さよなら

sayonara

さよなら
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神8
  • 萌×215
  • 萌14
  • 中立3
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
8
得点
145
評価数
45
平均
3.4 / 5
神率
17.8%
著者
成瀬かの 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
価格
¥638(税抜)  
ISBN
9784778114510

あらすじ

天木怜也にとって荻生田大成は恋人であると同時に、孤独な子供時代を支えてくれた家族以上の存在だが、近頃すれ違いが続いていた。久々に会えた日、二人の乗った車が事故に遭う。怪我をした天木はしばらく大成に面倒を見てもらうことになるが、連れていかれたのは見知らぬ家で、大成は甲斐甲斐しく世話をしてくれるもののどこか他人行儀だった。キスさえしようとせず、お揃いの指輪も失くしたと言う大成に、天木は違和感を覚えるが――。

表題作さよなら

家が隣の幼馴染で恋人の会社員
26歳,一人暮らしのシステム会社SE

その他の収録作品

  • しあわせ
  • あとがき

レビュー投稿数8

一途な恋愛

最後まで一気に読みました。とてもよかったです。怜也と大成、怜也と青馬、どちらの恋も純粋で一途で自分の幸せより相手の幸せを優先する恋ってやっぱり素敵ですね。特に青馬、小学生ごろから怜也のことが好きで、事故の後遺症のせいで顔の判別ができない怜也が大成と間違われてもいい、触れなくてもいい、傍にいさせてだけで願った青馬を心にきゅんときました。最後に怜也が大成の代わりにするつもりはない、お前自身が好きだって聞いた青馬がどれだけ幸せだろう。ご馳走様でした、とてもおいしかったです(^-^)/。

5

切なくも献身的な愛情が沁みる

これはネタバレなしで読んだ方が絶ッッ対良いです。
攻め受けの情報登録もバレ配慮がされているので既に目に入ってても大丈夫。
(登録した姐様もそのままにしておいた姐様方も素晴らしい…!)

ミステリアス仕立てというか、
異世界に迷い込んだような覚束ない空気感で不安定さがあります。
少しずつピースを埋めていき導き出される"真実"が頭をよぎった時に
もしかしてメリバじゃないか…?と一旦本を閉じてしまいました。
気になるけど読めない、これ以上進むのが怖い、と。
不安を抱えたままのほうがもっとシンドイなと進めたんですが
攻めの献身的な愛情や優しい嘘が切なくて切なくて…!(;///;)

淋しさは拭えないけれどメリバでは無く前向きな未来を感じるお話でホッとしました。
読後の今は「さよなら」のタイトルが後を引きますが心に残るお話でとても良かったです。


※ネタバレなしを推奨しますが、
地雷避けやこんな設定が読みたいと探してる方かもなのでネタバレ感想書きます。
一応ぼかしながら書いたのでわかりにくかったらごめんなさい。


家が隣同士の幼なじみで恋人。
大成と怜也は将来も誓い合ったカップルです。
傍目にみても微笑ましく優しい関係に見えました。
そんなある日2人が乗った車が事故を起こし、怜也は事故前後の記憶が曖昧に…。
大きな記憶障害ではないものの、時折なんともいえない違和感が胸をよぎります。
こと大成に関しては最大の違和感。
姿形はどこからどう見ても大成。
笑うときの癖や、怜也の好みを知り尽くした気遣いなども記憶にある大成まま。
けれど大成らしくない言動も見られて怜也は異世界に迷い込んだ気分になります。
そんな中、少しずつ事故前後の記憶が蘇り…。

目の前にいて怜也に微笑んでくる大成は誰なのか。
また道行く人や上司までもに不可思議な現象が見えてーーと展開します。


違和感の正体がBLあるあるの記憶喪失であって欲しいと願ってしまう(;ω;)
不可思議な現象は怜也の記憶が混乱してただけ。
記憶が元通りになって大成が笑う姿を待ちながら読みました。
…読みました。
…読みました。

うん…、すごくショックなシーンもあったけれど、
第2の大成視点でお話を振り返ると切なキュンが突き刺さるのです。

怜也に本当の自分を見てもらえない、
怜也は自分を通して大成しか見ない、
怜也から本名を呼んでもらえず「大成」と呼ばれる。

それが怜也の為になるならば…と否定せず
大成として接する攻めの献身的な愛情がグッときます(;///;)

また真実を受け入れたときの怜也の嗚咽が痛くて痛くて。。。
前に進むまで少し時間がかかったけれど、キッカケとなった大成との会話は
個人的には非常に良かったと思いました。
現実味はないけれど、物語の中ぐらい夢を見たい…。
大成から告げられる言葉や最後の優しいキスには涙腺崩壊でした。

怜也は大成が消えることに躊躇していたけれど
2人ならきっと大成を忘れず大切にしながら生きていけると思う。
大成が願ったように幸せな未来を掴んで欲しいな。


大成と、もう一人の大成。
見守られてる優しさを感じつつも切ない"さよなら"のストーリーが沁みました。

2

無償の愛

この作品はネタバレしないで読んだほうが絶対にいいと思うので、上記と下記に分けて感想書こうと思います。

全体的な雰囲気について
成瀬先生の作品は、悪魔の〜のリクにしても、獣人アルファの〜のシシィにしても何かしらの痛みを抱えている受けが印象的な作品が多いです。
BL小説あるあるで、不憫、不幸受けが幸せになる話って沢山あると思うんですが、登場人物の心情が成瀬先生の文章にかかると本当にリアルに伝わってきて毎回のことながら切なくて、今回もとても苦しかったです。

不幸、不憫受けが幸せになるハピエンものが好きな私にとっては、今回はちょっと切なさ増し増し、痛み増し増しだったので、辛い方が上回ってしまったんですけれども、総合して、成瀬先生のお話ってハピエンなのになんか痛みを含んだ終わり方というか。余韻を残して終わるので、今作もどっぷり浸かってしまって、読み終わった今、かなり呆けています。



内容の感想
以下ネタバレあります。


今回のお話は読んでる途中で「んんん?攻めは結局はヤンデレなのか?」と最初思っていたんですね。
だって自分の身分を偽って受けのことを抱いてしまうから。
けれども、読み進めていくうちに、そんな感想を抱いてごめんなさい、と言いたくなりました。
もう、痛みを共有した無償の愛。これに尽きます。
その中でも、攻めの愛。もう、辛すぎてあたたかすぎて、言葉になりません。
受けにとっては、大成も青馬も、どちらかが欠けていたら今の自分はないと思うんです。
そして未来の自分も。
青馬はずっと愛をひた隠しにして、与えられた愛や恩を返すのに必死だったけれど、そんな一途すぎる姿に、本当に胸を締め付けられました。
また、怜也の心の傷。これもまた、BL小説あるあるな過去なのにもかかわらず、いちいち胸を突いてきます。
痛みがリアルなので、愛もリアルに感じられる。
そんな作品でした。

0

謎が気になり、ページが進む。

過去と現在が行き来し、徐々に姿を現していく作りになっています。

他の方のレビューを読んだわけじゃなし、事前情報も何もなく読んだため色んな謎が作中に散りばめられており、最初はよく分からなかったです。
一体このお話はどこに向かおうとしているのか、ミステリーなのかファンタジーなのか悲恋ものなのか、はたまた…。

よく分からないのですが、成瀬さんの綺麗な人物描写、読みやすい文章、心を打つ展開にどんどん引きこまれていきました。

この作品はネタバレ厳禁作品だと思います。
事前情報をまったく入れないで読んだ方が楽しめる作品じゃないかと。

むしろ情報無しで一回全て読んでその後、再度読み返すと違う意味で萌える作品だと思います。

特に攻めの献身、身変わりでもいいと本気で思っているところとか、何も文句も言わず怜也の言うことをただ受け止める姿、それなのに時々葛藤する姿とか、雨が降りだした中で川に落ちた指輪を探し続ける姿とか、攻めの献身っていいなあと凄く思わせてくれました。

終盤はこれはやっぱりファンタジーなの?と思う作りでしたが、何も考えずにただ受け止める、この成瀬さんの生み出すこの作品の世界観をひたすら受け止める、これに限ります。
そうするととても綺麗な空気が流れる世界観なので、是非その世界に浸って頂きたいと思うのです。

7

これもある意味ファンタジーなのか幻影なのか

完璧シリアス路線の切なさと苦しみが溢れんばかりに描かれている作品と言う感想。
ネタバレしてしまったら、面白みがすっかりかけてしまうようなシックスセンスみたいで
感想的には作品としては悪くはないだろうと思うけど好みでは無いと言う感じかな。

基本的に、無くしてしまった恋は本当の恋愛だったのか?なんて思ってしまったら
もう、左程のめり込む事が出来ない気がしてしまう。
両親の愛に恵まれず、幼なじみの大成とその家族に可愛がられて、守られてきた怜也。
いつも一緒に傍にいる事が当たり前で、家族的な情愛も感じさせる二人の関係。
それでも大成に求められ、求め、恋人になり、いつか家族にも話して一緒に暮らそうと、
プロポーズのように指輪と共に告げられる。

しかし、それは交通事故により一変してしまう事態になる。
怜也が目覚めた病室、俯く大成の母親、不安を覚えた時に姿を見せる大成。
しかし、二人で事故にあったと聞かされるが、何故か不自然な感じが付きまとう。
それでも、怪我をして、一人で生活出来ない怜也を大成が面倒を見ると連れてきた場所は
怜也の見知らぬ場所で、いくつもの不自然や違和感が怜也の不安を大きくする。

ストーリーのポイントは相貌失認、これが全ての始まりなのですが、その事実を知らない
怜也にとっては、気味の悪い世界に放り込まれた感じでしょうね。
サスペンス仕様に仕立てたらそれはそれで面白いかも知れないなんて妄想するのですが、
あくまでもBL的恋愛ストーリーだから、後半になってのファンタジー的な流れが
納得出来ず、さらに取りあえずハッピーな展開になるのも、どうなんだろうと思える。
それでも前に踏み出すための「さよなら」は絶対に必要だと思うのだけど、
なにやらモヤモヤが残ってしまったと言うのが正直な感想ですね。
純粋な恋愛と言うよりどこか依存的な要素が多く見えてしまうと感じるからかも。

6

本当にさよなら

切なさ全開のお話でした。
凪良さんの『まばたきを三回』くらいまでのファンタジーはありませんが、それに近いモノもあります。
大切なものを失い、それを初めて現実として突きつけられた時、
向いあいながらも忘れられなくて、罪悪感もあって、でもふんぎりを付けて新たな道に歩む。
まさに題名通りのお話。
こういうお話の時、設定がどうのとか、展開がどうのとか、重箱の隅をつつく作業のようになってしまいがちなのですが、それをせずにこれを話として受け入れてなんぼのものだと思いました。
結末を得るために持ってきた色々がどうであれ、純粋に心を打ったのは間違いありませんでしたから。
そして主人公の心の変遷もそうであって間違いないと思うし、自分としてはこの結末に納得をしております。
内容に触れてしまうと盛大なネタバレになってしまうので、書けるのはここまで。

以下ネタバレ含みながらふれてしまいますのでご注意を


怜也と大成の恋愛がどういうものだったか。
ずっとずっと小さい頃から側にいて、怜也の家庭の事情と怜也の気持ちを見てきたからこその大成の愛と、
ずっと側にいてくれて心の支えになってくれた大成への怜也の愛は小さい頃のちょっとしたエピソードしかないけどそれでも結びつきの深さを見せるに充分だったと思います。
怜也が大成と思った”その人”について、それも同様です。
第三者視点ですが、怜也中心の描写の中”大成”の気持ちがメインでつづれることはありませんでしたが、彼の告白と【しあわせ】で充分に知ることができます。
怜也が気持ちにふんぎりをつけるために、ミラクルが登場したのには実は驚きを隠せませんでしたが、
怜也が抱えた病自体も障害といえど、彼の大成を忘れることへの罪悪感も少なからず影響していることから考えれば選択肢の一つだったとは思います。
それにしても、まさかこんな荒技が登場するとは!?
でも、話の流れの切なさマックスを演出するには効果は抜群でした。
こればかりは、他の誰が何をしても(いや充分に”大成”は彼を傷つけない程度にやるべきことはやったし、気持ちも見せたし!)怜也の気持ちが切り替わる他にないですもんね。
ここが気に入らないというより、こういう方法もあり、こういう方法もとれるという作者さんの持っているポケットの多さと感じることもできないでしょうか?(と自分は思った)

冷めた目で懐疑的に分析するのをやめて、素直に受け入れてみました。
とても迷った萌×2に近い萌えなのです。(現在も悩み中)

5

好きな人の為にvs執着

なかなか不思議感のある作品でした。

登場人物は3人。
団地の隣同士で同い年の大成と怜也に、大成の従弟の青馬。
太陽の様な子と寂しい2人の子供。それぞれの執着や愛情が育っていくのです。

受けの怜也視点で進みます。
が、子供の頃のエピソードやある時点までの大成とのやりとりは普通に受け取れますが、病院で目覚めてからの怜也の文章は不思議な空気が漂い、読者は「何か妙」な感覚のまま読まされていきます。

自分はこの後遺障害を知らなかったので想像でしかできませんが、多分、怜也の妙な感覚は、現実の患者そのまんまの世界なのではないでしょうか。
もし自分に怜也と同じことが起こったら……暗い想像しか出来ませんでした。(焦);
だけど、主人公の怜也には大成がいた。
事故後の大成は少し変わっていたけど、子供の頃から自分を守ってくれる・欲してくれる、その現実が怜也をパニックにさせなかったのかも知れない。
ツンデレで冷静で融通が利かなそうな大人の怜也なのだけど、どんだけ大成なんだと、怜也の腹の中が知れるようでして。
このギャップ、なかなかです。

先の方のレビュー通り、途中から大成が入れ換わっています。
どちらの大成にも自分のことよりまず怜也とする・した愛情が読者に伝わってくるので、青馬の寂しい「怜也・据え膳食い」大成の悲し過ぎる「自暴自棄」は、彼らの辛さや切なさがより胸に響いてきます。
其々が愛しい人達。
不思議な感じの文章と少しファンタジーの良いお話でした。

3

やや盛り上がりに欠けた

一風変わった記憶喪失もの。

幼なじみ三人の恋模様。
怜也と大成は恋人同士。朗らかで朴訥とした大成はいつも怜也に優しく、付き合いが長い。そろそろ親にも報告をと婚約指輪を渡された直後、交通事故で帰らぬ人となってしまう。
一方、助手席に乗っていた怜也。その頃の記憶をなくし、相貌失認になってしまう。大成だと思い込んだのは、実はもう一人の幼なじみ、青馬だった。
感覚の違うキス、スマートで金銭的に余裕のありそうな青馬。何か違うと想いながらも大成だとして接するが、というお話。

その後、何かもりあがりがあったらよかったのですが、だんだんと記憶を取り戻し、今度は青馬として認めて愛する、という、半ば予想できた結末で、お仕事の方も詳しく書かれるわけではなく、なんとなくパッとしなかった。

1

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