あらすじ
その少年は、毎日毎日、母の情人たちに邪魔にされ、虐待され続けていた。
ある日の真夜中、男が母に自分の保険金殺人計画を持ちかけているのを知った少年は、この家にいては殺されると悟り、家出を決意する。
男に追われ、少年は、以前から自分に優しく声をかけてくれた外人牧師に助けを求める。
青い目の牧師は、助けてと縋る少年の手を取り、私が護ってやると、二人だけで暮らせる地へ少年を攫った。
だがそこに待ち受けていたのは、「愛情」という名の、生ぬるく狂った世界だった。
少年は再び捕らわれる。
肉体の死と、魂の死は、いったいどちらが苦しいのだろう?
沼地に捕らわれ、凍えていく、ある少年の物語―――。