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作家買いで、内容も確かめずに、作品集4冊をまとめて購入。
その内の1つ。
『largo』、『明日が世界の終わりでも』、『Witness』の3作品が収録されています。
『明日が世界の終わりでも』は、さらに3つの話、つまりメインCPの『明日が世界の終わりでも』、その友達CPの攻め視点の『約束』、その受け視点の『集い』から成ります。
『Witness』は書き下ろしで、『明日が世界の終わりでも』のメインCPのその後の物語で、微妙に最初の話の『largo』に繋がります。
私、胃がキリキリするような、心臓が掴まれるような話が好きなのです。
まさに、これはそんな感じ。
今まで読んだ中で、ここまでキリキリするものはなかった……。
ベストオブキリキリです。
なので、あえて神評価をつけさせて頂きました。
ここまで心が揺さぶられたのは、木原作品のCOLDシリーズ以来(これも私の中でベストオブキリキリ)。
もうね、痛い、痛い。
こんな激しく痛くて良いのでしょうか?
タイトル横に「閲覧注意」って言葉が必要なのでは?ってくらいです。
『largo』は、精神的な痛さ。
まぁ、これは青春の苦しみってやつで、若いねって、微笑ましく見れる範囲です。
『明日が世界の終わりでも』は、正真正銘、肉体的にも、精神的にも痛い。
究極のヤンデレです。
かなり、人を選ぶ作品です。
心を揺さぶられたい人、胃がキリキリしたい人、心臓を掴まれてみたい人は、是非、チャレンジして下さい。
二つの小説に共通する構成は、【やってしまった➡後悔➡修復】
「ラルゴ」は、音大生の恋。明るくコミカル。
「明日が・・」は、重め純愛物語。題名は、望が玲治に出した手紙
★榎田先生は、トラウマ持ちの心理描写が上手いと思う。
明日は今日と同じではない・・有限で不条理が多い今世で後悔を残さず生きるヒント。
是非読んでみて。
★榎田ユウリの書斎便り https://is.gd/UgP9Rc
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●largo・・音大ピアノ科 美貌のトリオ / 音楽療法
Un Sospiro(3 Etudes de Concert S.144-3) F.Liszt
Jesu,Joy of Man's Desiring from Cantata No.147 J.S.Bach
Largo "Ombra mai fu" G.F.Handel
桜田凛:20才 事情で二浪 六実の美貌に一目惚れ 一曲弾いたご褒美は六実のキス
両親離婚 姉は後天的な聴覚障害 演奏はアレンジ上手
設楽六実:18才 二親医師 六実の演奏は不仲な親の鎹 美貌の秀才 模範的無個性演奏
凛のピアノに天才を感じ嫉妬 浮気
前原朋也:18才 六実に片想い 母はドイツ人 自分の音を持つ 美貌の策士
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【表題作】
▷明日が世界の終りでも (玲治の眼の自傷は謎)
・・美貌の恋人の理解不能な奇行に悩む望・・事件後、城下から玲治の過去を聞く
御厨玲治:27才 プログラマー ジンクス「愛したら失う」に縛られ怖れる
辻堂 望:19才 学生 恋人の奇癖に翻弄 浮気
▷約束・・城下の本気の恋 / 玲治と望のその後
城下あきら:32才 雑誌で紹介の人気美容師 玲治の親友 遊び人 浮気
望の言葉「約束とは、絆だ」で、悠一への気持ちを自覚
森野悠一:現代国語の中学校教師 「毎日電話の約束」を破られ、別れる
▷集い・・城下と別れた後の悠一 / 視覚障害の玲治 点字指導
城下あきら:望の助言に従い、悠一に手紙を出し続ける
森野悠一:中学校教師 ボランティア活動で盲目の玲治と知り会う
玲治と悠一は、喫茶店で談話。
玲治は、「約束」をくれた恋人に「怖くて会いに行けない」
悠一は、蒸発した母の「電話」の思い出と恐怖を話す
▷witness・・40年後 猫視点で視た四人
玲治(還暦過ぎ、プログラマー)と望(役所勤務)は 従弟の件で喧嘩
城下(美容院経営)は、 悠一(教頭)の妹の子と訪問
音大生の凛と六実の恋愛が描かれた『largo』
他の男性に抱かれる様子を視るだけで決して自分を抱こうとしない恋人・玲と望の『明日が世界の終わりでも』
玲の友人・城下が本気の恋をする『約束』
『明日が~』と『約束』のその後が語られる『集い』
そして、さらにその後が語られる『witness』
『largo』は音(聴く)が、『明日が~』は視線(視る)に深く関わる物語です。
初めて読んだ時は『largo』が好きでした。
キラキラした眩しさと甘酸っぱい痛みがあって、これぞ青春!って感じで、凛と六実が才能やお互いの距離感に悩んでいる様子にすごく萌えたのを覚えています。
ピアノ曲が沢山登場するので、知っていれば頭の中に曲が流れるだろうし、知らなければ聴いてみたくなります。文章で音楽を表現するって大変なことだと思うのですが、それに成功している作品だと思います。
だからこそ、間違いに気付いてしまうと、それが気になってしまいました。「ミ#」→「ファ」の音なんだけど・・・とか。「ラ」の音を「A」で表記するなら、表記揃えれば良かったのに・・・とか。
気付かなければスルーできる部分なのだろうけれど・・・それがちょっと残念でした。
『明日が~』は、何だか暗い印象で、初めて読んだ時は正直あまり好きではありませんでした。
だけど今、初読みから何年も経って読み返すと『明日が~』の方が胸に響くようになっていました。
『明日が~』はとにかく痛いです。玲の過去は重いし、玲と望が傷ついていくのは読んでいて辛いし・・・語り手である望に感情移入すればするほど苦しくて堪りません。
でも、読み終わったときには温かい優しい気持ちになれるんです。
玲も望も城下も、みんな不器用です。だけど、好きな人のために一生懸命になれる、根は優しい人なんです。
そんな彼らが、相手のことを想って、歳月と共に互いに愛しみを深めていく様子に、最後はこちらが幸せな気持ちになりました。
この作品は好き嫌いが分かれそうですが、苦手だと思った人にこそ、私みたいに時間を置いてもう一度読んでみてもらいたいです。
明日が世界の終わりでも・・・、明日が世界の終わりなら・・・、その後に続く言葉が胸に刺さると思います。
作品が収録されたこの作品集。
largo
受けの嫉妬心や自尊心が、攻めの存在で徐々に変化する様。明るくていつもヘラヘラとした感じを受ける攻めが見せた激情。ドキドキ、キュンキュンしました。青春だなぁ。当て馬くんとの友人関係が続いたのにはちょっと驚きました。
明日が世界の終わりでも
少々アブノーマルな作品。受け視点で物語が進むため、攻めの心情が伝わりにくかった。ただ、全部読んだ後には、色んな疑問が解消。
約束
作品集の中では一番キュンときた。やっぱり攻め視点で進む作品が好き。遊び人が本命を見つけたときのせっぱ詰まり感たら萌ですね。
集い
↑作品の続きで受け視点。攻めの書いた手紙の最後の文章に泣けてきました。まさかの元々ゲイだったなんて!!
あと、明日が世界の終わりでものカプも出てきますが、受けのキャラ雰囲気が変わった気がする。
witness
書き下ろし作品。まさか、↑タイトルの2カプのその先のお話が読めるなんて!といってもメインは1カプ。飼い猫視点。初め、え?三人暮らしと勘違いしてしまいましたが、読むにつれて正体が明確になり、なんだ!猫かって変に落胆しました(笑)
この一番新しい榎田尤利作品集の作品コンビネーションは今までで一番両極端をいってしまった組み合わせかもしれません。
片や青春の悩み苦しみを通してのびやかに成長していく姿を音大を舞台に描いた【Largo】と、
片や愛する人に触れてもらえない苦しみと、触れられない苦しみがすれ違い痛い展開を見せる表題【明日が世界の終わりでも】と
同じ榎田作品でも、読者の好みと評価が極端に別れる作品が詰め合わせされているからです。
しかしこれも榎田作品なのだと、作品集であるがゆえの組み合わせであり、【明日終わり】がどんなに読者の好みでない作品だと言われようとこれもこの作家の作品なんだとディスコグラフィをつきつけてくるのです。
実は自分はこの【明日終わり】の物語のほうが好きであり、【Largo】は割とふつうの作品だなという印象でよくある、、、という感じしか抱けなかった作品です。
この新装版は旧版を加筆修正してありますが、新に描き下ろしされたのが【明日終わり】の彼らが出会ってなんと40年後!?という設定の『witness』です。
メインカプの玲治と望の姿を、飼い猫視点で描くというように見せており、作中城下は孫を抱えて登場とか、老齢Bl!?となっておりますが読み始めは気が付きません(笑)
ただ、ちょっぴり中身は深刻です。
ゆすり・たかりのように金銭を要求する親類に金を渡した玲治に怒る望という話でそれは、彼らの過去が関連したというものになっております。
しかし、あれからそんなに彼らは生涯をともにするカップルになりえたのかと意外でもありました。
あと、【Largo】において冒頭の入りの部分をかなりわかるように変更がかけてあるのですが、加筆修正にも関わらず凛の年齢を一番最初に1浪とあるのに次に出てくる場面で2浪という感じにあれ?という実に単純な間違いが目に付いた校正漏れでした。
せっかくの加筆修正なのにと思った出鼻のつまづきでした。
全く味わいの違う作品が2本で1冊。
音大生の物語「largo」が一つめ。
これは、音大のピアノ科の同期生が、音楽の才能と恋愛との間で葛藤する話。
爽やかなハッピーエンド。
表題作「明日が世界の終わりでも」は、「明日が世界の終わりでも」「約束」「集い」の3章と「witness」までで一つ。
この表題作が、なかなか無茶な設定と展開でガツンとかましていて、あとの2編でいい話の方向へ持って行こうと、、、。
そもそも、表題作はメインカプが、お互い以外の相手とセックスすることがお話の根幹で、その後、陵辱シーンがあったり、ナイフで自分の目を突いたりって、個人的にはかなり「うぁぁぁ」な感じで、
「witness」は表題作の最初の出会いから40年後の話。これだけが書き下ろし。
結局、それぞれそのまま添い遂げている。犬も食わないような甘甘、だけではないけど、落ち着くところへ落ち着いたのだな、と。
というわけで、それぞれの話が「萌」「しゅみじゃない」「萌2」「中立」「萌2」
そして、全体のトーンとしては「萌」にしてもいいけど、やっぱり「中立」かなぁ。
とりあえず、ストーリーがすごく若いってかんじた。
登場キャラも若いけど、書き手が若くなきゃ書けない話っていうか、
今、若い人にはこの感覚が伝わるかどうかわからないけど、
殊更のように痛かったり、あとから言い訳じみた設定を持ち出してくるのも、
若気が至らなければ出せないような味わいで、
そういった意味では、貴重な作品だと思う。
こんにちは、雀影様。
やまぶきともうします。
『明日が世界の終わりでも』は「largo」が収録されているし、挿絵が藤たまきさんだし、期待していた本です。
「largo」は本当に大好きな作品なのです。(所有してますw)
でも、表題作がどうも私には「・・・ううむ」な内容のようですね。
その作家さんが好きといっても、その作品すべてが好きとはいえません。
実際、榎田先生の作品といえども、私的に「なんですか?これは」な本もあるわけで・・・
「書き手が若くなければ書けない作品」
雀影様の冷静なコメント、たいへん参考になりました。
ありがとうございます。