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世話焼き×へそ曲がり、年の差ファーストラブ。
ibara no oujisama
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
以下、かなりネタバレレビューしてるので
ご注意ください!!
あらすじを読んで、わがまま女王様な従弟とのラブコメだと勘違いしていた私。実際読んでみたらそんな事なく、本作はかなーりシリアス目なお話でした。
受けの里巳が、静かにぶっ壊れています(自覚あり)。その見た目のせいで昔からトラブルに巻き込まれ、ついには高校の先輩からレ⚪︎プされてしまい…。本編で語られた先輩とのエピソードが後半の受け視点のお話にて、もう少し詳しく書かれています。こちら先輩はとにかく最低だけど、先生はもっと最悪。胸糞悪いです。
ただ、里巳もやられっぱなしではなくて、きっちり先輩に復讐してます。それが救いのように思えたんですが、これって裏を返せば里巳に手を差し伸べてくれる人が誰もいなかったって事でもあるわけで。
ストーカーも何もしてこないならと放っておくあたり、やっぱりどこかネジが飛んでいる里巳。告白後の、タイトル回収にもなるセリフがどこか悲しいです。
そんな里巳の唯一の拠り所は従兄の延博。この延博がすごく良かった!特にラストの延博が、里巳に引きずられる形ではなく、ちゃんと自分の気持ちに素直になって里巳を受け止めていて良かった!
お兄ちゃんでもなく従兄、というのが絶妙な距離感で良いですね。
あと渡海先生は、目を離すと消えてしまいそうな受けを書くのが凄い上手だなぁと感心しっぱなし。
挿絵も含めて、傑作だなぁと思える一冊でした。
好き嫌いで言えばダメな部類のストーリー、ってことはリアル系の話だと言う事。
従兄弟同士の、まさしく茨の道を歩く二人のお話です。
従兄弟同士で、毎年のように攻め様の本家に遊びに行っていた受け様。
3歳離れた、生意気で綺麗な従兄弟に逆らえない攻め様。
それは自分でも気が付かないうちに受け様の事を他の従兄弟たちとは区別して甘やかし
同性なのに、劣情込の感情を抱いていた。
それでも、この攻め様は硬派なタイプで自分の欲望をしっかり押さえつけ受け様を
守る事が出来る精神力のある真面目さん。
受け様は女王様タイプで、その美貌が仇になり、子供の頃から変質者に狙われたり
危険な目に遭った事が何度もあり、誰にでも愛想を振りまけるような子供ではなく、
かなり偏屈で我儘な感じなんですが、憎まれ口を聞きながらも攻め様に甘える。
攻め様が高校生の時に受け様に対する気持ちを自覚した時に、思いに蓋をするように
受け様から距離を取るようになる。
自分から道を踏み外すことが無いように、そして社会人になり再会するのですが、
受け様に過去の受け様への下心ありの思いを言い当てられ、脅迫まがいに関係を結ぶ。
ほんとに不器用な受け様で、好きな相手に対する態度ではないけれど、究極のツンデレで
どんな手を使っても攻め様を手に入れる感じはヤンデレ状態。
過去にレイプされ、周りの大人に傷つけられ、その事が原因で受け様はどこか病んでいる。
でも攻め様と一緒にいることで受け様は救われる感じでしたね。
そして、受け様への思いを自覚してからの攻め様に潔さも男気を感じます。
ほわほわしたよなあまやかなハッピーエンドではないけれど、二人で茨の道を
共に歩いていく事を決めるまでのお話はどこかリアルでせつないけれど、攻め様の
受け様を守ろうとする気持ちがきっと受け様を完全に救ってくれるような気がする
お話になっていた気がします。
渡海さんも、好きな作者さんなのですが、
今回は少しいつもとテイストが違うように感じました。
ストーリーとしては面白いのですが、
個人的に苦手な展開であったことが、
評価が「萌」になった理由です。
BLでは、夢のような「ザ・ファンタジー」な場合と、
地に足がついているストーリーの場合があると思うのですが、
本作は、しっかり地に足がついていて、
だからこそ、少し重い仕上がりになっています。
個人的に、
BLの中ではありがちなのですが、共依存のような展開は、
あまり好きではありません。
だから、本作も、苦手意識が先に出てしまいました。
きっと、この苦手意識が無い方には、楽しく読める作品かと思います。