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憧れのお兄さまにご奉公?
oniisama niwa naisho dayo
イケメンだけど、人の悪いお兄さま。だから、能ある鷹は爪を隠すよろしく、面倒事を嫌って、まるで世捨て人のように暮らしている。。
しかし、そのお兄さまは父親が外に産ませた子。長兄ゆえ、父親が入院してしまった今、後継者として選ばれるのでは。。と、戦々恐々している次男の秋緒。
何と言っても、この秋緒の態度が『我こそは正統な藤宮家の跡取り』という、プライド高く、小学生か?!というほど幼く、ヒール役にしては何だか小物っぽい。。
しかし、どこまでもその態度だった理由が、『父親に愛されていない母親の子供』という、彼にとっての心の傷の意趣返し。。何だよ、意外に繊細なやつだったんだと、そんな秋緒の味方になってくれるのが、父親の秘書で、やり手の男です。これで秋緒は(私の中で)受け決定!ぜひ、次のお話があるなら、秋緒に『お仕置き』という名の調教もといLOVEを!
と、横道にそれまくってしまいましたが、末っ子の奈津生は、天然の男の子。使用人をしていた母親の再婚で、藤宮家のお坊っちゃまになったわけですが、自分は元々庶民出身の子なので何とかなるはずと、潜入捜査を秋緒に命じられ、母親の為と子供の頃からの憧れだった至輝に会いたい気持ち半分とで、長兄至輝の身辺を探るべく、使用人として働きはじめるものの。。やはり藤宮家のお坊っちゃまとして大切に育てられた年月は大きく、初めは失敗ばかり。。
そして、それでも二度目の失敗をしない奈津生は、持ち前の人懐っこさから、使用人仲間からも可愛いがられ、(至輝には弄られ(というか、セクハラされ)。。)順調に過ごすものの、至輝に自分を偽っている罪悪感で、あれこれ思い悩む。
最終的には、奈津生は連れ子で、至輝とは血の繋がりがなく、そして、秋緒が気にしていた後継者問題は、長兄の至輝に、父親が『後継者になる秋緒を兄として支えてやってほしい』と入院中に依頼していたことが分かり、ついでに至輝が『奈津生をもらう』と、ちゃっかり父親に嫁にする宣言&お許しをもらってしまうという大団円。
まぁ、あとはバカップルになること間違いなさそうな二人なので、やはり次作があるなら次男で!(←って、シツコイ)
個人的には、読んでいて話の展開がある程度予想できてしまうお話なので、ドキドキ感を求める方には物足りない感じがするかと。。ほんわり感はあるので、安心して読める作品でした。
腹違いの兄弟で、幼い時に1度だけ話したことがある兄と弟がもう一人の兄弟の企みで
意に沿わぬ再会を見知らぬ他人、それも長兄のプライベートを探るスパイとして
長兄の屋敷に使用人として潜入する事になる藤宮家の末っ子奈津生と長兄とのラブです。
読みはじめは普通に兄弟の禁忌ものかと思っていたのですが、どんでん返しも最後に
しっかりあり、どこかほのぼのとした雰囲気がある作品になっていました。
この藤宮家は3兄弟なのですが、全ての兄弟が母親が違う家庭で大企業の御家柄。
実は長男は妾腹で、次男が正妻で政略結婚で出来た子供、3男が藤宮家のメイドをしてた
母親の子供だけれど、正妻が既に亡くなっていた事から3男の母親が今の奥様。
しかし、二男の秋緒は家柄の良い母親を持ち、更に政略結婚とは言え母親を裏切り、
その結果の別腹の兄弟をかなり嫌っていたりします。
それでもお家騒動と言うより、どこか子供じみた復讐心や捻じ曲がった感じがあるけど
この次男も意外にはっきり憎めないお人なのです。
それでも、末っ子を苛めている姿は好きになれないかな。
そして長男の至輝は藤宮家を嫌い、一時は奔放な母親から引き離され父の元へ
引取られる寸前だったが、それを断り、別宅と使用人を数名つけて引きこもりのように
暮らしていると思われている。
そして父が病に倒れた事で後継者問題が浮上し、引きこもりで弱みをなかなかつかめない
長兄をスパイする為に、末っ子である奈津生を秋緒は後妻に入った母親の事を脅迫材料に
至輝の所へ無理やり送り込むことから始まります。
14年前に奈津生と至輝は出会い少しの間会話をし、藤宮家の人間を嫌っていた至輝は
小さな奈津生にも嫌いと云い捨てるが、既に秋緒に苛められ泣いていたのに、
更に初めて見る少年に嫌いと言われさめざめと泣いてしまうが、泣かれ困った至輝は
奈津生だけは特別嫌いにならないと告げ、特別と言われた奈津生はそれが嬉しくて、
その日からヒーローにも似た憧れを持つようになるのです。
そんな思いをへし折る様な秋緒の命令、罪悪感を感じながらも再会するが、
慕っていた本物の至輝は傲慢でイジワル、また秋緒とは違った筋金入りのいじめっ子。
弟だと言う事を隠して使用人として仕えるが、坊ちゃま育ちの奈津生は何をしても
ヘマをするが、それでも懸命に仕事を覚えようとする健気ちゃん。
そんな健気ちゃんを苛めてからかい、セクハラを仕掛ける性悪お兄様。
この長兄さまは、初めから終わりまでイジワルで横暴なのですが、恋愛ごとには
思っている以上に不器用で、悪ぶっているけれど本当は熱くて優しい男だと感じます。
いじわるな長兄と末っ子のラブですが、なかなか甘い雰囲気にはなりませんが
言葉にしない優しさやぬくもりがあるように思えるストーリーでした。