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同じだ。七年前のあの夏と…
kyoudai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
ガチ兄弟3作目にして、
BLお家芸の記憶喪失かい…と、
突っ込みながら読みました。
記憶喪失、獣で読んだばっかり、ていうかほんと多いよな、
突き詰めて行ってゼロに戻すそのこころは?
と思ってたんだけど、
これが意外にも良かった。
何もかも忘れてしまった弟のために、
正しい道をやり直そうとする兄なんだけど、
弟を愛してると自覚してたから、
なんで僕をこんなにしたくせに全部忘れた?
その遣る瀬無さに心がズキズキします。
ほんとくるしい。
弟は兄に思うところもあるんだけど、
逆に余計まともになろうとして、それが兄を苦しめる。
哀しみがやり場のない怒りに変わって、
ついに耐え切れずに爆発するとこも、
離れ離れになって、
また再会してぶつかり合うのも、
なんか、ああそうだね、納得できるなって思い。
この無茶な設定でこんなに人の心に訴えかけるなんて、
丸木先生はすごい人だ。
なんとなく、
弟は記憶喪失ていうか人格障害が起きたのではないかなと思った、そういう生徒いたしね。
何のフラグなのかはわかりませぬが。
『兄弟』『兄弟-夏-』から5年たってまさかよもや続編が出るとは!
きっと前作2冊は続きとして2冊に分かれただけだったのだとは思いますが、更にこの兄弟に一体なにを求めるのか?
羨望と裏返しの愛情から結びついた平凡に生きたいと望んだ兄が、強く兄に執着し求める弟により血の壁を飛び越えた前作たち。
ちょい言葉は悪いですが、試練と言う意味で記憶喪失が来たか!は実に定番お約束な障害。
しかし、ラブ甘な兄弟といっても日常生活に於ける兄の表面に現れる温度は若干低めの印象を与える(彼のほうが常識を持つ)ので、その兄が本当に弟を心から求めていたと感じることのできる話にはなっているのでしょう。
兄サイド視点がメインですが、要所に於いて弟サイド視点が登場しわかりやすくなっています。
仕事中の事故により日常の記憶は残っているものの、人間関係の記憶を一切失った弟の涼司は、兄を今までのように”兄貴”と呼ぶことなく”あんた”呼びし、後他人行儀な”悠さん”と呼ぶ。
もうこれでこの関係を辞めようとも思うのに思いだしてほしい、以前に戻って愛されたいと望む兄。
今までの自分を探すことにやっきになり兄を苦しめることになる弟。
そこで知らされる兄との関係。
まるでいばら姫の魔法のようにガジガジに封印された記憶がほどけるのは、ほんの束の間のなんでもない一瞬でした。
兄の苦しみ、弟の焦燥、そんなものが噴出してぶつかり合いながらも求めずにいられない兄弟であるという因縁の二人でありました。
前作からもそうでしたが禁忌の関係というのに親が能天気で笑っちゃいます。
しかし、ガチ兄弟モノなのに案外に禁忌感はとても薄いのです。
前作の『兄弟』『兄弟-夏-』が凄く私好みのお話で、お気に入りだったのでこの本を買いました。
内容は、高校教師である兄と人気俳優の弟は周囲にバレないようにしながらも恋人同士として愛し合っていたが、ある日、弟が事故に遭い記憶喪失になってしまう。
兄は弟と普通の"兄弟"に戻ることを決意して……
という、まあ良くある話なのですが……最後に弟の記憶が戻る時の原因(原因という程ではないかもしれない)が、え…?そんなことで記憶戻るの? みたいな、不意に自然と記憶が戻った、って感じで、個人的にはう~ん…と思っちゃいました。
でも、話自体は好きですし、面白かったと思います。