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hanafuru kuni no wedding
二人が出会って結ばれるまでの本編と、その後の甘い夜のショートです。
メインの主人公は颯良(受)。母親思いな健気で素直で真面目で、好感が持てる高校生です。
母親の結婚式で訪れた国で、王子様と出会って惹かれ恋に落ち…という王道パターン。紙芝居でめくる前に次の話が分かるような展開で、驚くような内容はありません。しかし、その分安心して読めます。
最近スレた人物が出てくる本しか読んでいなかった私にとっては、最初から最後まで花の蜜があふれるような甘い作品でした。悪い人もいませんし、高校生が王子様と幸せになる話がお好きな方にお勧めです。結婚と言っても女装はありませんし、颯良は女言葉でもありませんので、とっつきやすい気もしています。
王子様が高校生を大切にする話なのに、裏表紙にもなっているカラー口絵はちょっと過激。でもやっぱり甘い雰囲気が漂っていて気に入っているイラストです。
幸せの国の王子様と高校生の運命の恋のお話で幸せの国で代々語られている
幻の花で原種のマリス・ステラが導くウエディングストーリー。
マリス・ステラ、聖母マリアを指す言葉として記憶していたのですが、
今回の話では、海の星と訳す方がぴったりくる気がするのは読み終わった後の感想。
幸せの国として、ウエディングを夢見る人の憧れの聖地アステール、
そこへ、再婚する母親と共に母の結婚式に参列する為に来た受けの颯良。
自身が二人の間を取り持ったのに、いざ結婚式を迎えると颯良は寂しさと胸の痛みを
覚えてしまい、心から二人を祝福出来ない事に自己嫌悪してしまう。
そんな時に結婚式を挙げた神殿で煌めきを纏っているような男性と出会い、
心にくすぶっていた思いを見知らぬ相手に吐き出してしまう。
初めて出会った相手に、子供じみた母への思いを話したことで颯良は今度こそ
両親に祝福を云えるように、幸せの国の幻の花を神殿であったアレクシオスと
帰国までの数日間に探す事になり、その中で徐々に二人の距離が縮まり、
伝説の花を背景にしたロマンティックウエディング。
身分違いの恋で、直ぐには傍にいる事が出来ない二人、一旦離れる事になっての
再会ラブでもありますが、全体的には甘い雰囲気のお話で、イラストの周防佑未さんの
絵柄とはちょっと違うようなイメージを読んで感じましたね。
周防さんのイラストだともっと荒々しいイメージが本編作品にも欲しいところですが
読み始めて終わる頃には違和感が無くなりました。