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ai no sakebi
読んだきっかけは山藍紫姫子さんがたくさん書かれている出版社なので似たテイストで他にエロいのないかなと探していたら、なんと大好きな海外翻訳もののBLがある!と歓喜して早速購入。
1970年にアメリカで発行されたベストセラーで1985年からJUNEで連載されていたそうです。ゲイの作家が自伝的な部分も入れて赤裸々に書かれた作品なので、リアリティ半端ないです。時代背景は第二次世界大戦前のアメリカが舞台なので当時のゲイに対する世間の目とかも描かれ、ゲイ歴史小説という面もあります。
攻めのチャーリーと受けのピーターが初めて出会ったのは21歳と19歳の時。金髪碧眼で双子のように美しい2人は一目で恋に落ち夏休みの間中ニャージャージー州の祖母の家でセックスに浸ります。しかしニューヨークで同棲生活を始めてからは2人の気持ちはすれ違い始めます。
攻めのチャーリーは許しがたいくらい酷いヤツ。世間体や祖母の目を気にして、自分をひたむきに愛してくれるチャーリーを家から追い出して女と結婚します。この女も酷いヤツでチャーリーはのちに大変な目に遭わされますが(局部から流血騒ぎ)、自業自得だザマーミロと思ってしまいます。
対して受けのピーターは見た目も心も美しく、ニューヨークで1番美しい青年・エンジェルなどと周りの男に言われています。チャーリーに捨てられたために一時は男娼のような生活をして色々な男に抱かれていたけど、不思議と清潔さを失わない人。身勝手すぎるチャーリーを最後に助けてあげるなんて本当に天使みたいな人。しかしYMCAに若い男が泊まったら滅茶苦茶にされるなんてハッテン場みたい…と妙にリアルに感じました。
最初のチャーリーとピーターの別れの場面は涙無しに読めないくらい可哀想でしたが、ストーリーは面白くて読み応えがあり読んで大正解でした。チャーリーのお祖母さんが最初は味方みたいだったのに段々ホラーなラスボスになってきて怖かったです。
これ原書では2人の10年後、20年後のストーリーも出されていたとか。くぅーー読みたかったぜ。原書ももう絶版みたいですが、なんとかならないんですかね。モノクロームロマンス文庫で続編出してほしいなあ。
初・翻訳ゲイ本です。
スト―リ―は、
スマートで小利口な攻めのチャーリーが、資産家の祖母の紹介で逢った大人しくて年下美人のピーターとスムーズに恋人同士になるのだけど、自分の将来や世間体とピーターを天秤に掛けて、縋るピーターを手酷く振ってしまってからの転落人生に。
やっぱり性別や世間体より魂のベターハーフが居れば良いのさ・・・という話。
結局ピーターと元サヤのハピエンとなるのだけど、それまでの道草ーチャーリーのズルさや甘さとかピーターの落ち込み時期とかーがアメリカっぽいの、躍起なのね。
チャーリーがそれまでどんなに嫌な奴であろうと、自分第一主義なチャーリー似のもっと力のある脇キャラのチャーリーイジメが余りに痛くてねー、胸がすくというよりも口あんぐり(@0@;)アリャー
・・・そして刃傷沙汰!血まみれチ○コ事件!
ここで、可哀想なピーターが再登場し「捨てる神あれば拾う神あり」で憐れなチャーリーを助けます。
ピーターが居なかったら、チャーリーはグズグズ人生だったろうけど。
作者が、壁を超えずに愛を得ようなんてと、小ズルいチャーリーにお灸を据えたかったのかなって思えました。
本書は答姐でご紹介頂いたタイトルです。(その節はどうも有難うございました^^)
その時に、翻訳本として表現はどうか・・・のようなご注意を頂いたので覚悟はしていたつもりでしたが、やはり日本語の多様な美表現がなく・・・。
読み始めから端的な文章(訳者が勝手に本文を変えられないし)に慣れず進まず、本のブ厚さもあって、心挫け何度か休止・・・。
手に入れた時の「うおおー!」な勢いが早々と失せたのをバラしておきます。
(;一_一)・・・
でも読めてホント良かったですよ!
BL的な萌え~より、男達がキャッキャッとゲイビの様にイタズラしあったり、これアメリカンジョーク?と苦笑したりとか全体的にゲイ交友に在りそうな場面が多く、そこら辺は願った通りでした♪
あとがきを読むと、作者のメリックさんがこの本を出版したのが50才過ぎ。
登場人物の名前や、チャーリーの祖母を作者の母校(キリスト教系)に見立てたり、あちこち作者の背景に近いものが多くて、自叙伝ぽく感じられました。
オヤジのメリックさん、コレが売れてやっと「ゲイですがそれが何か?」と堂々とカムアウトできたんじゃなかろうか?
メリックさんの実生活の恋人チャーリーさんとの付合いが、マイノリティの壁を超えさせたのかなーとか、いろいろ想像しております(*^_^*)
最近になって、ジョシュ・ラニアンが邦訳されていたのでビックリした。
ジョシュ・ラニアンといえば、ゲイが出てくるミステリの作家として成功しているであろうと思われる人。
その源流はといえば、70年代~80年代にゲイの私立探偵を主人公にしたシリーズで好評を博した
ジョセフ・ハンセン(日本でもハヤカワ・ミステリで訳本あり)ではなかろうかと思われます。
一方、本書の著者であるゴードン・メリックですが、ジョセフ・ハンセンや
ジョシュ・ラニアンとは全くジャンルを異にするゲイフィクション作家です。
ゲイであることがもはや空気になってるハンセンやラニアンとは違い、
メリックは社会的立場とセクシュアリティの間で揺れるゲイを私小説風に語っています。
しかも、つかみはカラダだったり美貌だったりしながら
嫉妬や羨望や見栄といったネガティブな感情に翻弄されながらも、最後は愛が勝利する、
そういう意味ではラニアンより数段、BL的だろうと思われますし、
70年代のアメリカではゲイ・パルプフィクションの枠を超え、
純愛&社会派小説としてベストセラーになりました。
70年代~80年代当時と比べると、ゲイが市民権を得た現在、
もしかするとメリックの描く社会とセクシュアリティの葛藤も古臭いのかもしれません。
ですが、同性を愛することと社会との軋轢、嫉妬、あきらめ、絶望感
こうしたものは現在のBL小説でも健在のテーマです。
BL的コードでいえば主人公のチャーリーは一見、強気なセレブでありますが
中身は見栄っ張りのヘタレ、一方のピーターは美人の健気受けといったところか?
BLが多様化した今だからこそ、こういう作品はぜひおすすめしたい。
……ですが!訳者の栗原知代さんには大変申し訳ないが、
いかんせん訳がヒジョーーーーーにマズい!
読みやすい日本語に落とし込めていません。ありえない日本語続出。
原文に忠実であろうとするのはいいが、やはり日本語で読む小説としての体裁に
欠けているので、かなりの脳内補正が必要です。
さらに、版元の白夜書房も何を思ったか行間がギチギチ。
数えてみたら1行45字で1ページ21行。
文庫本BLだと1行41字か42字×17行、新書でも43字前後×17行ってのがおそらくは平均的な組み方だと思います。21行ってのはA5版サイズにしても、ちょっと詰め込みすぎて読みにくいことこの上ない。まあ、イマージュ創刊当時ですからいろいろ手さぐりだったのでしょう。
内容的にはエンタメ性と純愛要素も持っているゆえに、
そうした訳出や装丁で盛大に失敗しているのが残念。
ofnoticeさん、やっと読めましたー>▽<。)))ワーイ
苦節3週間、登頂時の達成感を味わったような~♪
読みにくかった原因は、ソフト・ハードのどちらにも有ったんですね!
流石のご指摘に、なるほど納得です^^
第1段階これでクリアかな?次の翻訳本も控えてまーすv
ご紹介頂き有難うございました!