっていません。
『わんこ』シリーズ中でも『五係』商業誌のパターンで事件ものです。
催眠術が絡むと思われる連続誘拐事件と、動機のわからない殺人を犯して直後に自殺してしまうという事件の関連が疑われます。
殺人の被疑者が五係の対象者の身内であるため『スキャンダル』として捜査となり、そこに信乃が巻き込まれます。
う~ん、悪くはないんです。とても読み応えがあるストーリーだとは思っています。
ただ、玄上さんはいまに始まったことではないですが結構暴力的なシーン・描写が多いです。ストーリーも重い・暗い。
そのあたりが私の好みとちょっとズレるんですよね。
それでも、先が気になって止まらず読みました。
すごく好きか・面白かったかと訊かれたら正直困るんですが、決してつまらなくはなかったし、読んでよかったとは思ってます。
智重と信乃のラブは、あまあまハッピーとはいいがたいですが(まったく甘くない・ハッピーじゃないという意味ではない)、それでも好きだしいいんですけどね。特に、指輪はすごくよかったと思うし。
『ラブ』のためだけに読んだと思っても十分満足しています。
信乃については、読み終わってとりあえずひとつの区切りはついて(智重とのラブも)これで一段落かと思っていたら、まだ『最終回』があるそうです。
余談ですが、これはおそらく商業誌(文庫)で出すつもりで編集側に預けていたという原稿が元なんじゃないかな~と推察しました(以前の同人誌にちらっと書かれてたヤツがこれなんじゃないかと)。
ということは、もう商業では出ないのかなあ・・・
私は、個人的に玄上さんは特殊設定(こちらも含めた、所謂『わんこ』シリーズ)だけが好きなんですよね。申し訳ありませんが、日常もの(現代もの・時代もの関係なく)は好みじゃないし、興味もありません。
作家さんへの応援のために出たら買うだけは買いますが、数か月~下手すると年単位で(どうしても読む気が起きず。どうでもよくて)積んでしまうことさえあります。
でも、評価だけ見ても世間では『玄上さんの日常もの』のほうが求められてるんでしょうね。
もう『わんこ』は商業誌では出ないのかな~。イヤ、あくまでも勝手な想像ですが、だとしたら非常に残念です。