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baka dakedo kawaii
表紙のイラストはパステル調で柔らかい雰囲気。
題字のフォントは題名そのままに可愛らしい。
でもお話は可愛らしいわけじゃないのです。
そして「バカだけど可愛い」のは表紙左側の美形じゃなくて、右側の攻めの事w
帯の紹介にもあるように「年下ワンコ系リーマン×毒舌美人彫刻家の一目ぼれ暴走ラブ」
ではあるのですが、暴走は・・・冒頭だけかな?
誠実で気持ちのよい展開を書かれる作家さんという評価が自分の中にあるのですが、初ルビー作品もその路線は変わらず、安心して楽しめる話となっていました。
自転車で通勤している広告代理店勤務の会社員・大地が通り道のパン屋で一目ぼれした美しい男性。
彼逢いたさに同時刻にそのパン屋を訪れるのだが、なかなか会えない。
やっと姿を見かけた日、思わず「好きです。付き合って下さい」って告白してしまい、「ふざけんなボケ・お断りだ」と返されて見事失恋・・・
ところが、ある会社の広告のプロジェクトで大地が任された仕事が、そのCMに使う彫刻を作成する彫刻家の仕事の進捗管理。
そしてその彫刻家が何と!振られた相手、雨宮だったのです。
雨宮の作品制作の過程を通して、恋愛は、互いを知る事という過程が大事という部分を見せているお話だったかな?と思います。
大地のキャラがワンコです。
すごく人なつこいし、誰にでも好かれて、そして気遣いの出来る人。
本当は、彼がこのプロジェクトに抜擢されたのは、その依頼元の会社の会長が彼の祖父という、何かトラブルがあった場合の保険という理由があるのだけど、きちんと公私の区分けができている。
雨宮が一目ぼれした人だからという特別な感情をもっているというのもあるかもしれないが、それは雨宮の仕事の環境を整えたりときちんと仕事を通しての気配りであってその点もキッチリしていて真面目なリーマンなのです。
その点、雨宮が少しクセがあります。
彼は帰国子女でありその外見と性格もあって、周囲と余り馴染んでこなかったので警戒心がある。
そして何より、美人という外見があるので自分の実力が正統評価されない事を気にしているのです。口が悪いのもそのせい。
しかし、大地が懐に入るのが上手い人なので、彼がいることで周囲とのクッションになってラストの大ハプニングで窮地に陥った時も回りから援助の手が差し伸べられるという展開があり、雨宮も少なからず変わって行ってることがわかるのです。
恋愛も誠実でしたね♪
初めて二人で呑みニケーションを図った時、酔っぱらった雨宮にキスをしてしまう大地があるのですが、雨宮はこともなげに「一回やったらおさまるだろ」(男前すぎw)というのですが、大地!
僕は、身も心も欲しいのです!と据え膳状態だったのをふっ切るのですv
もうちゃんとしてるから、雨宮も次第に惚れないはずないですよね。
一応お仕事BLの範疇にはいるのだと思いますから、トラブルも仕事絡み。
しかも、功をあせる社員の先走りでとんでもないトラブルが発生するのです。
そんな見せ場もあるし、ゆっくりだけど、互いに好意が芽生えるのも見ることが出来るし、ほんとうに誠実なお話でした。
この題名は、雨宮の精一杯の大地が好きだという言葉になるのです。
ちょっとツンデレな言葉ですよね♪
攻め視点で描かれている作品ですが、タイトルは受け視点の心情を表している。
美形で醸し出す雰囲気まで優しげな受けになる雨宮に一目ぼれした三上が
突然の告白玉砕から、縁は異なものみたいに三上の仕事と雨宮の仕事がつながり
雨宮をフォローする立場になった三上が距離を縮め美人だけど口が悪くて意地っ張り
でもほんとは優しい雨宮に再び思いを伝え受け入れてもらうまでを
雨宮の仕事と三上の仕事を絡めながら後半では学生も参加して青春の雰囲気まで
感じられるような作品に仕上がっていました。
広告代理店に勤務する三上が振られた相手である雨宮に再会するのは、
クライアントがCMの為に依頼した彫刻家のフォローを三上がすることになったため。
何も知らず出向いた先で名前も知らないうちに好きになり告白した相手がいて、
驚愕しながらも今度こそって思えるくらい前向きな体育会系ワンコ三上。
それを受ける雨宮は綺麗な見た目と違って口が悪く、人との協調性が少し低いタイプ。
それで口数が足りないだけで本当はすごく優しかったり気遣いが出来る人で
でも見た目の綺麗さが逆にコンプレックスになっていて一目ぼれした、と言う三上に
顔だけで好きになったと思われていて、再び告白した時もはっきり答えてもらえない。
以外にはっきり物事を言う雨宮が、三上の思いに応えられないのはコンプレックスの
せいだったりしますが、結局は三上の粘り勝ち、たまに三上が見せる抜けた感じが
可愛いと思ってしまう、そんな心情をタイトルが表しているのです。