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もっと体の声を聞け。体の望みに裸になれ
energisch sex
エロスを感じさせる表紙イラストと大胆なタイトル、南国を思わせるイラストと
このタイトルなら明るく開放的な恋の話かもなんてあらすじ吹っ飛ばして読んだら
かなり、心理的にシリアスで、亡くなった故人を憂えるような残された者の悲しみや
空虚を感じさせるような内容で、単なる南国ムードの軽い内容ではなかったですね。
それでも、タイトルから感じるエネルギッシュは、生きているからこそだと思えて
読み終えるとなる程なタイトルなのかもと思えるのです。
内容は、血の繋がらない義兄と弟の禁忌を匂わせるような展開で始まり、それを母に
見つかり、そして、その後に南の島に旅行に行った義兄が自殺した事で、
弟の受け様は亡き兄の足跡を辿る旅に出る。
この受け様は自分が兄をどんな風に思っていたのかを理解していない感じで、
南の島で熱中症で倒れ助けられた医師である攻め様に抱かれるまで複雑な感情を
抱いているのですが、攻め様に抱かれた事で、兄への気持ちが何だったのか、
自分自身のわだかまりを突き付けられる感じでした。
そして、攻め様の亡き兄の関係がどのようなものだったのか、知りたいようで知りたくない、
そんな相反する気持ちを持ちながらも、攻め様に抱かれ、快楽を得るうちに
兄が無くなってからどこか心が屈折したまま時間を止めていた受け様が、南の島と
青い海、そして攻め様によって心が解放されていく。
それでも、兄に置いて行かれた苦しさは拭えないと感じてる時に、攻め様から
兄の死の真相を聞き、自殺ではなかったと知る事になります。
傷ついた心を癒してくれるような南の島での日々と過去のわだかまりを消化して
新しい恋を手に入れるまでを、切なく、エロテックに描いてるお話でした。
まさに題名通りのものでした。
セックスによって命を吹き込まれ、愛し合うことで生きる喜びを実感する。
南国の景色を背景に繰り広げられる物語は”兄の死”というものを通して、主人公が出会ったひとりの人間から、その島で出会った人々から愛し合う事の素晴らしさを教わる、そんな話となっていたような気がします。
一之瀬ゆまさんのイラストが大変に印象的で上手く作用しているのですが、惜しむらくは、攻めとなる竜太郎のイメージが、作品から受けるイメージと違うという点かもしれません。(身体はがっちりしてるのに顔が繊細で!?あくまでも個人的印象なので)
個人開業医の次男である優真は兄の優一を愛していましたが、二人の関係が親にバレたその後出発した旅行で兄は帰らぬ人となってしまいます。
兄が亡くなって1年後の夏、医大生になった優真は兄が訪れた島へ赴きます。
そこで熱中症に倒れた彼を救ってくれたのが島の医者である竜太郎。
優真は名前を偽り竜太郎の身内のやっているゲストハウスでアルバイトをさせてもらうことになります。
兄が自殺した真相を知りたい優真は、竜太郎が優一の恋人だったのでは?と勘ぐり、彼の元を訪れ、「オレと寝たいのか?」という彼と関係を持ちます。
優真は依存するように竜太郎とのセックスを欲しがり、また竜太郎も与えますが、その際に命を与えるような言葉を発しています。
元は優真が自殺志願者と勘違いしたのが発端だったが為、このような発言と行動であったのですが、まさにセックスによって生きる希望を取り戻せ、そして俺を愛せよ、と竜太郎の献身を感じます。
どうして優真を好きになっちゃうかとか、色々細かいことは触れられていませんが、割とそのあたりは、「テーマ」優先の物語だなと思えば、さほど追求しなくてもそこそこ大丈夫だったりしますw
優真については、兄への執着と未練と、龍太郎への嫉妬という気持ちが混じった感情がきっかけにしろ、竜太郎の思惑通りに進んでいったようです。
愛する人を亡くす恐怖という部分を、後半のヤマ設定に持ってきて、優真が兄への感情から解き放たれるという設定は、まさか、竜太郎の体験談としてそこまで出しちゃった感がありながら、ファンタジーを見せてでも説得力のあるものではあったのではないでしょうか?
この本には無駄な解説とかあれやこれはいりませんね(汗)
題名が全てを語っていますので。
それにしても、竜太郎を救助した海難救助隊の人や、一緒に救出された人、タクシーの運転手とか、「愛し合えよ」なんて、おおらかでよろしいこと(笑)
タイトルのせいで書店でレジに持って行きにくいところが最大の問題点なのではないでしょうか。
何でしょうね、帯にアナルとか孔とか書いてあっても普段は全然平気なんですが。腐女子の心理は不思議です。
タイトルの通り、エロシーンが多いお話です。
通常のBL作品では身体を繋ぐまでにすれ違いや苦悩、紆余曲折などのすえ、ついにセックスに至る…というのが一般的であり、それこそがBL作品の醍醐味でもあると思いますが、この作品では主人公たちは特に理由もやりとりもなく淡々とセックスを始めます。
まるでそうすることが自然な流れであるかのように。
最初からそんな感じですが基本的に最後まで同じで、挿絵+口絵計11枚のうち、エロシーンでないものはたったの2枚だけです。
潔ささえ感じます。
この作品の良さは、テーマが明快で登場人物も少ないことです。
難しいことを考えずに最後までスラスラ読めます。
心理描写や設定に懲りすぎて難解になってしまっている作品もあるなか、良い意味で単純で纏まっている作品だと思いました。