上海恋戯(新装版) 

shanghai rengi

上海恋戯(新装版) 
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×20
  • 萌2
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
2
得点
7
評価数
4
平均
2.3 / 5
神率
0%
著者
水月真兎 

作家さんの新作発表
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イラスト
水名瀬雅良 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
価格
¥571(税抜)  
ISBN
9784861346323

あらすじ

大正11年、秋。平民出身で海軍大尉の真純は、皇族である高月宮の部下となった。生真面目な真純とは正反対の自由奔放な高月宮に最初は苛立ち呆れる。しかし、高月宮の深い孤独を知り、隠された優しさに触れるにつれ、次第に彼に心惹かれていく真純。そんな折、高月宮は上海での任務を拝命する。二人で上海に向かうと、そこに待ち受けていたのは、高月宮に恋をする高貴な女性で……。

(出版社より)

表題作上海恋戯(新装版) 

高月宮明人 皇族海軍少佐 32歳
来栖真純 平民出身の海軍大尉 28歳

その他の収録作品

  • 新橋哀歌
  • あとがき

レビュー投稿数2

決定打さえあれば・・・

07年リーフ出版から出た作品の新装版(書下ろしあり)。

愛し合う二人の甘い雰囲気や、上海の異国情緒など
素敵なところも多いのですが、
出会って間もない二人がなぜこうも熱烈に愛し合えるのか、
経緯不明のままどんどん盛り上がっていく展開にちょっとついていけませんでした;

あとがきに
攻の空虚感、飢餓感を埋められるのは受しかいなかった・・・とありまして
確かに、一匹狼の攻が受にだけ見せる執着心や
それを受け止めたいと思う受の心情は、作中で述べられてはいます。
しかし、言葉が並んでいるだけで
具体的なエピソードに乏しく、なぜ互いじゃなきゃダメなのか伝わってこない・・・
「愛している」とか、全体的に言葉が上滑りしているだけの印象が??
作者さんの頭の中にあったであろう登場人物の心の推移を
もっと感じられたら面白い作品になったのになと残念です(偉そうにスミマセン;)。


あらすじとしては、
男爵家に嫁いだ姉の名誉のため軍部で優秀な成績を修め続け、
平民出身の出自を侮られながらも28歳の若さで海軍大尉にまで上り詰めた真純(受)が
男色家で変わり者と噂される少佐・明人(攻)の部下となる。
(上層部から、社会主義者と親交があるとも噂される明人を偵察するようにも言われてます。)
明人は、任務もそこそこに芸者遊びや剣の稽古など自由奔放だが
皇族出身なのに平民の真純や姉にも優しくしてくれ、真純は徐々に惹かれていく。
周囲に敵だらけの明人の身を案じ、
ロシア人と会うための上海行きに同行すると申し出る真純に
明人は身体を要求してきて・・・という話。


明人は実は苦労人で、
両親の離縁後、親族から疎まれて育ち、今も海軍内で遠巻きにされている。
この「幼い頃の苦労や、周囲からの孤立」という共通点はある二人ですが
明人が一目惚れし、
真純が明人の命を守りたいと思うほど惚れる理由としては弱いかなと。
同じような境遇なら、
後半登場する悲劇の女性イリーナ
(ロシア・ロマノフ家の血をひく女性)の方が相応しい気が。
「自由の国」を夢見るも生まれた国で生きる決意がある明人には、
平民の境遇を受け止め頑張っている真純が魅力的だったということでしょうか。
でも、イリーナの過酷すぎる運命は根性でどうにかなるものでもないので、
「真純じゃなきゃダメ」という決定打に欠ける気がするし、
イリーナの迎えた結末を思うと、理不尽さが…。


大正時代らしい風俗描写、寝台列車での情熱的な濡れ場、書下ろし後日談のイチャイチャなど、情緒ある甘い雰囲気は好みですが
真純が上層部から受けたスパイ任務などの軍部内の話どこいった?とか
細部が気になって入り込めないのが口惜しい作品でした。

1

自由と義務の狭間

身分差ラブのチョイシリアスチックなお話。
平民出の海軍大尉で誰もが認める美貌を持っている強気な真純と皇族でありながら
何かときな臭い噂がある美丈夫の少佐とのラブなのですが、オレ様気味の高月宮と
上司と部下でありながら出会いからかなり反発する真純。
本来なら平民での真純は声すら掛けてもらえな恐れ多い相手なのに、
皇族の宮様だと言う事をついつい忘れてしまうような軽さと気安さで気がつけば
内々に軍からスパイ行動を仄めかされていた真澄が高月宮の事を知る度に誠実な
部下であろうと思える程の信頼が芽生える。

皇族故に、国に利用され、本当の意味での自由が無い高月宮が自分のバックグラウンドや
軍の派閥、出世に興味の無い真っ直ぐな真純に惹かれ、ある事件を追う中で深める
愛のお話であります。
時代が制服フェチにはたまらない時代背景、海軍なんて真っ白な制服のイメージが
よぎり想像をたくましくしてしまいます。

1

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