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良彦はバーで知り合った男・渋谷にゲームを申し出る。それは、どちらか先に相手を自分に惚れさせ、本気にさせたら相手を抱くことができる、というものだ。
“別れ屋”を仕事としている良彦は仕事以外のプライベートで、恋愛を楽しんだことがない。だからこそ、刺激を求めて、“別れ屋”を職業として選んだ。
大人でカッコいい渋谷とのデートは初めから、良彦の負けを予感させたが、同時に良彦は初めてキスされた時に見せた、渋谷の冷たい瞳が気になっていた。
そんな渋谷には実は、会社員の顔の他に、探偵という裏の顔があり、以前、良彦の別れ屋の仕事のターゲットであった知佐子から依頼を受けて、良彦のことを調べていたのだった。
知佐子の健気さに、良彦の行為に怒りを覚える渋谷だったが、次第にその感情は別のものに変わっていき……
探偵も別れ屋も、ある意味では人をだまして近づくお仕事。
それがバレた時に、相手がどう思うかは怖いよね。
だって、一回だましてるんだもん、何を言っても信じられない。
良彦は、渋谷がそうなるんじゃないかって怖れてたけど。
結局は、自分が騙されてて自分がそうなった。
そのことに関しての言及は、本文中には最後までありませんでしたが、いくら自分がそうやってても、相手にやられたら許せないんだよね。
それでも、それを乗り越えて、結局二人はハッピーエンド。
一度言って、信じて貰えなかったからって簡単にあきらめちゃいけない。
信じてもらえるまで、がんばらないと!
お互いの気持ちがそこにあるのなら、たぶん、どんな山でも超えられる……と、いいな。