あらすじ
大学生の空良はペットショップでアルバイトをしている。ある日、仔犬のゲージに張り付いたスーツ姿の男に「よかったら抱いてみますか?」と声をかけると、何を勘違いしたのか男は空良を抱き締めた──空良が愛犬に似ていたから抱き締めたとのたまう鏡という男は、なんと誰もが知る企業の社長。しかも、ひょんなことから鏡の邸で家政夫をすることになってしまって……。
立派だが荒れ果てた邸に一人で暮らしていた鏡。いつも飄々としているが、時折見えてしまう深い悲しみ。いつしか空良は、それを少しでも取り払うことができたらと思うようになり……。