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heian ibun kimi aritekoso
「玉の緒よ絶えなば絶えねながらえば・・・」
前書きに引用された、式子内親王が藤原定家に読んだこの歌。
本書とどんな関係が・・・?とワクワクしながら読みました。
あらすじ。
過去・未来を見ることのできる『時渡り人』の家系に生まれた日野匡深。
見えない右目を眼帯で隠し、いつもは書物管理と皇子の教育係。
しかし、帝からの任務を受けて能力を使い、時空を渡るときだけ、右目が見えるようになります。(何とも中二心くすぐられる設定v)
ある日、帝の末妹で、伊勢神宮の巫女の隆子(斎王)が自刃。
この死にまつわり、不吉なことが起こると陰陽師に予言されます。
誰かの子を身ごもっていた彼女の死の真相を調べるため、
中務卿の宮・陽仁とコンビで内偵することに・・・。
陽仁と匡深の凸凹コンビぶりと、艶っぽい濡れ場もいいけど、
隆子の死の真相は???
まったく話が動かず、やや中だるみしてしまいました。
後半『時渡り』の能力で明らかになる真相は、伏線も特になく唐突。
これなら、途中は読み飛ばして、後半だけ読めば良い気がしました(ーー;)
鍵となる登場人物やエピソードを、もう少し伏線に入れといてくれたら、
謎解きの面白さがあったんじゃないかなー。
カップリングについて。
陽仁(24)は、全く年下攻っぽくない、大人の遊び人風のイイ男。
たまに可愛いことを言うクーデレ匡深(26)にハマって、
隙あらば口説きまくるのが面白いです。
匡深は「お許しを・・・」なんて言いつつ求愛に絆され・・・
いつの間に好きになったの?という点が、ややモヤッと。
でも、陽仁がこら惚れるわという男前なので
(隻眼の匡深を美しいと褒めたり、陰陽師の攻撃から命懸けで守ったり・・・)
まあ納得できました。キザで雅な言葉遣いもカッコイイデス☆
ラストで、冒頭の「玉の緒(魂の緒)」の意味が明らかに。
死を覚悟で『時渡り』した匡深が
この世への執着を抱かせてくれる、魂でつながる存在(陽仁)に救われる。
ここはなかなかドラマティックでした。
(この歌は、別のところでも登場しますが、それはネタバレになるので・・・)
ラストはいいんですが、中盤までのゆるーく進む展開に思ったほどのワクワクは得られず・・・
中立寄りの萌です。
(挿絵は、匡深の凝った細工の眼帯、色っぽい和装など素敵でしたv)
牧山先生でアズ・ノベルズで平安とくれば、平安時空奇譚シリーズのスピンオフかな?と思ったのですが違いました。イラストレーターさんが違うのでどうかな~とは思ってたんですが。
左目は現実を、右目は過去や未来を視ることができる目を持った匡深(受)と、
帝の弟で好奇心旺盛なプレイボーイ陽仁(攻)のお話です。
あらすじ自体はそんなに難しくはありません。
斎王が自害した謎を解明しつつ匡深と陽仁がくっつくまでを見守るものです。
ただしいろんな条件が事件解明を難しくしている状況。
国を揺るがすほどの一大事だということで、この謎解明にただの図書頭である匡深(だけど異能者)が選ばれるのですが、この力を使うには重大な危険が伴います。
だから家族は使わせたくないのですが…
そんな匡深の父や祖父の思惑も知らずに、陽仁も妹の死の真相が知りたいと謎究明に名乗りをあげます。よってここに陽仁・匡深コンビが結成されました(もう一人いるからトリオなんですけどね…なにぶん存在感が薄くて)
この陽仁という人、やんごとない身分の人だからかかなり短絡的。
嫌味は全然ないので私は好きな攻めに入るのですが。
でも後々考えると、もっと裏を読める人物だったら最後に危険をおかして匡深が時渡りすることもなかったかも…と思うと評価が分かれそうですw
匡深は人付き合いの苦手なおとなしい人。
いろいろ事情はあるのですが、こちらの人物も受けとしては好きな部類です。
この本、設定がてんこもりなのでもうちょっと厚くして前半と後半を絡み合わせられなかったかなーとちょっと思ってしまった。
あ、頭に人物相関図があるのはとても助かりました。
これから読む方も、登場人物の名前と役職に慣れるまでは何度も見返すことになると思います。
時代ものは普段聞かない言い回しなどが読めて好き。
堅苦しい言い回しが多いんですけど、それも含めて楽しむ本だと思います。
平安ものでありながら陰陽師とは違う能力『時渡り』の力を持つ受けが主人公。
それに碧眼の美貌の主で、その特殊な能力とその能力を発動する為にこの世は
映せぬ右目を己の意思で使う時に命がけの能力が発動するというもの。
左目が現世右目が時空を超えたものが視える、それは一族だけに伝わる秘儀であり、
受けである匡深の日野一族の直系男子だけに現れる能力なんです。
平安SFチックな内容ですが、万能な能力だけどおいそれと使える力では無く、
日野一族は帝の臣下であり、近しい血族なのですが、帝の大事と国の大事の危機的な
時にだけ能力を使って国を支える力でもあります。
その能力は死と隣り合わせで、能力を使うことは死を意味するほど重いのです。
そんな能力を持った故に、家族には大事にされながらも碧眼だと言う事で
人と接するのが苦手な匡深が帝の弟宮である陽仁と共に、帝を引いては国を脅かす
存在を協力しながら捜索する中で、陽仁の大らかで男女問わず美しいものが好きで
匡深の隻眼に隠された美貌に惹かれ、その手の事には奥手であり、能力のために
いつ命を失ってもそれは自身に課せられた責務と考える生真面目な匡深に想いを
募らせ、恋愛に不慣れな匡深を翻弄しつつも、匡深もいつしかその名の通りの
陽仁のために命を失ってもいいくらいの自身の想いを自覚しながらも能力を使い
命の危機に瀕する内容です。
シリアスな内容ではありますが、攻めである年下の陽仁の誰をも魅了する
やんちゃな人柄と、匡深の無自覚天然な雰囲気で後味すっきりのラブになってます。
平安BLという事で手に取りましたが、全体的に盛り上がりが無く、単調に感じました。
メインカップルが共同で事件の捜索をするのですが、そちらの方面に力が入れられずに、急激に二人の仲だけ深まっていくだけに、説得力がなく置いてきぼり感をくらいました。
BLはBL外の描写にも力が入れられてこそ映えるんだなーと実感しました。平安時代や「時渡り」という設定など、描き方によっては面白くなりそうな素材だっただけに残念です。
また攻めが天皇系の血筋で当代のプレイボーイとして名を馳せるというキャラ設定も他のBL作品にも出てきましたが、そちらに比べるとインパクトが弱すぎて、もう少し会話や行動に風流さや遊び心が欲しかったです。キャラクターの印象が薄いので話に没頭できませんでした。
平安時代ものは歴史小説でかなり読んできて慣れている筈ですが、この小説に関しては人物相関図はあるものの人物名や役職名が全く頭に定着しませんでした。名前の読み方が難しかったり、馴染みが薄いのかな…。平安時代を扱うだけで、難しい部分はあると思いますが、プラスαが欲しかったです。