小説Dear+ vol.49 ハル号(2013年 4月号 )(雑誌著者等複数)

shousetsu dear plus

小説Dear+ vol.49 ハル号(2013年 4月号 )(雑誌著者等複数)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
5
評価数
1
平均
5 / 5
神率
100%
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
発売日
価格
¥686(税抜)  
ISBN

あらすじ

表紙】佐倉ハイジ

「言ノ葉ノ使い」砂原糖子/「パラスティック・ソウル」木原音瀬/「Promised Love ー萌芽ー」和泉桂/「あなたの好きな人について聞かせて」小林典雅/「におう桜のあだくらべ」久我有加/「初恋の歩き方」絢谷りつこ/「神の庭で恋萌ゆる」鳥谷しず/「もう一度君に逢いに行く」紗衣玲於奈/【comic】「Innocent Love ー萌芽ー」駒城ミチヲ/「シネマ☆バンディッツ」大木えりか×山田睦月/「フィギュアおばかさん出張版」カトリーヌあやこ/「Solomon’s 」窪スミコ

表題作小説Dear+ vol.49 ハル号(2013年 4月号 )(雑誌著者等複数)

レビュー投稿数1

読みごたえ十分、季節ごとのプレゼント

大好きな作家さん揃いの『小説Dear+』今号は砂原さんや木原さんの新作も載っていて本当に充実した一冊です。
☆砂原糖子さん~言ノ葉ノ使い~他人の心の声が聞こえるカンナは、同じ能力者であった母親の「神様がこの能力で“聞こえない人”たちの手助けをしてほしいと願っている」という言葉を守り生きています。しかしこの教えは他人の自己中心的な願いの中で自分をすり減らしながら生きることを意味し、カンナの姿は痛々しくて(泣)一方攻のガクタも恩義ある組長の命令に絶対服従であり、二人とも「自分から望み求めることがない」という点で共通しています。ガクタが組長から殺人を命じられ、カンナがそれを阻止しようと初めて自分の願いを優先させ走るシーンはただ涙。そしてラストの一枚、ここでこのページが来るのか!と号泣。あのシュウとカズヨの二人も登場し、『言ノ葉』が大好きな私には嬉しくまた泣けるお話でした。
☆木原音瀬さん~パラスティック・ソウル~endless destiny~前編~ハイビルアのハルは、彼女を心から愛するジェフリーと結婚します。なりゆきで結婚したようなハルですが。ジェフリーの懇願に負けフェードアウトが迫っているのを知りながら妊娠。しかしハルの宿主だったビルアは事故死、愛する妻子を亡くしたジェフリーは抜け殻のようになってしまいます。一方ハルであったハイビルアはアーノルドというビルアに寄生し、近所の男の子という立場でジェフリーを見守ります。その心の中では静かに愛が育っているのですが、ジェフリーはアーノルド=ハルとは気づかずアーノルドの必死の告白も届きません。アーノルドに対し亡き妻しか愛せないと拒むジェフリー、ああ魂はハルなのに切ない!
☆久我有加さん~におう桜のあだくらべ~師匠である藤之助のせいで、ロミジュリ状態になってしまった恵二郎と真吾。二人とも心底落語を愛しており、互いの芸に魅せられていくうちに恋に落ちていく姿がすごく爽やかです。元凶である藤之助師匠も、実はさびしんぼのへそ曲がり屋。でも彼も芸に対しては真摯で一流、憎めない可愛らしい人で。久我さんの描かれる人物は、脇の人物も皆魅力的です。藝人シリーズ『頬にしたたる恋の雨』のリンク作なので、真寿市師匠や瀬島の義理の父と祖父、亀吉など懐かしい人達の若かりし日の姿も見ることができてとても嬉しいお話でした♪
☆小林典雅さん~あなたの好きな人について聞かせて~コンビニバイトで作家志望の路郎をかばい骨折した高校生の蓉平。わびを申し出る路郎に、蓉平は毎日彼の決めたテーマで短編を書くよう要求。この短編大いに腹筋が鍛えられます♪実は蓉平は、コンビニで働く路郎にゾッコンで。大好きな人を格好よく助けたかったのにどんくさく骨折したのでプライドガタガタで路郎に当たっていたという、可愛い青春路線のはずが。ツンをこじらせた蓉平と小説に関して妄想暴走超特急な路郎のせいで、ラブ<ギャグ。でも、典雅節大好きな私には大変面白かったです♪
☆鳥谷しずさん~神の庭で恋萌ゆる~綾人は借金返済のために、犀川と愛人契約を結びます。優しく頼れる犀川に惹かれていく綾人。でもこの犀川―お金持ちで一流の研究者、容姿端麗、性格もよく料理上手、申し分ないキャラなのに超絶こだわり持ちの変態で^^;前作のパンストフェチもすごかったですが、今回の犀川も研究者特有の観察力と探究心を遺憾なく発揮します。でも犀川のおかげで傾いていた実家の神社は息を吹き返し、お互い両想いであることも確認され、すっごく甘々でハッピーに♪
☆和泉桂さんと駒城ミチヲさんの小説&漫画コラボ~同じ話が小説と漫画で同時進行する連載。小説は攻のレオン、漫画は受の七瀬の側から描かれているので一粒で二度おいしいです♪言語の壁もあり、二人ともまだ相手のことが手探り状態。でも前回よりはずいぶん距離も近づいた気が。大変身した七瀬を見せびらかそうとパーティーに連れて行くレオン。眼鏡を外し髪をととのえ美しくなった七瀬を、漫画で味わえて眼福♪大人と子供が同居しているようなレオンと、癒しキャラの七瀬。仕事のできる感漂う執事クリスもいい味を出しています。
☆絢谷りつこさん~初恋の歩き方~新米のシューフィッター悠歩と、幼馴染のサラリーマン隆史。以前隆史に「好きだ」と言われた悠歩ですが、幼かったせいで彼の想いに応えることができないまま月日が過ぎ、二人は悠歩の働く靴屋で再会。成長した悠歩は隆史への恋心を自覚し、大阪に赴いた彼の後を追いかけていきます。悠歩視点で書かれているので、初心で純情な悠歩が可愛くて。無事に初恋は成就、甘く優しい読後にほわり♪自分の仕事に誇りを持ち一生懸命接客する悠歩の姿に好感が持てます。
☆紗衣玲於奈さん~もう一度キミに逢いに行く~理系の大学生七井は、優等生の朝長と実験班のペアを組むことになります。朝長は初めのうちこそ冷たく見えるのですが、思ったことをはっきり口に出す彼の言葉の奥にある優しさに気づいた七井はグングンと惹かれていき・・・実は朝長の方も一年の時からずっと七井が気になっていたという♪幼い頃父と死別し母親も七井を置いて家を出たために、他人に嫌われないよう八方美人になってしまったという七井ですが、事故がきっかけで母親に対する誤解も解け、幸せな未来が感じられ心がほっこりです♪
小説の感想だけですごい量になってすみません。この他コミックやエッセイもあり、読みでバッチリの一冊です(ああ、今号でSolomon’sの終了寂しいにゃ)(それからご存知の方も多いと思いますが今号の『言ノ葉』繋がりで。『言ノ葉ノ花』の番外編が、新刊『恋愛できない仕事なんです』にss『言ノ葉ノ休日<朝>』が封入、<昼>はナツ号で三池さんのコミック、<夜>は祝50号の全サに収録されるそうです)

4

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