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ano sora ga nemuru koro
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
主人公たちの高校時代から始まる話で大人になって再会して一生の相手になる。
出会いと別れ、再会となる話で日常の日々のなかで、自分たちではどうにも出来ない
時代の流れも感じさせる展開になりながらも、芽生えた気持ちを大事にしてて、
数年たって再会し、会いたいと願っていた相手に避けられても諦められない。
高校時代のあの時とは違うと理解していても心が相手を求めている。
こんな出会いがあったら素敵だろうなと思える作品で心がホクホクしました。
思い出の残るデパートが時代に流れに逆らえず倒産し閉鎖されることになる。
それを聞いた主人公高校生の岸川が過去を懐かしみ感傷に浸るようにデパートの
屋上に併設された古びた遊具を眺めてる。
岸川は、デパートの屋上にどうしても忘れられない思い出がある。
それは思い出したくない出来事と、もう1度会いたいと思う出来事の両方。
そして、時を同じくして屋上にもうひとり、しかし感傷に至っていた岸川に辛辣な
言葉を叩きつけるのが、受けになる安藤。
このふたりの本当の出会いから、再会、ほんの短い間に心を通わせた二人。
そして大人の事情で離れ離れになり、いつか再会を約束して8年が過ぎる。
離れ離れになってしばらくは連絡を取り合っていたが、それもある日を境に
安藤から一方的に距離を置かれ連絡が途絶えてしまう。
そして岸川の姉の結婚式帰りに逢いたくてたまらなかった安藤と再会するが、
呼び止めるが相手は逃げるように消えてしまう。
離れ離れになった間に安藤に何があったのか、そして8年ぶりに再会し、
昔と変わらぬ思いを互いに抱いている自分を知る。
二人の環境がすんなり恋人同士にしてくれない話なのですが、切なさと同時に
ほのぼのした幸福感を読み終えて感じさせる作品で良かったです。
いつか必ず再会できる。
そんな、ロマンティック過ぎる程ロマンティックな20年ラブ?
表題作は、10年以上前に雑誌「コバルト」誌に掲載された作品。
閉店が決まった地方デパートの、忘れ去られたような屋上遊園で出会う高校生の二人。
夕焼けの空、
もどかしい面影、
曖昧なキス。
無力な子どもだった二人は、お互いの想いがなんであるのかはっきりさせることができないまま離れてしまいます。
なんというか、この前半は、私ぐらいの年代が思い描く「コバルト」そのものな感じの、甘酸っぱいお話だった。
それに、今回書き足された、8年後。
連絡が途絶えて、
でも、本気で探すのは怖くて、
それなのに忘れられない。
8年後、偶然再会した二人は、大人になった分、自分の力でちゃんと恋を恋と認める。
それこそ、初恋の相手だけを思い続けて、結局出会えて、伴侶になる。
なんてロマンティックなんでしょう。
書き下ろしは更に2編。
本編終了後、同居している岸川と安藤の話と、高校時代の安藤のモノローグ。
セルフつっこみ、激しくネタバレ注意
この本、甘酸っぱくて、コレはこれで良かったんだけど、個人的な好みからすると、それぞれの姉絡みのエピソードが、ちょっとね、、
お話の構成的には、こんなキャラ付けだったり(夏樹の姉)、若くしての謎の死と残された義兄との関係(安藤の姉)とか、アクセントにこんなエピソードを盛り込んだりするのは、確かに全然間違いじゃない、間違っていないのはわかるけど、、、まあ、その辺が萌2にできない私の気持ち
全部で4話(前後編+エピローグ+オマケ)からなる1冊。すれ違うように出会って、大人になって再会したら、運命を感じてしまうかもなぁと思える切ない物語です。
これと言ったドラマチックな展開はないのですが、17歳とその8年後を舞台に二人の青年の穏やかな恋愛が描かれていて、優しい気持ちになりました。信久は秀才で実は美人というテンプレな受ですが、その辺の描写はさらっとしていて、不器用だけど真っ直ぐに生きている青年であるところに好感が持てました。
最近読んだ作品が受視点メインの作品ばかりだったので、夏樹のモノローグがちょっと新鮮で面白かったです。
追記:表紙と口絵のカラーイラストがとっても素敵でキュンとしたのですが、挿絵は印象が違っていて少々びっくりしました。「同じ方が描いているのかな?」と思ってしまったのは初めてです。