片翅蝶々

katahane chouchou

片翅蝶々
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×25
  • 萌10
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
3
得点
70
評価数
20
平均
3.6 / 5
神率
20%
著者
雪代鞠絵 

作家さんの新作発表
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イラスト
街子マドカ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
価格
¥590(税抜)  
ISBN
9784344829275

あらすじ

借金のカタに遊郭に売られた伯爵家嫡男・水帆の前に現れたのは、兄のように慕っていた一佳。しかし、彼は変わってしまっていて…。

表題作片翅蝶々

速水財閥次期総帥,養子
没落して遊郭に売られた伯爵家の息子

その他の収録作品

  • 春の嵐~ Fruhlingssturm~
  • あとがき

レビュー投稿数3

裏切られても、傷ついても

何も知らないまま遊郭に売られ、何度も逃亡を図りボロボロになった元華族の水帆。衰弱している水帆の前に現れた幼い頃ずっと慕っていた一佳。使用人で水帆の世話をしてくれていた一佳は、あの頃とは変わっていて。そんな2人のお話。

かつて急に姿を消した一佳に会いたくて逃亡を図っていた水帆の前に現れた、本物の一佳は、かつての大好きだった「おにいちゃん」とはまるで別人になっていました。大好きだった相手に、大嫌いだったと告げられる事。その人に買われて辱められる事。たくさんの事に傷ついているのに、水帆はそれでも一佳を「おにいちゃん」として嫌う事は出来ないのです。そんな水帆が健気で可哀想で、切なかったです。


水帆の先輩で一佳の友人である翡翠や、翡翠と一佳の友人で客としてやってくる朝倉が、ライバルや当て馬なんですが、私はこの2人がすごく好きです。特に朝倉が曲者で…色々引っ掻き回してくれました笑

0

裏切られても慕う心

華族のお坊ちゃまが家が没落し放蕩三昧の父親の後始末で廓に売られ、
廓で自分が何をするのかも解らない初心なお坊ちゃまが何度も足抜けして
捕まり折檻されていた時に7年前まで自分の家庭教師で大好きで絶対離れないでと
約束しながらも突然何も言わず消えてしまった男と再会したことから始まるラブ。

復讐的な雰囲気もあるのですが、過去に囚われ、自分と母親をいいように扱い
手酷い仕打ちをした伯爵家を飛び出し、その跡継ぎでもあった自分に懐いた可愛い
水帆と伯爵家への恨み、様々な葛藤を抱きながらも廓で悲惨な姿になった水帆が
7年前と変わらず自分を慕う様子に、あの時見捨てた自分を恨んでいてくれたならと
過去の罪悪感と離れていた7年間で変わってしまった自分を鑑みて、水帆を自分と
同じところまで堕としてしまいたい、でも7年ぶりに再会した水帆の純真な心が
いつしか速水の心に今まで以上に住み着き、手酷い扱いをしながらも
非道になりきれない速水と水帆の切ない恋のお話です。

自分が汚れてしまったから、7年前に捨てた子供の真っ直ぐな思いに余計に罪悪感と
離れていた間に自分がして来た暗い過去が速水の心を捻じ曲げている感じ。
でも惹かれる、愛しさは募るけれど、それを出せないもどかしさ。
そして、水帆も自分の両親が犯した罪を知り、恨まれても復讐されてもいいと、
それでも速水を好きな気持ちは変わらない、健気受けを堪能出来るお話です。

3

遊郭もの。

2006年にショコラノベルスHYPERから出された作品の新装版文庫です。

表題作の内容については、旧版レビューの方で書いてます。

元レーベルが『ショコラノベルスHYPER』ということもあり、相変わらずHの量がスゴイな~というのが何よりも印象的でした。
イヤ、そもそも『出し直し』なんだからそこは変わらなくて当然なんですけどね。

とりあえず、(旧版と同じく)基本設定は好みだからHよりもっとほかの部分を・・・!と思ってしまいました。
『ここがこうならもっといいのに!』という作品を、せっかくの新装版なのに(『全面書き直し』ではないので)変わらないまま読むというのはなかなかにツラいです。
まあ、どうしてもダメなら買ってませんけどね。実際、決してキライじゃないんですよ。

とりあえず、新装版はほぼそうですが書き下ろし目当てです。

こちらは、本編(表題作)は水帆(受)視点ですが、書下ろしは一佳(攻)視点です。雪代さんの『攻視点』は結構好き。
今回、あとがきで『攻視点は(以前は)苦手だった』ように書かれてましたが。

この書き下ろしはよかったです。
水帆が一佳の屋敷に引き取られて3か月。一佳の『水帆好き好き・溺愛してます!』がダダ漏れです。ただ、あまりにも好きで大事だからちょっと行き過ぎてるんですね~。困ったお兄ちゃんです。
そして水帆は健気で可愛い。

甘くてちょっと切なくて、これだけでも買ってよかったかな。今、雪代さんの『新作』読めるのってこれくらいしかないしね。

旧版レビューにも書きましたが、表題作だけなら『中立』でもいいかな~って感じなんです。決してキライではないけど、それ以上のものもないんですよね。
旧版時は、そこにプラスアルファが『あさとさんのイラスト』だったわけですが、今作は書き下ろしでプラスしました。

ところで、新装版化でイラスト変わるのはやっぱり残念だなあ。

念のため、私は街子さんの絵柄そのものは好きなんです。
正直なところ、小説挿絵としては微妙と感じることの方が多いのは確かですが、今回はそうでもないんですよ。
ホントに、こちらが初読みだったらイメージピッタリだと感じたかもしれない。『合わない』んじゃないんです。

ただ、旧版読んでる身としては、旧版のあさとさんのイラストで脳内イメージが出来上がっているので、(たとえどれだけ素敵なイラストでも)違和感しかないんですよね。
特に、旧版の表紙カラーが素晴らしいと思っているので余計なんでしょうが。←個人的に旧版表紙カラーがあさとさんのイラストでいちばん好き。

6

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