不器用な恋のあらすじ

bukiyou na koi no arasuji

不器用な恋のあらすじ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×28
  • 萌8
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
8
得点
72
評価数
20
平均
3.7 / 5
神率
15%
著者
小宮山ゆき 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫black
発売日
価格
¥657(税抜)  
ISBN
9784592877127

あらすじ

売れっ子作家で完璧主義の乃木は、財布をなくし途方に暮れていた作家の卵・笹倉を拾う。頼りない笹倉を放っておけず、しばらく家に置くことにするが、全く生活能力のない笹倉に日々苛立ちが募り…!?

著者:小宮山ゆき

表題作不器用な恋のあらすじ

人気作家
作家志望の弟子でフリーター、23歳

その他の収録作品

  • あとがき
  • ある一日:明日になるまでの間

レビュー投稿数8

優しい二人を試す女のプライド!

小宮山ゆき先生の新刊が気になったので、デビュー作を読んでみました。コミックスには当てはまらないのですが、小説だと作家様のデビュー作で自分との相性がなんとなく測れるんですよね。結果とても好みでしたので、新刊を買ってみようと決めました。

丁寧な心理描写と淀みないエピソード展開にじわじわと掴まれてしまいました。視点が攻めと受けの交互になっていて、二人の心情が同時進行でわかります。交互視点だとコメディー?すれ違いのケンカップル?なんて予想しがちだけど、本作はピュアな初恋物語。とても新鮮でした。

多作な有名小説家と作家を目指す青年のカップリング。大学を出て一年ほどバイトをしながら作家を志す優人が頼りなさすぎて、大丈夫かなぁこの子?と心配になりました。でも、優人のその未熟な出発点こそが重要なポイントなのかも。

小説家の乃木が訳あって宿なしだった優人を自宅に泊めたことがきっかけで、作家とアシスタント的な半同居生活を送ることになった二人。始めはオドオドして恩返しに必死だった優人も、乃木の仕事や生活ぶりに触発を受け、少しずつ視野を広げていきます。二人が一つ屋根の下で生活しながらも、互いに距離感を保ちつつ仕事とプライベートを行き来する絶妙なバランスが、読んでいて心地よかったです。

優人のキャラクターが好きでした。いつも笑顔。争い事が苦手だから人が嫌がることを率先して引き受ける。相手に迷惑をかけるのも申し訳なくて、すぐに謝ってしまう。キャパオーバーになるとすぐに知恵熱を出す…。本来ならこういったタイプはメチャ苦手なんです。なのに優人に好感を持てたのは、彼が経験したことを大事にして、あらゆることに消極的だった自分を変えようと努力していくから。優人を見ていると、なんか励まされちゃうんですよね。

乃木は優人が書いた原稿をチェックをした時、優人は書くことは好きでも、書きたいものがないのだと察します。乃木は盛んに優人に遊べとアドバイスをしますが、おぼこい優人にはいまいちピンとこなくて…笑

優人は人生経験の少なさから、それまで自分がいかに恥ずかしいことをやらかしてきたかを徐々に思い知ります。それは初めて人を好きになって開いた扉でした。10冊の本を読むより、本気の恋をしなさい!(by 瀬戸内寂聴)を地で行ったわけです笑

本気の恋については乃木にも言えることで、彼はセフレだった彩美に対して酷い仕打ちをしてきたことに気付かされます。この彩美というキャラがなかなか刺激的でした。ヒールなのはわかってるけど、彼女が乃木に復讐するために、優人と寝て二人とも傷つけてやりたいという思い、倒錯的すぎて萌えました。もし彩美が男だったら、途端にリアリティを失って興醒めしそうな気がします。このエピソードが女性を挟んだ三角関係が好物なわたしにとっては萌えるクライマックスだったとしても、女性キャラがダメな方には受け付けないかもしれません。なので、妙なレビュータイトルは地雷避けで。

優人が乃木の優しさを知っているのは彼と一緒に生活して同じ仕事をしていたからでしょう。都合のいいセフレだった彩美にとってそこは知りえない、好きな人の姿だったんだろうなぁと深掘りすると、俄に生々しくなってきたので自粛します…

いやー、彩美じゃなくて優人みたいなのが魔性の女なのかも(戦慄)

小椋ムクさんのイラストがピッタリでした!優人の髪型や表情が文章のイメージどおりで、挿絵でも存分に楽しませてもらいました。

2

受けが天然健気で最高。

お初作家さんだったんですが、読みやすくてあっという間に読んでしまいました。
いやぁ、こう言う作品に出会えるので、bl小説を読み漁るのやめられないなぁ…!

受けの優人は天然系です。ただ、自分のことは天然だと気づいていない、しかもなんとかしようと努力する健気系天然君で、これが私のどストライクでした。
攻めもいいですね。すぐに手を出すことなく、優人の無防備な姿に理性で抗い葛藤する様子はかなり萌えました。
お話としては、優人と攻めの乃木の恋愛模様、優人の人間として作家としての成長が描かれているのですが、どれも面白かったです。
優人の書いた作品、読んでみたいなぁ笑

女性がお話にかなり影響する形で出てくるので苦手な方はご注意を。

挿絵もお話の雰囲気にピッタリで良かったです。
いやぁ、面白かった。

1

好き避け・・・意外にこの気持ちが解る(笑)

人気作家と作家志望の青年とがちょっとしたきっかけで出会い、
作家はどこか危なっかしい青年がイラつきを覚えながらも気になりいつしか弟子と
言う立場で半同居しながら、どちらもかなり不器用な、それでいて、苦しくなるくらい
恋をしているような、タイトル通りの作品でした。

受けになる作家志望の優人は、本人は普通だと思っているのですが、
周りからみたらかなり危なっかしいタイプで、更に衣食住や感情面において
かなり天然気味な淡泊さんなのです。
情緒面がどこからか育っていないのではないかと思うくらい感情の起伏が少ないけど、
真面目で優しくて人当たりは良かったりするのです。

そんな優人が酔って財布も無くした時に偶然出会い、特に面倒見が良い人では無い
作家の室井は、顔色も悪かった優人に声を掛け、はっきりしない物言いが面倒になり
このまま凍死されるのも目覚めが悪いと思った理由で自宅に一晩泊め、
面倒ついでに自宅まで送るが、そこで優人を待ち構えていた半ストーカー女性と
もめている現場を見て、またしてもイライラしながらもお節介のように
自宅に連れ帰ってしまい、そこで初めて室井が人気作家で自身も作家を目指していて
いきなり弟子にして下さいと頼みこむことから始まる付き合いです。

この二人、特に優人にとっては無自覚天然でいつの間にか恋が育っていた感じで、
そこまでいくにも、かなり遠まわりしながら、人に言われて気がつくくらい自身の
感情にもニブイ人なんです。

それでも真面目で料理でも壊滅的に下手なのに、それでも一生懸命頑張る姿に
室井は初めはイラつき怒り、次第に呆れから同情、絆される感じで、
懐き始めた雛みたいな気持ちから次第に肉欲を含む思いになって行きますが、
相手が男で小説家志望と言う事もあり、可愛い弟子だと思い込む努力をしてます。

どちらも不器用なので、すんなり相愛ハッピーになるまで双方とも遠まわりして、
相愛になったと思った後も、優人の「好き避け」なんて行動ですれ違ったりします。
でもこの「好き避け」って何となく解りますよね、好き過ぎて相手が気になるけれど
傍に寄られ過ぎると逆に逃げ出したくなるくらい恥ずかしい思いを抱いたりする。
初恋にはありがちな現象の一つだとニヤニヤしちゃう展開で楽しかったですね。

6

帯買い!

ハイスペック攻め×ヘタレ健気受け
表紙買い、タイトル買いなどはあるのですが初めての帯買いでした。

タイトル通り、とても「不器用な恋のあらすじ」でした。
おふたりの出会いから思いが通じ合うまでが細かく描かれていて
読んでいてずーっとキュンキュンしました。

怒りっぽいけど器の大きい攻めさんも素敵だし、
計算のない純粋さでいっぱいの受けさんもかわいかったです。

恋愛は相手あってのもので、障害もたくさんあるけど頑張らないとね!
という所をすごく丁寧に表現されていたと思います。

個人的に、思いが通じ合った後のラブラブ+アルファがもっと見たかったので
萌*2で。

3

とってもシンプルなあらすじ

最初から最後までドラマチック!なBLではなく、なんというか本当に『AさんがBさんに恋をした』でいい意味で締めくくれる穏やかな作品。
受けが稀に見るピュアっぷりで、この子はよくここまでこの純粋さを維持できたなぁと、こりゃ、攻めも対応に慎重になるはずだわ…という感想です。
中盤から受けが攻めを好きだという描写が多く、あれ、これ、受けの片想いをひたすら追っていくのか?と思ったのですが、きちんと攻めの心理描写もあったので、両片想いだなぁ、可愛いなぁ、襲っちゃえよ攻めさん、とにまにましました。
最後までスルスル読むことが出来、日常に疲れて荒んだ気分が温かくなる作品でした。

3

とても印象的なお話でした。

登場人物の描写がとても面白くて、良くも悪くもずっと記憶に残る作品だと思います。

特に受けの優人。
あとがきで「普通の子」と書かれてあって、どこが?!と思いました。
捉えどころがなくおっとりした雰囲気で”草食系”ならぬ”植物系”。
会話や行動がいちいち斜め上にいきがちで、個人的には超がつく天然に見えました。
それもこれも優人は自分を含めた人間というものに無関心であるため、社会性が若干乏しいようです。
名前のとおり優しい青年ですが、それは他人に無関心であることと自信のなさが起因する「害のなさ」であったりもします。
欠点ではなく個性としての面白さを感じ、これがどうBLに発展するのかとても引き付けられました。
そんな優人が一人の男性に強く惹かれていく過程がすごく面白かったです。
そのきっかけが唯一の生きがいである小説だったというのも説得力を感じました。

周りの人間からすれば優人は「放っておけない」「構いたくなる」人物らしく、攻めの乃木も優人の魅力にハマっていきます。
乃木は売れっ子小説家で人格的にも優れているように見えますが、その一面だけでなく優れているからこその傲慢さなども描かれていてやはり印象的な人物でした。

優人視点と乃木視点が交互に入り2人が心を通わせていく過程は本当に面白かったのですが、乃木が優人に恋心を抱き執着する過程がよく理解できませんでした。
というのも、私が男性的な魅力を優人に感じていないからだと思います。
正直、乃木が心も体もあんなにのめり込む要素が優人のどこにあるのか分からなかったので、そこの部分だけお話が性急に感じました。

当て馬として女性が複数登場しますが後味の悪い絡み方でした。
みなそれぞれの事情や葛藤があるにしろ、傷つけたのならばお互いフォローしてほしかったです。

印象的で読み応えがあってとても引き付けられたお話でした。
BL的にはあまり萌えませんでしたが、優人の成長物語としては文句なく面白かったです。

3

人を好きになるって何だろう?

割とドライでハッキリと物を言いバッサリ切り捨てることができる人気作家と、人当たりも良く、気遣いしすぎるほどに優しい、しかし人の心の機微(特に恋愛)がわからない小説家志望の男性の出会いにより展開されるお話。
それぞれの視点にたった描写がなされ、心の内が大変によくわかるようにできていました。
主人公も他の登場人物達も浮世離れ感はなく、現実でいそうな感じ。
彼等の心情は等身大で誰もが持っている部分なのかもしれないと思う。そんな部分でちょっぴり共感を呼ぶお話でした。

乃木が作家の集まりの二次会の席を抜けだした時、そこでベロベロになるまで酔っぱらわされた男性が彼より先に店を出ていたのですが、道の途中で彼がうずくまっているのを見つけます。
思わず声をかけ、彼はそれを遠慮するのですが実は財布を失くし困っていたのです。
仕方なく彼を家へ泊め翌日送っていくと彼の家の前にはストーカーらしき女性が待っていて、面倒な事にまきこまれたら困るという気持ちとこのまま置いて行ったらという心配のせめぎ合いで腹が立ってきて、その彼をしばらく家に泊まらせることにします。
その彼は作家志望でバイト暮らしをしている優人といい、乃木が人気作家の室井と知ると弟子にしてほしいと言うのです。
こうして、週に何日かアパートに戻る日があっても乃木の下で一緒に生活する日々が始まります。

この優人、自分に関しては大雑把で結構ズボラな感じが、それは食生活について見受けられます。
しかし、気遣いは出来る人で乃木の家で居候させてもらうのに、タオルまで自前を持ちこんで律儀に線引しようとします。
食事は優人の分担となるのですが、乃木の文句にそれなりに対応して少しずつ成長していきます。
バイト先でも、面倒な事を自ら引き受けたりとそれは決して人のためじゃなくてどうせやるのであったらと、食生活がズボラと先に書きましたがある意味合理的な部分じゃないだろうか?と思うのです。
彼が優しすぎる弊害が、最初に登場したストーカー。
付き合う気持ちもないのに、嫌いじゃないからと相手を傷つけない言い方をしていたら、そりゃ相手も期待してしまうというもの。
その後、優人の事を好きだと言ってくる女性が現れるのですが、その時も特別な感情がわいてこないのに結果、彼女を傷つけることになってしまうのです。
丁度その時、乃木に対しての気持ちの変化が現れている時だったので、彼にとって恋愛感情というものを考え覚えて行くいい出来事になっていたと思います。

また乃木ですが、冷たい人かな?と思いきや案外に優人といい距離で、まっとうな態度を示していると思われます。
優人が作家志望と聞けば、書いた原稿を読んでみたり(けちょんけちょんに言いますが)欠点を指摘したり、結構ズバっとモノ言いをするわりに面倒見がよくてそれは意外でした。
しかし、彼の恋愛面はドライで女性とは遊びで付き合っていて結局女性の気持ちをないがしろにしていたのですよね。
この女性の存在が優人を目覚めさせるきっかけになるので重要でした。
最後放置プレイかと思ったらいい人でよかったですw
そんな中、一緒に暮らす優人が天然風味ながら頑張って一人で悩んだり苦しんだりする姿も見て、放っておけない感情を持つようになっていたというのはわかります。

この二人の気持ちが近づいていく様がとてもよかったのですが、相思相愛の瞬間はちょい早急すぎてビックリでした。
唐突に駈け上った優人のテンションに!
だからでしょうか、一度身体を重ねてよかったね、恋人になってというその後が何故か面白いのです。
マックスで上がったテンションが一気に落ちて、誤解により乃木が優人を遠ざけてしまうのです!?
まあ、それだけ乃木が優人を好きになったということではあるのでしょうが、真剣に相手を思う恋愛については乃木も初心者だったということかもしれないですね(笑)

切ないとか苦しいという片思いではなくて、恋心とは何だろう?と考えさせられてそれをゆっくり見せられたお話だったような気がします。

7

AさんがBさんに恋をした

↑という大変シンプルかつピュアなお話で
恋に落ちるささいなきっかけ、自分の気持ちに気付く過程などの紆余曲折をゆっくり追っていく感じです。
また、作家の話ということで登場人物が語る作家としてのポリシー、文章に人柄があらわれるエピなど、興味深く読みました。


作家を目指し、偶然知り合った人気作家の乃木に弟子入りする優人。
名前のとおり誰にでも優しいけれど、自分から人を好きになったり深く付き合うということに関心がなくて、その性格が文章にもあらわれています。
心理描写は苦手だけど、人物の住む部屋や小物の描写は非常にイキイキしている。
そんなトリッキーな作風でしたが、作家としても憧れていた乃木に恋をすることで、心理描写に特化した大変熱っぽい作風にガラリと変わってしまいますv

乃木は、最初の方こそ、天然で優柔不断で料理オンチの優人に怒ったり、ツッコミ入れたりしてましたが(このへんのやり取り、某クラシック漫画を思い出しましたw)
健気にがんばる優人を可愛く思い始めてからは、キャラ的にずいぶんヘタレになったような?w
自分の気持ちに歯止めをかけるため、優人に彼女をつくらせようとしたり、恋人になってからは、優人に影響されてか初恋のようにドキドキしてたり・・・
仕事が忙しいのを口実に冷めた恋愛しかしてこなかった分、本気になると一気にタガが外れるタイプかもしれませんw


女性とのシーンが結構あって、
乃木はセフレと普通にヤってるし、優人は未遂だけど二度も女性に押し倒されてますw
出てくる女性はみなそれなりに積極的だけど(優人が草食すぎるとも言えるw)、去り方は潔いので、そんなに嫌な感じはしませんでした。
二人が、女性と過ごすそういう場面と比較して、同性であるお互いへの恋心を自覚していくような展開なので、まあ必要だったのかなと思います。
セフレさん×優人の現場に乃木が突入して、修羅場になると思いきや
二人のラブラブの前にエアー化するセフレさんは可哀想でしたがw


あと気になったことといえば、
地の文での説明処理が多くて、もっと登場人物の視点で読みたいな~ともどかしい箇所が結構ありました。
初エッチ後のぎこちない日々とか、ナレ処理じゃなく本人達の視点で見たかった!w
(絡みシーン自体は、喘ぎ台詞一切ナシで、どこをどうされて~の説明も極力省くことで、優人の余裕ない感じが伝わってきてよかったと思いましたv)

説明描写が多いせいか、キュンとするはずの場面もやけに淡々とした印象を受けますが、ストーリー自体はすごく可愛くて好印象の作品でした。

4

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