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tenshi goudatsu
後書きに、「俺たちの闘いはこれからだぜ!《完》六青センセイの次回作にご期待ください。」みたいな終わり方になってしまいましたが…とありますけど。堪能させていただきました!
ファンタジー系も好きです♪この作者様の描写は映像をイメージしやすい。困ったことに、グロいシーンもですけど…。いっしょに入ってた【天使託卵】ホントいいもの見させていただきましたって感じの美しい絵が脳内に広がりました。次作あるなら是非読みたいです!!
代償シリーズで随分楽しませて頂いた作家さんの新作はもちろんファンタジー。
架空の国の話で、宗教や信仰を背景にしたシリアス気味の作品でした。
世界が三つの国に大きく分かれていて、それぞれが違った宗教を信仰している。
その一つのカナン大陸のクリストゥス教が作品の軸になっています。
始まりはカナン大陸の端にある島国が舞台でその王国の姫が悪魔憑きになってしまい、
クリストゥス教本山から教皇に次ぐ地位のあるエクソシストが守護者を引き連れ
やってくる、そのエクソシストのエリファス類まれな美貌で聖天使とも言われている存在
その姿に目を奪われるのが品行方正で生真面目な王室警備隊中尉のクライス。
恋愛ごとにも余り興味がないクライスがエリファスを見て初めて傍に行きたいや
話がしてみたいと思った人物ですが、身分違いで姿を見ることも出来ないと
思っていた時に、悪魔祓いの儀式をする為に口が固い護衛との理由で選ばれる。
姫の悪魔祓いの儀式でトラブルになり、本山から来た守護者が動けないほどの
怪我をしたことで、エリファスが本山に帰るまでたった一人儀式でトラブルに
巻き込まれなかったクライスが24時間護衛につくことになり、
クライスの恋心が次第に育っていくことになります。
エリファスは見た目と違って口が悪くガサツでかなりギャップがあるのですが、
実はそれにも理由があり、エリファスの身体が「天使の器」だと言うのがポイント。
そしてクリストゥス教本山が神をも愚弄する野蛮な行為を気の長くなる時間
粛々と儀式として行っているのですが、それは宗教と言うより欲にまみれた人間が
悪魔的秘密結社の隠れ蓑なのではと思う内容です。
「天使の器」は、神話にもある天女の羽衣を彷彿とさせる内容で、
捕まえた天使を地上に止め逃げないように悪魔的な儀式で「天使の器」に閉じ込める。
エリファスがその天使なのかと言えばそれはNO、エリファスの中にいるレヴィと言う
貧困層生まれの魂が「天使の器」に現在宿っている。
それなのに悪魔祓いの力や悪しきものを浄化する力がある、持って生まれた能力が
天に逃げた天使の身代わりになっている感じです。
教団の後暗い不穏な内情がどうなるのかは完璧に解決している話ではありません。
1番はエリファスを巡る守護者の戦いですが、クライスはエリファスの本質(レヴィ)を
愛しているのですが、過去の因縁もあるレギウスはエリファスの身体を欲している。
本来はエリファスの体に入っていた天使を愛していたが、天使が消え中身がレヴィに
入れ替わったことで歪んだ執着をエリファスに持ってしまう、哀れな男でした。
レギウスからの呪縛をクライスが断ち切りエリファスを守りきる話なのですが、
おどろおどろしている教団の闇を二人で葬り去ることを誓う形で終わっています。
そして書き下ろしの「天使の託卵」でエリファス=ラヴィの新たな真実が明らかに。
でも天使の托卵と言うより教団の悪魔儀式でしょうと突っ込みたくなりましたが、
本編で初めてレヴィをエリファスが探して見つけ出したことがここで納得出来て、
なる程と思いましたね。
人間の身勝手な欲望と天使に恋した哀れな男の末路が悲しいストーリーでした。
これはファンタジーではあるけれど、既存の宗教をベースにしているからなのか、設定の作り方がちょっと粗いかなーという印象。あまり掘り下げずにさらっとしてました。
そのせいなのか、受けの境遇も可哀相ではあるんですが、まだましな方な気がしました。凌辱もあるけど相手は一人だし、嫌っていた相手でもないので。受けの立場も最強エクソシストなおで、それほど弱いわけでもない。その上に立つのは教皇のみで、その教皇も受を利用することにしか関心がなく、壊す気は毛頭ないのでそれほどひどい扱いもしていません。ここのところ六青作品を立て続けに読んでいるせいで、ちょっと感覚麻痺してます、きっと。
世界観が浅いため、今一つのめり込めないうちにあっさり話が展開していき、気が付いたら終わってた、というやや肩透かしな内容でした。
絵はきれいで、内容もふわっとしているためサクッと読めますが、萌えもそれなりではあります。
強奪という言葉の響きはこの作品には強すぎてそぐわない印象。それよりも、表紙の柔らかな雰囲気の方が作品を表現できている気がします。
表紙の雰囲気が好きならアリではないでしょうか。
BL界では需要の少ないファンタジーですが、個人的に大好きなジャンルなので、好みっぽい話だったらとりあえず買ってしまいます。
リンクスから刊行でタイトルから期待しまくり、2段組だぜイヤッホー、とか思ってたら2段じゃなくて肩すかし食らったって人は、間違いなく毒されてると思う。
貧乏性なもので、2段だと文章量も多くてお得だわ、と好んで買うのですが、いつも2段なものがそうじゃなかったときのガッカリ感って、ずどっと響きます。
そんなわけで、今回の舞台は中世ヨーロッパ風味のキリスト教モチーフっぽい世界観で、エクソシストだとか胡散臭い設定バリバリで突っ走ってます。
イラストも青井秋さんで、ファンタジー×2みたいで期待値急上昇。
お得意の健気受による激痛を期待してたんですが、甘めのチリソースのような展開です。
悪役は悪役になりきれず、なんとなーく消化不良おこしましたが、いつもにはないキャラ設定に、こういうお話もいいかも、と好意的に受け止めました。
中身については、もうこれ絶対に続き書いて頂かないと、喉に小骨がかかってしようがないという感じですが、あとがきの冒頭1行目の感じからしたら、続編はないのかな。
出たら嬉しいです、ついでにその時は2段組でお願いしたい。
気になった点としては、オルゴン動力の源がどうとかこうとかってシーン……これって某錬金術師漫画に出てくる賢者の石の精製方法に酷似しているような気がして、そのあたりがなんだかなぁ、という感じ。
全体としては、今までにない傾向の作品が読めて非常に楽しかったです。
ヘタレワンコ×ツンデレは大好物です。