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higtaku no hanayome
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
2014年の古い作品、
電子版は挿絵無し。下品な官能場面は絵が無い方が読みやすい。
嗜虐もの、痛い系のモデルパターンのような作品だと思う
やたらと拷問系のグッズが登場。
似た展開の最近の作品も、そういえば多いです。
アイシス:12番目の側妃
侍女出身の母は生まれてすぐ死亡、誰にも庇護されず育つ
超美貌、性格良しの末王子。
出身国の運命がかかっているので、ヴァシルに逆らえず、耐える。
ヴァシル:
王となるための教育を受けたせいか、自分を内省できず、感情に鈍感。
唯一自分で選んだ妃、アイシスは特別。それが愛だと気づけない。
オルスト:ヴァシルの従弟。
アイシスに本気の恋をして、ヴァシルに譲り受けたいと嘆願。
2014年刊。
ちるちる内での評価が低いのは承知だったが、どんな話なのか自分の目で読んで確かめてみたかった一冊。
遠野さんの話には時々『受けが可哀想な目に遇う』って話が出てくるんだよね。
この話では前半、受け・アイシスが可哀想どころか散々いたぶられていて、"痛い系"を彷彿とさせる被虐描写の壁がそびえているので、多少はこの手のシチュエーションに免疫がついていたほうがいいかも知れない。
何せ身体を極限まで締め付けられるドレス姿、乳首をきつく挟んでの疑似バスト、従者達に傍観されての初夜、毎夜媚薬を飲まされた後に複数の男達に嬲られ続ける日々と、痛ましいシチュエーションがてんこ盛りだ。
弱小国の末王子であるアイシスを第十二妃に迎えた若き皇帝・ヴァシルにしても、愛情が極まっての独占欲ならまだしも、愛を注がない所有物のような扱いときた。
いっそのことアイシスが快楽に目覚めるならば官能小説として割り切れるかもと思ったが、逆らう事を許されない不幸な身の上もあって、彼がひたすら我慢しているのは不憫だった。
しかし最後まで読んでみれば、アイシスの健気さが感情の凍っていたヴァシルの心を溶かして、自身のきちんとした想いを告げるまでに変わっていく展開になっている。
押しの強い当て馬も、性格がキツイ割りに引き際のあっさりしたヒール役も健在だ。
遠野さんらしい展開で収まっていた気はするが、恐らくはヴァシルを許容できるか、アイシスに向けられる被虐盛りのダメージ度で辛口な評価に偏るのも無理はないかも、と読んでみて分かった。
ちなみに自分は〇輪挿しと、耳朶以外のボディピアスが苦手だった。
凄すぎですね先生と言いたいくらい徹底的に受けのアイシスを虐め尽くしてます。
これは被虐系で健気な受けをドS鬼畜攻めが肉体的にとことん虐める作品が
意外に好きなのという人にはオススメなのでしょう。
個人的に言うならば私は受けに対して自分では抱かないで他人に抱かせて
それも複数人数で毎日被虐という内容には食指が動きませんのでダメでした。
そのへんの美姫よりも美しい小国の王子を12番目の妃にしてその美しさに
一目惚れしているのに、大国の王だというプライドが強すぎて執着しているのに
それすら認められないで嫉妬心も認めない。
見方によっては意地っ張りな子供みたいな王のヴァシルなのですが、
そこまで酷いことをされていても、アイシスは恨み言一つ抱かない。
これは無自覚の健気M受けさんですね。
もっともアイシスは生まれ育った国でも虐げられていたのでそこから連れ出してくれた
ヴァシルには感謝していて、こちらももの好きにもヴァシルが好きみたいです。
相愛なのに素直に愛を語れず被虐三昧、でもヴァシルの従兄弟がアイシスに
本気の恋心を抱いていると知った頃から他人には抱かせなくなりますが
手ひどい抱き方には違いなく、どこまでもエロエロなのです。
頑なまでのアイシスへの思いを認めようとしなかったヴァシルですが、
次第にアイシスへの思いを認めるようになりますが、そこでハッピーにはならない。
王はアイシスに出会うまでかなり淡白で他にいる妃にも子供が出来るまで義務的に
回っていたに過ぎず、アイシスとの出会いが初めての本気の恋なのかもと思えます。
でもヴァシルがアイシスへの気持ちを自覚してしまったことで他の妃が妬みから
アイシスへ牙をむく、攻めの因果応報が受けにとばっちりパターンなのです。
しつこいくらいの被虐で痛いけど、ネトラレがツボなんて人にはオススメかな。
好きなテイストでお話を書きたくなるのは解りますし、
でもってこの方の傾向として強気で傲慢な攻めがお好きなのは判りますし、
私自身もそういうのが嫌いって訳ではないですが、何事も匙加減が大事なのでは。
過ぎたるは及ばざるが如しな一冊でした。限りなくしゅみじゃないに近い中立です。
アイシスを興味本位で娶ったヴァシルは決まりに則って初夜のみは済ませるのですが、
元々同性愛者ではないため、アイシスに対し特に愛情がある訳ではない。
そのためそれ以降は家臣や使用人等、実に様々な男達にアイシスを抱かせて
自分は眉一つ動かさずにそれを眺めるだけという仕打ちをするのですが、
その抱かせ方がもう酷い。何と言うか、個人的には生理的に駄目でした。
せめてきちんとした寝室で、暴力的や荒くれ者でない者に任せるとかして欲しい。
その他にも、身体的な痛みや苦痛を与える行為が多過ぎるので、
怨讐が絡んだ関係性でもないのにちょっと不釣り合いでは?と思います。
遠野さんは好きな作家さんなのですが、度を越した虐待は読んでいて苦痛です。
この方は「自分の気持ちに気づいていないから」という設定を大義名分に
受けに対して酷い事をしたり見せつけたりするような攻めをよく書かれますが、
そのアプローチ方法もそろそろ幼稚っぽいと言うか、使い古しに映ります。
後から攻めの気持ちの中に愛情がわいてくることになる、
その前振りと言われればそれまでですが、そういう方法をとる必要があるかな、
と疑問に思うことが度々あります(『桔梗庵の花盗人と貴族』とかね。あれも酷い)。
それと、個人的に納得出来なかったのはヴァシルの気持ちのあまりの鈍感さ。
後半、そして最後はアイシスに対して心からの愛情を抱くようになり、
めでたしめでたしと言いたいところなのですが、自己批判が無さすぎる。
普通、過去に自分が愛する人にした仕打ちを省みて自問したりしませんかね?
しかもこの人の場合、人権を踏みにじるような酷い行為ばかりだったから、
本来なら正気でいられないほど動揺するはずなんですけど、そんな様子もほとんど無い。
皇帝って設定だから仕方ないのかな?でも物語としては説得力に大きなマイナスです。
酷い行為を描写するのは構わないのですが、物語の中でのその必要性、
させている側の心情の変化、そして目が覚めた後の内省まできちんと書いてくれないと
読み手としても納得がいきませんし、釈然としないです。
まぁ、愛情を自覚してからのヴァシルは可愛いと言えなくもなかったので、
これからの月日でアイシスに十分なつぐないをして欲しいものです。
人物関係は率直に言って源氏物語の『桐壺』と『若菜』のパッチワークです。
読みながらそのイメージが頭から離れませんでした。
桐壺:桐壺帝=ヴァシル、桐壺更衣=アイシス、弘徽殿女御=ヴァシルの正妃である皇妃
若菜:光源氏=ヴァシル、女三宮=アイシス、柏木=攻めの従弟・オレスト
攻めは桐壺帝や源氏のような性質ではないため感情面ではそっくりではないですが、
人物の関係性だけで言えばこの構図に限りなく似ています。
あ、でも皇妃は弘徽殿女御みたいな意地の悪さでした、まさに。
最初は好奇心だったオレストは次第にアイシスを本気で望むようになり、
行為は完遂出来たような未遂だったような、そんな感じです。
(オレストは単なる当て馬ポジションというだけではなく、
ヴァシルにアイシスへの想いを自覚させた重要人物と言って良いかも。)
この物語の唯一の救いは虐待されながらもアイシスはヴァシルを慕っているという点、
それだけかな。オレストの方がよほどいい男だったと思うのですが、
なぜか受けはそういう当て馬を選びはしないんですよね、やれやれ…。
いやぁ…清々しいほどのダークエロティック作品でした…。攻が受をここまで一方的に虐待する展開がある作品は初めて読みました。
前半がハードな陵辱シーンの連続なので、苦手な人は早々にリタイアしそう。受があまりにも痛そうで、読んでいて辛くなりました。あらすじに「無意識のうちに惹かれあう」とありますが、「本当に…?本当にヴァシルはアイシスに惹かれているの?」と不安になること数回。
すごく痛々しい展開があってもそれを凌駕するカタルシスが用意されていれば素直にハッピーエンドだと思えるのですが、この作品はちょっと物足りない気がしました。一難去ってまた一難、いつになったらアイシスに平穏が訪れるのかな…というかヴァシル、いい加減にしろよ…と。
プレイとしては「しゅみじゃない」ですが、アイシスが可愛く、少佐のキャラクターが結構好きだったので「中立」とします。
基本的には、大人同士の場合、当人たちさえ納得ずくなら、どんな過激なプレイもNGではないと思ってます。ただそこにはやはり最低限守りたい一線はあって。受けと攻めの立場に極端な差のないことがひとつの前提になります。
本作のヴァシルとアイシスの場合、形の上では夫婦ですが、大国の皇帝と、彼が気まぐれで見染めて第12妃とした弱小国の王子ということで力関係は圧倒的。しかもアイシスは母の身分が低かったため生国にも居場所がない。婚家を追い出されたところで帰るあてすらない不遇の身。たとえSMプレイがエスカレートした挙げ句に命を落とす羽目になっても、どこからも苦情は出ない。そもそも国内外を含めて最高権力者であるヴァシルにたてつける者などいやしない。攻めが受けの生殺与奪の権利を握った状態で、一方的に受けに凌辱の限りを尽くすというのでは、あまりにも救いのない話になってしまう。受けにとっても、読み手にとっても。
特に、12人の妃のうちアイシス1人が男で妊娠の心配がないからと、有象無象の男どもに投げ与えて嬲り者にし、それを高みの見物するという行為は、ある意味せっかくのBLの特性を踏みにじるようなものではないかと。痛めつけるにしても自分の手を汚すのが最低の仁義ってもんだろ、と思うので。
一方の受けのアイシス。どんなに虐げられても、ヴァシルを憎んだり、恨んだりしない。「愛されなくても愛することはできる」と信じている。そうすることが困難の多い自分の人生で、唯一自分をまもるすべのように。とてもけなげでいじらしいのだけれど、その美徳が本作の場合は裏目というか、相手を増長させ、苦痛を長引かせるもとだったようにも思える。
かのBLの巨匠山藍紫姫子さんが昔「アレキサンドライト」の後書きでこんな感じのこと言ってました。「ものすごく酷いことをしたあとでやさしくすると、相手はついほだされてしまう。それはまさにヤクザのこましの手口そのもの」だと。でも本作のアイシスは、ひどくされてもやさしくされても一定の気持ちで相手を想っている。こういう振れ幅の少なさは、読み応えという点でやや物足りない。やっぱり、前半鬼畜の凌辱系、後半一転してあまあまになる話の場合、受けには地獄から天国へ一気に浮上する歓喜を、そして攻めには相応の報いとしての苦悩と葛藤を存分に味わわせてやってほしい。それでこそ、読み手もカタルシスを堪能できるというもの。