牡丹燈篭
amai hanashi
アニメ「宇宙戦艦ヤマト2199」の同人誌です。
オリジナル作品を観たことはありません。原作知らないのに二次創作に手を出すなんて邪道とは思うのですが、椹野作品を作家買いしているのでとうとう購入してしまいました。原作知らない状態でのレビューですのでご容赦ください。
内容は椹野道流先生の小説「さなださんのあまいはなし」「いとうくんのあまいはなし」とみふみ子さんの漫画「ふたりでお茶を。」となっています。
【小説】
「さなださんのあまいはなし」
真田視点のお話。
宇宙戦艦ヤマトの副長兼技術長・真田志郎の非番の日。自室で勉強していた真田がドリンクサーバーにコーヒーを取りに出ると保安部長の伊東真也と遭遇しました。伊東は仕事を小休止中だという。なぜ居住区域まで来て小休止を取るのかと訝しがる真田に、伊東は「あなたが目当てで来た」と言って…。
「いとうくんのあまいはなし」
伊東視点のお話。
伊東真也は他人の経歴も心もくまなく調べ上げて、すべて知りたいという性格。現在の彼の興味の関心は堅物の真田志郎に向いていました。仕事の鬼と呼ばれる真田の内面を知りたいと思いますが、人となりは学歴や職歴等のデータからは分かりません。カウンセラーの新見から聞いた話では真田の唯一の友人は古代守という男だけらしく、どうやって二人が友人になれたのか疑問でした。
ある日、伊藤は真田に「内々の仕事があるから私室へ来てほしい」と言われ、真田の部屋へ入りますが…。
2作品とも短編ですが、真田と伊東の馴れ合わない緊張感ある関係とそれぞれの心理描写が巧みに描かれていました。椹野先生の商業誌作品より心理描写が上手いかもしれません。椹野先生のBLに登場するカップルってラブラブあまあまで、作風はほのぼの系が多いのですが、本作のような恋愛とは言い難いシリアスな関係性の話ももっと読みたいですね。
【漫画】
「ふたりでお茶を。」
コメディチックな四コマ漫画です。伊東真也、真田志郎、星名透の3人が登場。
全体的に笑える内容ですが、元ネタを知らなければ本当の意味では楽しめないと思いました。