quintile
the bride
恋が積もると淵になり
そこには嫉妬の蛇がいて彼に近づく者を殺してしまう。
青年ジェシーが主人公の「私」によって拉致され、兄の「花嫁」に仕立てられて犠牲になる話。一見ジェシーの気の毒な事件の裏には「私」の兄に対する特別な感情が存在していた・・。
主人公の名前、知りたかった・・。
「私」の嫉妬は兄が最初の花嫁を紹介された時からはじまる。
ジェシーが兄に意外な結果をもたらしたことでついに自分の気持ちに気づいた「私」は「君は私にはできなかったことをアレンにしてあげた・・だから自由になる方法を教えてあげる」といいジェシーに刃物を握らせて死を迫った。
このシーンが一番怖ろしかったです。 蛇ににらまれたカエルの心境です。
優しいいたわりの言葉や柔らかな動作に隠れている猛烈な嫉妬!!
有無を言わせぬ強制力。すごいですよ!!
気が弱まっているジェシーは「私」の思う行動にでます。
そうするしか選択の余地がなかったから。
これでは何人「花嫁」をもらおうと決して警官の兄は幸せになれない。主人公の「私」の企みがわかったらどうなるんだろう。その後の展開がとても知りたい好奇心があります。
戦うか、妥協するか。
しかしその前に意思が「私」によって見事封じられている感がある。真綿でくるむような愛情によって。思考の力さえ奪われているようなところがある。
すべて弟である「私」に依存させるよう仕向けている力を感じます。
圧倒的な力・・・・愛情なので抗うには相当な精神力を必要とします。
兄弟の禁断愛で濃厚なシーンはありませんが、終わりでは雲行きが怪しい形になっています。
GUILT|PURESUREの小説同人誌。
これも、新聞の記事やニュースで扱うととてもミステリアスな猟奇殺人として報道されるであろう、その背景を歪んだ暗い家族に置き、一人の青年が生贄(花嫁)として捧げられるお話です。
とても痛くて暗い。ぞっとするほどのホラーです。
直接的な性行為のシーンはありませんが、もう背景だけで充分に想像でき痛さが伝わってきます。
「ITW」の世界と同じものがあります。
しかし、その世界はとても自分には魅力的で日本のBLにはないものなので、とても引き込まれるのです。
小説だけに、翻訳が若干直接的で訳者さんの努力もみられますが、ストーリーは充分に伝わりますし、とにかくストーリーの求心力があるので充分に満足できます。
バンドのオーディションに向かうため走らせていた車が故障して困っていた青年ジェシーを拾ったのは、警官だという男。
スタンドまで距離もあり、夜でもあることから警官の家に一晩世話になることになる。
そこに待っていたのは、やけにジェシーに近づいてくる父親と、警官の兄であるアレン。
奇妙な兄と弟の会話が続き、ジェシーはアレンの花嫁になるのだという。
かわいそうなジェシー。
彼は兄弟の生贄になったのです。
しかし、その背景には驚愕の事実がありました!
えっ!?ひょっとして、弟の兄への執着?歪んだ愛情?
そう、ここにはむくわれることのない禁忌が存在していたのです!
弟が家を訪れた後の衝撃的シーンはとてもショックです!!
あまり内容に触れることができません。
まるで、一本のテレビドラマを見るかのように、小説の迫力と挿絵の迫力の両者が圧倒的力で迫ってきます。(だから迫力ね)
ひょっとするとジャンルとして日本でいうところのBLにカテゴライズできないものかもしれませんが、それは「ITW」でも証明済み。
同人ではこうした展開もよくあるものです。
この痛い暗さ、やみつきになりそうです!!
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