JAZZ(3)

JAZZ(3)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
11
評価数
3
平均
4 / 5
神率
66.7%
著者
前田栄 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
高群保 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
JAZZ
発売日
価格
¥560(税抜)  
ISBN
9784403520242

あらすじ

「……先生の匂いだ。」
体の熱を分け合うようなアメリカでの生活が終わり、帰国した成沢。しばらくして直樹も帰国するが、日本での生活は擦れ違うばかり。互いの肌の匂いに飢えるように、週末を共に過ごす二人……だがその夜、直樹が倒れてしまう。不安と、肌の下に籠もった熱を抱えたまま、成沢は直樹の両親と対面し――。胸を締めつけるような、前田栄のビター・ラブセッション、待望の第三弾!!

表題作JAZZ(3)

大学やめたらしい
内科医

その他の収録作品

  • あとがきマンガ JAZZの条件

レビュー投稿数2

苦しい恋愛の姿は?

舞台はアメリカから日本へ戻っています。

アメリカではそれなりに自由にやっていた二人ですが、日本へ帰った途端に二人の問題以外にも問題が……
一番はなんと言っても直樹の両親。
特に母親。
もともと直樹の喘息はこの母親が原因。
ありがちな、旦那が無関心ならその分息子へ……の典型的なパターン。
息子は自分の分身だと思っている、浅慮な母親。
そのヒステリーな母親に加えて、ここまではとりあえず沈黙を守ってきた直樹パパ。
ところが知らなかったわけではなく言わなかっただけ。

目の前に二人がいれば言わずにいられない。
「別れろ」と言う矛先は成沢で、でも自虐的な成沢は心のどこかで誰かにそう言われるのを待っていた。
そしてそんな成沢をわかっている直樹は引き留めても無駄だと思ってしまう。
命以外にもなくしたら死ぬものがあると思っていた直樹は間接的な自殺を起こしてしまう。重度の喘息の発作。けれど窒息死の恐怖と苦しさに直樹の肉体は生きる道を選んでしまう。
そのことに絶望する直樹。けっきょくなくしたら死ぬものは命そのものしかないことを自分で証明してしまった。

そこで転んでもただでは起きない直樹(この辺は見方を変えるとターミネーターのように笑えるけれど、話の中では笑えない、むしろ泣ける)

成沢の人格を破壊してでも手に入れたいと直樹は思っていたはず。
けれどこの話の面白いところはそんなに直樹、必死にならなくとも大丈夫ってとこ。
成沢はとっくに直樹よりももっとたちが悪く直樹を手に入れようとしていたんだよね。
そりゃもう無意識と言っていいくらい。
ストーカー体質だったのは直樹よりも成沢だった(笑)
これもツンデレの一種なのか?
成沢は自分の行為が直樹を煽っていることに全く気づいていない天然。
しかも別れを言わせないために(誰かに引き裂かれないうちに)精神的に直樹を縛る方法をよく知っている(でも本人は無意識)
成沢の方がとっくに直樹に執着しているのに直樹の方も全然それに気づかない。
成沢本人もそう思っていない(気づいていない)という究極のすれ違いでここから話は進む。

でも一番泣けるのはこの3巻かな。
精神が自然と自殺へと追い込む直樹の気持ちや、命を取り留めた直樹の『成沢を失っても生きている』という絶望。
失ったと意識するよりは曖昧なままで居たいと誰よりも頭のいい成沢が、狡く愚かな行為を繰り返す。

恋愛って大変。
気力と体力と命まで懸けて……と、悶えながら妄想の中で苦しい疑似恋愛をするのが好きな方にお勧め(笑)

満足度 : ★★★★☆

1

受けがウザいよぅ

やたら悲劇のヒロインぶったことを考えてぐるぐるして、自分だけでなく周りまでひたすら不幸にしてる受けがウザくてウザくて仕方なかったです。
好きなら好きで付き合っていけばいい、嫌いなら嫌いで別れればいい。
なのに、「好きだけど、いつか相手の気持ちは冷めてしまう。今の攻めの気持ちはただの錯覚」と決めつけてるのがウゼー。初恋なんだろうし、もっと盲目に一途に信じれば可愛いものを。
自分から別れを告げたくせに、相手がそれを受け入れたことにショックを受けるとかさ。「やっぱりもう自分に対する情熱的な気持ちはなくなったのか」みたいなことを考えてさ。なんだそりゃ。相手を試したんかい。構ってちゃんにも程がある。
シンプルにいうと、“トラウマを理由に悲劇のヒロインぶって構ってちゃんな行動を取る人間”って、私がいちばん好かんタイプなのですよ。女性作家の作品には多いタイプの主役なんですが、ここまで典型的だと拍手したくなるよ。

障害は親じゃない。
この二人にとったらもう、親、とくに母親なんて障害にならないっしょ。攻めはとっくに乗り越えているわけだしさ。
木原音瀬さんのcoldシリーズを思い出しました。「息子に執着する母親」を描くんなら、あのぐらい説得力をもって描いて欲しかったなァと。
もともと、一巻のときに、攻めがあの母親を簡単に乗り越えたことに若干の違和感を感じてたんですが、三巻になって再び母親を登場させたことで、その違和感がはっきりカタチになりましたね。

一巻は面白かったのになァ。
二巻以降は、「両思いなのにマイナス思考のせいでただ痴話喧嘩してるだけの話」になってるような気が。

0

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

小説



人気シリーズ

  • 買う