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耽美系とかそういう意味ではなく別の意味でBLではなく「JUNE」作品だなあと感じる一冊。
テーマはベトナム戦争に行って帰って来た男達の心の深い傷。
ベトナム戦争を描いた文学や映画は沢山ありますがBLでとなるとやはり珍しいテーマかと思います。
舞台はアメリカ、小さな町に越してきた美丈夫な男・クリス[攻]
彼は妻子持ちですが、ベトナム戦争後のトラウマが原因で妻子と別れて彼だけがその町に。
小さな町だけに彼の存在はその町に住むロック少年・ダリル[受]も知っていてある悪戯をきっかけにして、クリスの家へと通う様になり身体も重ねます。
そして突然フラッシュバックして過去のベトナム戦争の記憶にパニック状態になるクリスを見ておぼろげながら彼の心の傷を知る事となる。
話はクリスとダリルの出会いから始まり、そしてクリスの戦友とその死、そのトラウマ、戦友の兄の精神科医、生きて生還した後に殺された戦友と話はクリスの過去、そして現在を描きます。
最後までクリスの傷は塞がる事はありませんが、希望に繋がる終わり方で締めくくられています。
ベトナム戦争を実体験として知らない若い世代のダリルと、ベトナム戦争を体験した男達。
その対比も何気に上手いです。