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警視×犬、秘密の主従関係!
keishi wa inu wo kau
親の仇を探して必ず見つけてやる。
そんな執念を持った主人公のお話ですが、意外にも軽妙でテンポよく、上手く転がっていく為のおぜん立てが配備されてラストのハッピーエンンドに結びつく。
文庫のカバーを見ると首輪をつけられている主人公、一見かわいい感じがします。
相手となる警視と居る時は何故だか甘えん坊仕様な、お子様な様子を見せるのに、ほんとうは案外ヤンチャで腕に覚えありの強い男子です。
なので、中の白黒イラストになると結構青年ぽい描かれ方をしているので、表紙とのギャップがあるかも。
主人公は、やんちゃで可愛くて、愛玩だけど元気いっぱいな愛玩にもなる中型犬といったところか。
飼い主となる攻めについては、案外に本音を隠しながらも主人公が可愛くて仕方ないといったちょっぴり腹黒…忍耐?も持ったよい飼い主でした。
13年前、代議士秘書をしていた父親が何者かに殺され家に放火されてしまった当時12歳の主人公未知也。
父が遣えていた代議士・高柳の家に母親と共に世話になり、そこで今は警視となった4歳年上の代議士の息子・皓正と出会います。
未知也は父親の殺人について犯人が逃亡し、捜査が打ち切りになってしまった事で自分で何とか探したいと、ずっとそれだけを考えて現在は元ヤクザの吉原の元で探偵として働きながら、警視となって戻ってきた皓正の依頼などをこなしながら、逃亡犯や事件の手口を探っています。
皓正とは、昔、彼の友人に嫉妬して襲われて以来身体の関係を持ったものの、皓正が警察学校へ入学して地方勤務になって以来、関係はなく、3年前の再会の時にお仕置きと称して再び関係が再開され、皓正の犬として、でも未知也は本当は皓正が好きで抱かれています。
そんな時、山本の元居た組の関係する秘密クラブに潜入することになり、そこで組と繋がりのある元父親の同僚で現代議士となった男と接近することに成功するのです。
この秘密クラブに入ったところからがこの本の一番の見どころかもしれないです。
未知也の女装、下手な化粧とか、代議士金子への接近。
同僚の着物女装の雪子さんの存在。
ふたを開けて見ると、未知也の周囲は彼に好意的で実は見守ってくれていたとか、彼の代わりにかなり皓正は動いていたとか、探偵事務所の吉原しかりと、おぜん立てをしてくれていたようです。
クライマックスで登場する四条と雪子の関係も関わりながら、それが困難に陥らせるほどのものでないのも、13年という年月はこのために必要だったのかな?とも思い。
しかし、雪子の着物女装攻めにはビックリしました♪
未知也が覗き見するシーンですが、ラッキー☆な感じw
皓正ってば、最後まで不遜なご主人様で、無事事件を解決して想いが通じ合ったのに「本当なら警視総監賞でもやりたいところだが、今の俺には無理だから何でも言うことをきいてやる」だって(笑)
未知也もすっかり慣れたもので、甘え上手になっちゃって、
「愛してる」「好きだ」なんてダイレクトになくてもこの二人はこれで、とてもラブい関係なのでしょう。
事件解決のアレコレは本格推理小説でないので、アレですが、それなりな軽妙さは買う所です。