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himitsu no yoru ni shite
一夜限りの関係を持ち、「これって運命かな」なんて言った年下の男・七瀬が
四年後、経営企画部に支社から異動してきて…という、
そんなに捻ったお話ではなかったのですが(すみません)
美人な智里が若くして課長に昇進して
バリバリ仕事するタイプなのに、
人の気配を感じるような場所が興奮してしまうというギャップ!!!
高校一年の頃バドミントン部で
その頃すでにゲイだと自覚していた為
練習後のシャワールームで反応してしまわないかという心配をしながら
サッカー部らしき三年生に
「うわ、白っ。おまえ、何部?」と声を掛けられただけなのに興奮してしまい
またいつ誰かに見られるかもしれない状況で弾けさせてしまったとか…エロ……。
四年前の七瀬との交わりも、
薄い壁のホテルで隣の女性の声が聞こえてきて、
普通だったら集中できないと思うんですけども
向こうにも自分の声が聞こえてるんじゃないかと危惧しながら
それにまた感じちゃうって!!
初めてなのにエロ過ぎだろう!!!w
七瀬は年下なのに慣れた手つきと言葉づかいで
「ねぇ、もっと可愛くなって。
隣よか、感じさせてあげるから、いっぱい声出して」とか
智里を気に入ってキスマークつけたり…いいわーw
それなのに智里は翌朝お金を置いて七瀬を置き去りにしちゃったわけなんです;
前の夜、名刺入れをぶちまけてしまって拾ってあげた七瀬が
ちゃっかり一枚失敬していたから智里を追いかけられたんですけども
何気に一途で、仕事では企画書つっ返してくるようなのに
滲ませる智里への執着心がいとおしかったです!
展開は読めるのに、退屈せず逆に安心して読めました♪
七瀬が智里にした企画書に関するたった一言のアドバイスで成功して
そのお礼を言うと、普段と違う素直な顔をのぞかせたりしてずるいわ!w
智里の部下にあたる菅原という(こちらも年下)が
優しい当て馬で可愛かったです…。
自分の気持ちを打ち明けて良い返事をもらえなくても
智里の七瀬への気持ちを後押ししてくれて、いい奴だよ!!
七瀬のマンションを訪れ、しっかり互いの気持ちを確かめた後の
窓辺Hが!!!w
ガラスに全部映ってて、向いのマンションから見られてるかもしれなくて
感じすぎちゃってるよ…!!
ガラスに絶頂の証を飛び散らせたり
達した後座位で抱え込まれてつながった部分を見せられてまた2ラウンド目とか、
高星麻子さんの綺麗なイラストとのギャップが良かったです!!
イラスト自体はエロエロではないのですが
「こんなきれいな顔してこんなことしちゃってんのぉぉぉ!!??」というw
『約束の朝』は、15ページですが七瀬視点です。
クールそうに見えても、結構頑張ってきたんだね!って微笑ましかったです。
「つきあうってことでいいんですよね?」ってしっかり意思確認して
なんか可愛いなぁと思ってしまいました。
デートの約束を小指を絡めてするとか、意外性があって楽しめました♪
リーマン同士で尚且つ1度だけの行きずりの関係を持った相手との再会もの。
年上受けリーマンは自分の性癖を初めて自覚した後に1度関係を持った相手と
まさかの再会で動転し、逃げるように姿を消した自分に嫌がらせをされるとか
脅迫されるとかの疑心暗鬼になってしまう。
年下攻めの七瀬は行きずりの相手の智里の一目ぼれするくらい惹かれていたのに
一人だけホテルに置き去りにされて傷つけられても、智里のことが忘れられなくて
同じ会社の支社に入り、智里がいる本社に異動になっての再会。
会えることを楽しみにしていたのに、その相手は明らかに迷惑な素振りで
過去の出来事を一切ないものとする態度に、本気で好きな七瀬は誤解されながらも
仕事での願いと引き換えに智里の身体を要求するようなことをしてしまう。
七瀬の本気の思いが伝わらない原因が智里の恋愛にたいする自身の無さと
臆病な心が原因だったりするんです、七瀬の行動を全て悪い方向へ曲解してるのが
七瀬が可哀想なくらいでした。
結果的には七瀬の異動の話が出た事で相手を信じ、素直な気持ちになることで
ハッピーエンドになる展開です。
松幸さんは、基本的には好きな作家さんですが、正直なところ作品によってかなり好みが分かれます。
こちらは、ルビー文庫の前作がまったく合わなかったのと、個人的に『年下攻』もですが何より『お仕事もの』がものすごく苦手なので、一応買ったものの何か月も積んでました。
このまま読まないかもしれないとさえ思っていましたが、1月の新刊『狐の婿取り』がよかったので、その勢いがあるうちにと頑張って読みました。
結果・・・とにかくキャラクターに一切魅力を感じませんでした。
(根はどんなに一途で健気だとしても)身勝手で押し付けがましい攻も、ツン過ぎる(意地を張りすぎる)受も好みじゃないんです。
・・・あえて言うなら、当て馬くんの方がずっとマシな気がしますけどね。
それに、仕事の中でいくら『自分にとっては』プライベートなことであっても、相手は仕事上必要で頼んでいることに対して身体を求めるというのがもう無理でした。
仕事のためなんだから無条件に引き受けるべきと言いたいのではなく、そこに(それこそプライベートの極致である)Hを引き合いに出す神経が我慢ならない。『受けるか断るか』だけの問題だろうと。
これって枕営業とどう違うの?
キャラクターにもラブにも魅力を感じないし興味もないのに、うるさい仕事描写はただ邪魔なだけです。
イヤ、もう読むのが苦痛なレベルでした。何もかもが鬱陶しくて。
途中でやめたいと何度も思いながら、我慢に我慢を重ねてなんとか読了しましたが、結論から言えばそこまでして読む意味もなかったな。
ハッキリ言えばただひたすらにつまらなかった。
ひとつだけ言えるのは、これ新刊で出た時にすぐ読んでたら、もう松幸さんとはそれっきりだった可能性もあるってことですね。
これの前に出た数作(で読んだもの。積み本がまだ少しあるので)がほぼハズレだったので、ダメ押しになったかもしれないな~と。
そういう意味では、このタイミングで(好みの作品を読んだ後で)よかったです。
ホントに、基本的には好きな作家さんですから。