茶鬼
ani no hanashi
昨年出た『告解の死神』の番外同人冊子。
本編の主人公たちであった刑務官の深沢と教悔師の神父・菅谷の1カ月後の姿の話と、死刑囚だった深沢の兄・吉田と菅谷の出会いと過去の話の2本が載っています。
本編、とてもとても苦しいお話でした。
深沢と菅谷の話では、相変わらずの菅谷の姿がありながらも、ひょっとして彼ら基準でものすごく甘いのか?というような話を、
吉田の話では、再び慟哭をおぼえるような苦しい話=父母を殺した話を見られることができます。
【死神と猫】
深沢が子猫を拾ってきて、官舎では飼えないからと菅谷の元へ持ってくる話。
菅谷の情操教育にいいのだと、嫌がる菅谷を無視して彼に預けていくのだが、深谷の夜勤が続いたある日、猫の具合が悪くなる。
どうしたらいいかわからずパニックになる菅谷。
深谷が置いていった携帯電話に必死の思いで伝言を吹き込む。
朝、駆けつけた深谷によると排泄の手伝いをしなかったためにふん詰まりを起こして…
猫なんか可愛いとも思わず怖々の菅谷。
普段、死を隣り合わせの死刑囚を相手に彼らを受け入れているのに、こうした罪のないものの言えない動物に対してはどうしていいかわからない菅谷の姿が新鮮だ。
身体の関係だけだった二人に何もしない日もあり、ただ猫を可愛がって嬉しそうに世話をする深谷の姿があり、彼らの関係に新しい風が吹いたように見える。
子猫は無事里親さんにもらわれていったのでご安心を。
【兄の話】
深沢の兄・吉田の罪の話と菅谷との出会いの話。
彼が母と父を殺すに至る経緯はとても悲壮でした。
再婚によって弟と妹を連れて家にやってきた新しい母親。
弟妹たちは兄に懐き、仲のよい兄弟として、そして年の離れている分彼らを守る兄としての立場がありました、
浮気によって家に寄り付かない父親に次第に壊れていく母親は、吉田に父親を重ね吉田を襲いセックスの関係に持ち込む。
吉田が拒むと弟たちに当たり、あげく弟に手を出そうとさえしたために吉田は人身御供として母親との関係を続けることになる。
そしてある日、妊娠を嬉しそうに告げる母親。
彼女を責める父親との口論のシーンで逆上した母親を止めようとして誤って母親を刺してしまう。
何かのタガが外れた吉田は、父親も・・・そして家に火をつけて何もかも消えればよいと・・・
すでに死刑囚として何年もいる身には、悟っているとはいえいつ来るかわからないその時を待つのは大変に苦痛で、自殺を試みるのですが、それを止めに入ったのが菅谷だったのでした。
それから彼の腕に抱きとめられ、その温かみを感じ、聞いてくれる彼がかけてくれる優しい言葉に、彼は疑似恋愛を見たのかもしれませんが、菅谷を好きになってしまうのです。
何もかも受け入れる菅谷ですので、そうして吉田を身体で受け入れる菅谷。
きっと吉田にとって、母親に奪われた本当は楽しい出会いや友情や恋愛が待っていたかもしれない青春時代を、菅谷で取り戻したかったのかもしれないのでは?と。
何気に、二重螺旋に似ている親子構図が見られます。
こちらも壮絶ですよね。
こうして同人ではありますが、兄の話を見ることができてよかったです。
早く菅谷視点の続編が見たいとおもっているのですが・・・
茶鬼
はじめはじめさま、こんにちは☆
作者さんのtwitterをチェックしていて3月のJ庭で出されていたのを知り、早速購入したのですが、レビューが遅くなってしまいました。
続編に入るかと思っていた兄の話が同人で出てしまいましたが、菅谷視点がまだですから商業は期待して待っていたいと思います。
兄の話も辛かったです(T_T)
二重螺旋のまーちゃんみたいにはなれなかった彼の辛さ、本音の吐露は苦しいものがありました。
是非是非GETしてくださいね~♪
はじめはじめ
茶鬼様、今晩は♪
続編を 首をなが~くして待っておりましたが、
先に同人誌が発売ですか!?
それも、まさかの兄のお話!?
もう気になるどころの騒ぎじゃありませんよ!!
役に立ったボタン、破壊しそうな勢いで連弾致しました!!
レビューして下さり、本当に有り難うございます。
絶対にこの本はGETしますね\(^o^)/