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hidamari no neko
手元置きの本です。何度か読み直し…
何度読んでもやっぱり好きです!
攻 眞分さん言葉遣いが独特さが何故か落ち着きます。
受 潤くん本当に迷い猫?…捨て猫?って感じ
なんだけど真っ直ぐで優しい…
迷い猫の潤くんが眞分さんに拾われて
眞分さんと猫の八千代さんと暮らしていく
その場所が潤くんの「帰る場所」になる。
何処かで読んだストーリーに似てる?って思うことも
無くは無いのですが…この本に流れる雰囲気がとても温かい。
日向ぼっこしてるみたいに、ポカポカしてきます…ココロが!!
何処かにこの二人がひっそり暮らしていそうな
そんな錯覚さえ覚えます(^^ゞ
この作家さんの文章もとても穏やかで優しいと思います。
bl小説ですが…恋愛小説ですね。何かに囚われて迷い
1歩が踏み出せない二人が出会い少しづつ踏み出す準備を
して行く。そこはひだまりの場所なんですね。
また、読みたくなるなぁ〜と
何度読んでも読後にそう思える
私はそんな本です!!
何度も読み返したい本
結城さんにハマってます。
どの作品も(冊数が少ないのもありますが)自分に合うなあと思っております。
今回、数ページの序章と終章が攻めの一人称。
これは他の作品の時にもありました。
胸中をこちらに見せてジワジワと染みさせる結城さんの手法なのかなと思いますが、わたしはまんまとだいたいそこで惹きつけられてしまいます。
ちなみに本文は受け視点の三人称です。
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攻めは妻を七年前に亡くし、そのことをずっと見ない振りをしてきた眞分、36歳。
呼称は『あたし』、胸中とあの最中は『俺』です。
受けの潤は19歳。
大学受験に失敗し、さらにアクシデントでバイトを首になり、そんな時に眞分に拾われ家事と店番をするアルバイトのような形で置いてもらっています。
********************
始め行き場がないという潤は親が亡くなって天涯孤独?とよくBLで展開されるものかと思いきや、母親と再婚相手の義父と暮らしているらしい。
バイトを首になったのは体裁が悪いだろうけれど、それで行き場がないというのも…甘ちゃんだなあなんて思ってしまいましたが、でも、キチンと躾けられている風の好感の持てる受けさんです。
受けは現実から逃避、攻めは過去から逃避というカップルなわけですが、潔いのはやはり若者の潤でした。
ズバッと踏み出したのも、問題と向き合う努力を始めにしたのも潤。
やっぱりねー、歳を重ねると臆病になっちゃうものよねえなどと、眞分との方が歳が近いわたしなどは思ってしまいます。
いわゆるズルイ大人なのかもしれませんが、そういう攻めさんは好きなもので。
潤と向き合うことに腹を括った眞分はやっと奥さんの名前を口に出来て、素である『俺』に戻ります。
この終盤がすごく好き。
こちらは結城さんの作品の中で一番?えっちが少なかなと思います。
でも雰囲気はあるし、年の差の美味しさもありました。
「大人の本気ってやつを教えてやろう」ってのはなんだかキャーとなります。
これでもう少し濃厚ならねえ(笑
結城さんを読みづらいと思うのは、変に小難しい漢字を使われるところだったのですが、この作品にはなかったのではないかと思います。
牡丹餅(ぼたもち)くらい?かな?
今まではちょっとやそっとじゃ読めない漢字も使われていたのですが、スパッとなくなっていました。
これは2013年の作品なのですが、そういう表現は商業誌なのですし辞められたのかもしれませんね。
面白かったです!
前にこの作家さんのが読んでみたいと他の作品を読んだのですが、
読めない漢字の多さに、漢字一つひとつへのこだわりがある方なのだなと好感がありつつも、でもやっぱり読めないので、いちいち止まってしまい…
また文章もこだわりがあるのだなと思うような読み難いものに感じて、
そのこだわりに好感はあるんだけど、でもやっぱり読み辛く…漢字も読めないし…
結果、雰囲気は好きなんだけど、面白い気はするんだけど、好きな気がするんだけど、
やっぱり正直あまりよく解らなかった、面白くなかったっというものがありました。
ですが今回はその漢字問題はあまりなく、
また文章も軽い感じではないんだけど読み易く、読んでてどんどん世界に引き込まれていきました、
作者さんが仰ってたレトロな感じ。
そのレトロなゆったりとした雰囲気の中、
淡々と日々が過ぎていき、その中で自分と向き合いながら、お話が前に進んでいく感じが良かった。
本当日常を切り取った感じ。
日常に近いお話ってたくさんあると思うんですけど、
でも結局は、すごいデキるサラリーマンだったり、着る服に気を遣ったら実はかっこ良くてモテてもおかしくない人だったとか、
なにかしら「実は○○な人」が出てくる気がするんですよね。
惚れるだろーみたいな。
勿論そういうのも読んでて楽しいし、好きなんですけど、
今回はそういうのがあまり前面に出てなくて、
ただその人と一緒にいるだけで心が暖かくなって惹かれていくっというのが好きでした。
後、「わ!きゃ!かっこいい!」っていうクサイ台詞も最後だけってのも好きでした。
「大人の本気」、やられましたねー。
ラブシーンも本当最後だけ、
しかも短いってのが、なんか逆にかっこ良かったし、ドキドキしましたねー。
こういうのもいいなーと思いました。
商業的にはなかなかチャレンジャーな事なんだろうなと思うし、相当腕も必要なんだろうなと思いますが。
なんて事はないお話だと思います。
でもそれがいいってのが良かった。
逆にそれは凄いと思ったし、作家さんの腕がないと書けないんじゃないかなと思います。
もうちょっとこの作家さんの他のものも読んでみようと思います。
本当題名通り、内容も心地よさも。
何度でも読み返したくなる本になりそうな気がします。
独特の漢字使い、独特の文章、の印象が強い作家さん。
今回もプロローグとエピローグを攻め視点、主要の本体を受け視点をいう構成で見せています。
「ひだまりの猫」その題名が意味するところは居心地のよい場所。
自分の気持ちを閉じ込めて、なかったことにしようとする男と、
自分を押し込めて向きあわずに逃げいていた青年と、
そんな二人が偶然出会って、一緒に過ごすことでそれらが溶けだして、それぞれがとどまっていた場所から一歩を踏み出すことができる話。
小路龍流さんのイラストがとても雰囲気があり、猫の絵もその毛並みのなめらかさが再現されていて素敵です。
日々のやりとり、一見とても優しくそして何気ない日常の会話で流れて行きます。
そこの中で主人公が自分の気持ちに気がついていく様はあまりにおだやかで、一読目は評価をしづらいモノがあったのですが、一読して彼等の概要を知って読めたせいか、彼等の気持ちとやり取りの意味、そんなものがスルスルと入ってきて、再読で評価が上がりました。
「いってきます」ただお使いにでただけの妻が事故にあって帰らない人になって7年。
祖父の古物屋”猫の皿”の店主をしている眞分(まわけ)は、妻の命日の朝、駅前で足が止まってしまいたちすくんでいるところを、ベンチにうずくまっている青年に「大丈夫ですか?」と声を掛けられる。
「何をしているのか?」と聞くと「帰るところがわからなくなってしまった」という。
眞分は、墓参りに行けない言い訳に、彼を連れて帰ることにするのでした。
その青年は、城野潤といい、父を子供の頃に亡くし、母親は再婚したのだが、義父は母親の夫であって自分の父親とは思えない。大学も目的もなく行くのがいやでフリーター生活をしている。
義父に気を使う母親への対応に困り、義父への意地で家へ帰れないでいたのです。
こうして、「猫の皿」で住み込みのバイトをすることになるのです。
眞分は36歳なのに、まるで御隠居のような「あたしはね・・・」みたいな口調です。
店は、古い古物を扱う店なら住まいも昭和やレトロの雰囲気をそのまま残したたたずまい。まるで時間がとまったような~
しかし、それには全て意味があったのです。
亡くなった人への想いが強すぎて、いっそそれをなかったものにする。
彼は自分でもわかっているのですが、それは彼の幼馴染で妻とも幼馴染であった吟遊詩人だという明穂にも、変えることはできない。
潤も亡くなった父親にこだわりがあり、自分で殻をつくって閉じこもってしまっている。
二人はどことなく、抱えるモノに似通ったものがあるのです。
しかし、そんな二人が傷の舐め合いをするのではなく、
”古物”というモノを扱うことで、何も知らない眞分の事を知っていくことで、潤は自分には何が必要なのか見えてくる。
眞分も、純の素直で気遣いのできる態度、そしてさりげない言葉に自分を気づかされる。
上手い具合に作用しているのです。
幼馴染の明穂の存在は、かなり大きいです。彼女がいなかったら彼等は進展しなかったでしょう。
この眞分と潤の関係は、潤が先に恋を自覚します。
そして、告白をします。
眞分が、幾分枯れたような男ですので、欲情込みの関係は想像できないのではありましたが、いよいよの晩、その時は「あたしは~」というご隠居言葉はなくなって「俺」という男を示す言葉遣いになっていました。
エッチはいらなかったな~キス止まりでよかった感じもしないでもないのですが、
自分としては、後日談として言葉遣い、着るもの、などの眞分の色々な変化を見せた上でのラブ甘話があったほうが?と思わなくもないです。
この本の舞台だけ、独自の、独特の時間が流れているような、そんな雰囲気を感じるお話でした。
なにか大きな出来事があってとか、アップダウンがテンポよくあるような作品とは
一味違う、淡々としながらもノスタルジックでレトロな雰囲気もある味わい深い作品で
読み込めば読み込むほど心に沁みってくるような話だと感じました。
妻を事故で無くした古物店店主の眞分はヘタレなんて言葉で言い表すだけでは
足りないくらい奥深いところで臆病でしたね。
妻が死んだことを認めていない、それ以上に妻と共に暮らしていた事すら無かったように
妻に関するすべてのものを消し去ってしまいこんでいる。
それは一歩間違えば精神的に壊れてしまうのではないかと思える所業です。
幼なじみの友人に墓参りくらいいけと言われ出かけるが、それも途中で顔色を失くし
佇んでしまうくらいで、そんな顔色を見て声を掛けてくれたのが受けになる潤くん。
この潤君もヘタレ気味で、家族の事で長いことわだかまりを母親や義父に対して感じ
でもそれを言葉にする事も出来ずに逃げていて、いつしか自分の居場所を見失っている。
そんな二人が偶然出会い、まるで猫でも拾うように潤君を連れ帰る。
そこから二人は共に暮らすようになるのですが、潤君は店番や自宅の炊事洗濯家事を
一切引き受けて居候することになります。
二人共に過去に繋がる問題を抱えているけれど、片方は無かったことにしてるし、
片方は問題を先送りして逃げているヘタレコンビ。
それでも二人で過ごす中で、次第に変化は訪れて、初めに潤君が変わり始めて
自分の居場所を本気で手に入れる為に行動を起こし始める。
初めはヘタレな子供かと思っていたら、後半では目を見張るほど度量の深い男前ブリで
年食ったオジサンの眞分のほうが往生際が悪い感じになります。
タイトルは眞分にとっての潤君そのものだったのだと思える内容になっていました。
世間は慌ただしいのに、この二人りはやっと時間が動き出したような感じで
それもゆっくりかなりのスローペース、古物店と言う環境もレトロな感じで
忘れてしまった記憶を呼び起こすような懐かしさも感じさせる穏やかな作品で素敵でした。
妻を亡くし、一人で古物屋「猫の皿」を切り盛りしている眞分と、大学受験に失敗して、いろいろなことに嫌気がさしている青年、潤とのお話です。
いつものように家を出た眞分の妻、千花ですが、そのまま帰らぬ人となってしまいます。その事実は事実として分かっているのに、妻がいるときに使っていたものなどはすべて片付けてしまい、深い記憶の底に鍵をしてしまうのです。
一方、潤は父を亡くし、継父にも恵まれるのですが、どうしても相性が合わず、辛い思いをします。このまま家にとどまるべきか悩んでいるときに眞分と出会うのです。
眞分も見ず知らずの青年をよく受け入れたなと感心したのですが、二人の間に劇的なことは起こりません。何かを無くしたもの同士が集まって、慰め合っているわけでもありません。ただ、家事や店番をしながら過ごすのです。
潤が自分の中にある気持ちに気づいたとき、やっぱりそこは大人の眞分のほうが一枚上手でした。(笑)
なくしたものは取り戻せないけれど、時間を掛けて再び歩き出せるまで、静かなのに温かい雰囲気が好きです。
結城瑛朱先生初読み。
大切な人を失った痛みや、すれ違う思いの哀しみ故に
前を向いて生き生きと歩くことが出来なかった二人が、
出会って共に暮す中で癒されて、止まっていた時計が動き出していく様が、
ゆったりとした味のある雰囲気で綴られる物語。
事故で妻を亡くした痛みを、7年経っても乗り越えられずにいる眞分。
母の再婚によって新しくできた家族の中で、居場所を見つけられない潤。
大学受験に失敗してバイト生活をしていた潤だが、
ある日バイトをクビになってしまう。
家に帰るに帰れず行き場を亡くした潤を、拾って住み込みで働かせる眞分……。
まるで落語に出て来る旦那のような、眞分の独特の語り口。
物干台(ベランダに非ず)で洗濯物を干したり、夕飯の仕度をしたり、
そんなレトロな日常の描写の中で、少しずつ変わって行く心。
期待以上にいい話だった。
最初はしょうもなく見えた二人だが、潤のまっすぐな擦れてなさも好感が持てるし
眞分ののらくらした様と、一転覚悟を決めてからの男っぽさのギャップもいい。
おそらくファンの多いダミ声の猫の八千代さん、
男っぽい眞分の幼馴染み明穂や、香田おばあちゃんなど
脇役も魅力的。
最後はちゃんとそんなシーンもあってBLだったけれど、
これ普通の人と人との出会いと再生の物語でもよかったかもなぁ……
まぁ、そのあたりの好みはあるかもしれません。
*眞分の営む古物商の店名『猫の皿』。
作中でも触れられているが、落語の演目に由来する。
茶店で柿右衛門の逸品で餌を食べる猫を見かけた小狡い古物商。
騙して安く買い叩こうとするが、茶店の亭主の方が一枚上手だったという話。
あれ?古物商ギャフンと言わされちゃう話なのに、店名?(笑)