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「今宵の月のように」シリーズの完結編とでも言うべき作品で、
「噓つきな満月」のスピンオフになる作品の文庫化再販本です。
シリーズの中では「小泉館」の4兄弟よりも意外に好きだったりするのです。
ヘタレで優しいいい人の攻め様と、身体から棘が出ているのではと思える受け様、
でもそうかと思えば捨てられた子猫みたいな様子も見せる、「噓つきな満月」で
お騒がせキャラとして登場した受け様が主役、それに影が薄かった攻め様の意外な
一面を知ることが出来る作品で、個人的には好きキャラなのです。
あの4兄弟が経営する「小泉館」になんで受け様が押し掛けバイトするようになったのか
その経緯も、同時収録の「水に生まれた月」でしっかり解る内容です。
攻め様は女性と付き合っても最長で半年しか持たない、挙句いい人でサヨナラされる
ヘタレさん、でも高校時代の友人への仄かな思いを思い出す度に、もしかして自分は
ゲイなのかもしれないと彼女にフラれたその日に2丁目へ行ってみるような少々トボケタ
行動力があるのですが、行ってみたけれどなんか違うと思っている時に受け様の姿が
目に飛び込んでくる。
まるで自分が理想として想像している姿そのままの受け様は、見知らぬ相手に肩を
抱かれながらも、全然乗り気でも楽しそうにもしていない様子を見て、攻め様は
思わず声を掛けて引き止めてしまう。
そこから、攻め様が邪魔したからと言う理由で攻め様の部屋に一泊の宿を借りに来る。
それがキッカケで二人は同居人として暮らすようになるが、初めに手を出さないとか
恋人関係になるようなことは一切しないと互いに誓っている相手に、お互い心を
引寄せられていくような展開なのです。
そして、受け様の何か訳ありなのに攻め様に嘘をついてまで隠す秘密。
そんな受け様に惹かれ始めた攻め様は、部屋から急に受け様がいなくなるとか、
誰かと連絡を取り合っているような様子に焦りと不安が入り込み、穏やかでいい人が
激情型に変化してしまう様子も必死さが伝わってくるし、その後に恋人でもないのにと
落ち込んでしまうヘタレな所もなんだか可愛い。
社内では仕事もバリバリこなす攻め様がプライベート、恋愛の部分で不器用なのが
何とも言えずツボにハマる。
もちろんツンデレで健気な意地っ張りの受け様もお騒がせだけど可愛いのです。
後半の書下ろし部分では、小泉館の兄弟も参戦してきて、攻め様の勇み足に呆れながらも
微笑ましい雰囲気が伝わってくる内容でほのぼのしていて良かったですね。