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tsumetai koi no daishou
2007年の『涸れない男』を改題、大幅加筆修正した作品。
冷めた主人公が初恋に落ちてどんどんアツく、一途になっていく話で、
俺様な年下×繊細な年上という大変直球で分かりやすいカップリングでした。
攻め視点スキー、成長する年下攻めスキーには美味しい話じゃないかと。
受けは…よく言えば儚げ、悪く言えばナヨナヨしいので好みが分かれるかも。
セフレはいるが恋人は作らない大学生・櫂(攻め)。
「知也」という男が好きらしい大学教授・真大(受け)とは、
行きずりで関係をもち、その後再会してからは、金を渡されて寝る関係。
櫂は、真大の年上とは思えない無垢さ、自分にしか見せない可愛さに惹かれ、
「知也」の身代わりにされることが苦しくなり…という話。
自分では気付いていない一面を、相手により気付かされる2人。
自称・冷めた男の櫂は、真大に「優しい」と言われて驚くし、
男を好きになったり、金で男を買ったりしていることに後ろめたさを感じている真大は、櫂の「綺麗」「かわいい」という言葉に救われる。
また、大学生の櫂にとって、優秀な研究者である真大の存在はかなり大きい。
好きな相手が大人として仕事をする姿を見て、自分の進路を見つめなおしたり、
この人の隣に立ちたいと思ったり…という、年下攻め視点ならではの成長物語です。
そんな、若者を惑わす年上受け・真大は、
櫂を「知也」(片想いの相手)の身代わりにしているのかと思ったら、
実は最初から櫂のことが好きで、つなぎとめるため金を払うと申し出た…というオチ。
両思いだったが、恋愛に不慣れな真大の分かりにくすぎるアプローチのため、すれ違っていた2人でした。
すぐメソメソ泣くし、素の口調は子供っぽいしで、個人的には苦手な受けでしたが、
過去と訣別しようとする意志が、最初から本人なりにあったのはよかった。
ただ真大の、年齢不詳の美人設定は、BLではよくある設定ですが、
リアル寄りな仕事・研究描写の中にあって、ちょっと違和感が。
「女でもめったにいない」美貌とか、「成長途上の若木のような」肌とか・・・
ノンケの櫂が男を抱くハードルを越えるための美人設定とは思いますが、『こんな成人男性いるか??』と、彼のキャラだけファンタジー色が強くて浮いてる感はありました。
【わがままな恋の答え】は描き下ろし。
ラブラブでいいんですが、、、、構成が読みづらい!!!
真大視点の話+(あとがきを挟んで)+櫂視点の話…という順番になっております。
同じ研究の道に進み、公私ともにパートナーとしてラブ甘同居生活を送る2人。
ボードの文字の、2人だけに分からない意味とか…いい歳してかわいい恋愛をしている2人が見られますv
恋愛は面倒だと女に困った事がないイケメンクールな理系男が年上の男に恋をする、
一時の気の迷いのように男を抱いてしまい、二度と会う事は無いだろうと思った相手は
新しく来た大学教授、まさかの再会でそのまま知らないふりをすれば終わる関係なのに、
自分との事など一切記憶に無いみたいなそ知らぬ態度に逆に一夜の出来事を
口にしてしまうイケメンクールな年下男。
この時から既にいつもとは違う感じなのに、あくまで遊びの延長、それもお金を介在した
2時間10万円のオレ様年下男の視点で描かれるストーリー。
一般企業から教授になるくらい受けの真大は優秀な研究者、そんな彼が人には言えない
理由で憔悴している時に偶然出会ったのが、大学生の蓮見。
セフレ同士のいざこざにうんざりしていた時に、全身ずぶ濡れの真大と出会い、
庇護欲と共に何故か被虐心も湧き上がり、男を相手にしたことが無いにも関わらず
2時間10万円で夢を見せると嘯き一夜の関係をもつ。
そして直ぐに大学で再会して、ちょっとした切っ掛けで、真大が1週間に1度
蓮見を金で買うという逢瀬を繰り返すことになるのです。
オレ様な蓮見が次第に真大への複雑な心境が刻々と描かれていて、オレ様なのに
変な所で自信が無かったり意地っ張りだったり、年下だと思う感じもありながら、
真大が、誰かの身代りに自分をしている事が始めは気にならなかったのに、
次第にイラついてきたり、心の奥に痛みを思えるようになる、そんな恋を自覚して
すれ違いから取りあえずの相愛になるまでを描いています。
何故取りあえずかと言えば、蓮見視点で描かれているのですが、本当にオレ様で
相手が研究の分野でも凄い人なのに、素直でないと言うか、意地っ張りなのです。
オレ様は、どこまでいってもオレ様なのだと思える蓮見でしたね。
真大の片思いの相手とのトラブルで悪ぶる蓮見は意外にいじらしい(笑)
書下ろしは真大視点で描かれている内容で、あとがきと称して番外編のように
甘い短編もサービス満点で入っている読み応え抜群の1冊です。
萌えよりの中立です。
どこが悪いわけでもないんけど、あえていうなら可も不可もないような感じでさらさらっと読み終えてしまいました。
というか、おそらく私の「BLでよくありそうなお話だな」とか、「この後こうなるんだろうな」という先入観がいけなかったのだと思います^^;
攻め視点のお話で、それなりにボリュームがあります。
ちょっと真大というキャラの、27歳にして年棒3億の天才学者のわりにぽわんとしている所や、櫂を「優しい」と言って高いお金を出して彼を買い続ける心理がわかりにくく感じました。
抱くけどお金を請求してくる人を優しいと言うかな?と思ってしまったり…。
攻めの櫂は鬼畜にみえて男らしくカッコイイと思いました。
ストーリーは丁寧だと思います。でもその分、ここまでページ数がいる内容かな?とも思いました。
この長さの分にはキャラに対する感情移入が薄かったです。
お金をもらってるから寝ている相手に、今まで本気の恋なんてしたことなかった傲慢な主人公が本気になっていく、というそのモノローグや感情の描写がありきた感があり、さらっと読めてしまい少々物足りなかったです。
ラストに、櫂が真大を無理矢理抱いてると勘違いした真大の親友に櫂が殴られるシーンがありますが、ホントにめちゃくちゃに殴られてるのに早く真大止めてあげてー!と思いました^^;
真大のほうがお金を出して櫂に抱いてもらってるのに、オロオロしてるだけというか、この感じが27歳の男性に見えにくくて感情移入しにくかったかもしれません。
御堂さんの作品は大きなアタリというのは個人的にはあまりないけど、安心して読めるスタンダードな作家さんの一人だと思います。
なので逆に言うとベタだけど王道があえて好き!な方や俺様年下攻めが好きな方には向いていると思います。