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tokubetsu shinryo
以前、あさひさんの『渇情』を読んで
すごくねっとりとした作品をお書きになる方だな!と慄きましたw
今作は小山田あみさんの挿絵だったので
飛びつきました!!
カラー口絵の美しさにうっとりして
さて、物語も特濃でしょう!と
ドキドキしながら読ませていただいたんですけれども…。
過去の恋人の死がどんな風だったのかとか
闇医者を続ける為に心の傷が癒えないまま
好きでもないヤクザの岩切に抱かれる理由とか
ちょっと物足りなさを感じてしまって…。
真敏の元彼が初めての恋人で、好きだったのはわかるんですが
その人物がそれほどの男じゃなかったので
そこが残念というか。
もっと悲しんでもいい様な元彼だったら
真敏のツラさにも共感できたのかも。
あと、“贖罪”と“罪悪感”が非常に何度も出て来たので
真敏がそれに囚われているのはわかるんですが
それだけでお腹いっぱいになってしまったような感じです。
わけありの外国人女性を逃がし、
自らの命と引き換えにしてもいいと思えるなんて…。
もう永嶋のように誰も無駄に死なせたくない気持ちはわかるのですが
そこまで本当に思っちゃうかな?とモヤモヤしました。
なんだか色々すみません。
でも心が伴ったHは甘くて良かったです!
優しい男は大好きなんですが、
岩切はヤクザなのに優しすぎます!!
もう少し非道な部分が見えたらギャップ萌え出来たかもしれません。
ヤクザものはそんなに得意ではないので
あまり読まないんですけれども、
舎弟が受けに懐くというのはとても微笑ましくて好きですw
こういう場合、綺麗な受けタイプですから
仕方ないだろうなー☆
いやー、でも小山田さんのイラストが素晴らしくて
手放せないな、困った!!
本当に美しいです。
お話は「中立」なんですが「萌」とさせていただきます。
全体的には何処かこれは無いんじゃないかなぁ~なんて思える突っ込みどころが
個人的に多々あったのですが、純粋にヘタレ医者と惚れてる相手に優しさ全開のヤクザ、
全てが受け様の為に回っていますってお話も悪くは無いかも知れない。
内容は、恋人が自分には何も言わずに、かなりのギャンブルで借金をしていて、
そのトラブルが元でヤクザものに追われ、怪我をして、日本海の海で亡くなる。
それを知った受け様は、恋人の変化を感じながらも、嫌われたり、言い争いになるのを
無意識に避けたくて、大人同士、恋人のプライベートに口を出さないなんてきれいごとで
全てが手遅れになってしまった事を後悔し、自分が全て悪かったと思い込む。
う~ん、この辺なんかもなんで受け様が??なんて思ってしまうと、先に進めない(笑)
大事な恋人が怪我をして命を落とす事になった時に、外科医の自分が助けられなかった事で
受け様は、亡き恋人と同じように病気や怪我でも医師にかかることが出来ない弱いものや
裏稼業に身を置くものの為に闇医者になる。
それを愛人になる代わりに、診療所を開く手筈や機材もろもろをパトロンとして
攻め様が受け様の面倒を見る事になる。
この攻め様は、元は亡き恋人の知り合いで、大金を貸していた債権者でもあり、
受け様の亡き恋人の葬儀で受け様を見初めたって感じです。
亡き恋人に対する贖罪が、闇医者として生きる事と、望まぬ愛人関係で抱かれる事も
贖罪だと思っている受け様なのですが、攻め様はホントにお優しいのです。
結果的には攻め様に甘えていて、トラブルで集団に強姦されそうになり、
最後まではいかないけれども、性的な事をされた時に攻め様との関係に
自信が甘えきっていて、攻め様に対する気持ちもほんの少し見えたってところが前半、
後半では、亡き恋人の事が過去になりつつあり、攻め様のまわりにもオープンにした、
愛人関係であることを攻め様が知らしめ、姐さん先生なんて呼ばれ、攻め様相手に
嫉妬するようにまでなります。
ただ、なんでしょうね、全てが浅いと言うか、展開が速いからそう感じてしまうのか、
それでも、ヤクザの攻め様が、ヘタレな先生相手に一途な思いを注いでる甘いお話。
ハードなヤクザものを想像してしまうと期待外れになりますね。
ただ訥々と、静かに穏やかに微妙な心の変化を描いた作品かな?と思います。
ヤクザ(といっても経済ヤクザ)と、彼をパトロンにしている自由診療をしている診療所の医師との関係が、ちょっとだけ変化を見せる、
そんな雰囲気系の大人な低温やけどをしそうな熱を孕んだお話。
特にストーリーというよりは気持ちの推移を見せています。
恋人を亡くし、その贖罪からヤクザのイロのような立場で診療所を持ちまるで自分を痛めつけるかのように24時間診療をしている医師・真敏。
医者に見せられないような人間を相手に診療している彼が、わけありの外人女性を逃がしたのを、恨まれ拉致され弄ばされそうになっているところを助けに来てくれたパトロンの岩切。
彼の優しに心が少しほだされて、
【継続診療】において、岩切が周囲に真敏が恋人であることを公表したことで、舎弟たちから「姐さん先生」と呼ばれ慕われる存在になるのですが、岩切の自分の知らない姿に嫉妬して、愛が芽生えていたことをちょっぴり自覚する話。
【寛解】において岩切と真敏の出逢いが岩切視点で
と、3本によって成り立っています。
全部を通して見えるのは真敏が亡くなった恋人にたいして持っている贖罪の気持ち。
医大生のときに己の嗜好を認め合える恋人として出会った年下の大学生の彼氏。
互いに忙しくて頻繁に会えなかったけど、それなりに良い関係だと思っていたのに、その彼がFXや裏カジノに手を染めて、詐欺まがいの投資に失敗してヤクザに追われて亡くなったという、その過去を、自分がどうして恋人だったのに何もできなかったのか?という
それが罪の意識になっているのです。
愛が深かった、といってしまえばそうですが、依存とも思えるし、とても自虐的でネガティブともとれる。
そんな真敏のどこがいいのか?岩切。
というくらい、彼は真敏に優しく甘いんです!
自分のイロにした経緯はラストの【寛解】で語られるので触れませんが、それだけのものを見出すのは、彼の情の深さを自分にほしいと思ったからでしょうかね?
そればっかりは、岩切に聞いてみないとwww
一見生きることに生きがいをみいだしてない風の真敏だけど、医療に関しては結構責任感もあるし、いい加減でしてない。
贖罪といいつつしっかり医者としてやっている部分もあるから、彼は死にたいわけじゃないのはわかります。
感情の面だけが空っぽというのでもない、実に不思議な流されちゃんなのでありますが、それが岩切にとって魅力なのでしょうか?
とにかく、岩切の優しさ、男前ありきでした。
物語性というより、キャラ見せの1冊かと。。。