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otoshiteyaru
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
シリーズ2作目。
で、いきなり辰巳鋭二の危機です。
日本で棲み分け等されながら共存しているヤクザたちの世界、そこに掟無用的にカネだけをむしり取ろうとやってきた中国マフィア・王。
麻薬の巨額取引を持ちかけてくる王に、完全拒否の辰巳。
だが、その直後。歌舞伎町の横断歩道のど真ん中で、龍青や舎弟の中村も付いていたのに拉致されてしまった辰巳…
監禁されて、ヘロインを連日打たれ、王に犯される辰巳!
ヘロインの幻覚で見る夢は、子供時代の悪夢。
辰巳は今でいうところの「宗教二世」。そして集団自殺の生き残り。
そんな辰巳の弱さ、そこから生まれた強さを描き切っていて壮観。
王に飼われている、美しくも儚い、そして独自の芯を持つ性玩具・シャオの哀しみも読み応えあり。
本作で初登場の舎弟・中村の存在感も効いている。
暴力も脅しも殺人もためらわない、だけどクスリだけは絶対に許さない、そして新宿を素人が楽しく過ごせる場所にすることにこだわる辰巳の「新しい魅力」が見える本作。シリーズで大おすすめ!
もちろん、龍青とのアツいアツい信頼関係。
「一緒に死にたい」なんて涙を一筋流す辰巳に…萌えを飛び越して私も涙だわ…剛しいら先生うますぎる。
シリーズ2作目文庫化再販、今回の辰巳さんもやらかしてくれます!
それと同時に辰巳さんの過去の片鱗がチラ見えしたりして更に興味をそそられる。
何度読んでも受け様役の辰巳さんなのですが、男気溢れていて、魅力あるヤクザ。
クスリを毛嫌いする理由も明らかになるけれど、本人が敵に拉致られヤクに侵される。
それでも、強い精神力でこらえる辰巳さんに惚れ直しちゃう。
今回情夫である、安藤が辰巳さんを目の前で奪われるのですが、番犬油断しちゃいます。
シリーズ2作目にしての最大のピンチなのですが、何故か辰巳さんなら大丈夫、
ワンコの安藤さんを一人にはしないって思えるから不思議。
今回は一ヤクザものと対決って言うよりは、日本を守るってくらいの気迫があります。
新興勢力に初めは手を焼き、下手を打ってしまう辰巳さんですが、その後の逆襲は
迫力満点、流石龍を飼う毒蛇辰巳さんなのですよ。
それと敵のペットみたいなシャオちゃんが、とっても哀れで切なかったです。
穢された天使、墜ちた天使なんてイメージがぴったりくるような脇キャラだけれど、
生きていて欲しかったと思えるようなキャラでした。
でも、最後の姿はシャオが望んだ結末だったのかも知れないと感じるけど切ないです。
そして、書下ろし部分が、辰巳さんのしょうも無い悪癖です。
安藤がいるのに、色男に目が無い困ったさん、欲望に忠実過ぎるのですよ。
でもそれ自体がもしかしたら二人のスパイスになっているのかもと思えるのです。
今回もばっちり楽しませて頂きました。
『はめてやるっ!』の続篇新装文庫版は、旧版に書き下ろしの【さとしてやるっ!】が入っております。
このヤクザの辰巳鋭二は自分の理想のヤクザ受けなのです♪
典型的なヤクザのオラオラを持ちながら、強く、賢く、狡く、男前で、淫乱で、嗜虐と被虐の両方を持ち合わせ、彼に男たちは男として惚れる。
今回の話は、彼のその強靭な精神力、強さが見られる話となりました。
また同時に強い絆や、切ない愛の姿もあり、これほど見事に色々なモノがぎっしり満載されているヤクザものは類を見ないと思います。
簡単に言うと ”カッコイイーーー!”
読者である自分まで、辰巳に惚れる男たちの一人となって、嗜虐と被虐を刺激される、とても魅力的なキャラクターなのです。
辰巳の経営する芸能プロダクションのタレントが、ヤクに手を染めていることが事の発端です。
ヤクを憎み決して入れないことをポリシーとしている辰巳のシマで堂々と、取引をしている奴らがいる。
手駒を使い、そのルートの黒幕の正体がわかったとき、辰巳が何者かにさらわれます。
それはヤクの取引ほか様々な汚い手で自分の王国を作りたいと望む、新興のチャイニーズマフィアの王でした。
辰巳を握ることで、組長と取引の餌にしようとする王は、辰巳にヤクを使い、愛人である美しい男シャオに彼の面倒を見させながら、彼をモノにしようとします。
その間にも自分たちの至らなさで辰巳をさらわれてしまったと、辰巳の恋人であり舎弟でもある安藤と、親子盃をかわしている中村は、奔走し策をこうじるのでした。
はたして辰巳を奪還できるのか?
辰巳がヤクを憎む理由が明らかになります。
それはクスリを使われた幻覚になって彼を苦しめますが、彼の強さにただただ感心します!
その強靭な意思は、4日間も薬をうたれて中毒になってもいいほどなのに、精神力で乗り切りますから。
彼が、その身体を押して自ら王を捕らえに行くシーンへの展開はもう、辰巳すげーよ!!と惚れる惚れる☆☆☆
そんな彼だからこそ、大勢の人々が彼に憧れ彼の男気に惚れついていくのですね。
彼が男食いなのは、安藤が恋人なのは承知でも誰も彼を蔑まないのは、彼がオンナじゃないから、男だから。
龍をも喰らう蛇、まさにそのとおりです!
彼は男をつまみ食いするが、安藤ひとすじな点も、男前すぎるよ。
この辰巳の愛と共に、悲しいシャオの愛も見せてくれます。
北の国から逃げてきた彼を拾い、去勢し女性ホルモンを打ち、王の傍らに置かれた男・シャオ。
彼にとって王は絶対唯一の自分の王なのです。
しかし、辰巳は彼を憐れむのです。このシャオの純粋な愛に、王が答えてないことに。
このシャオは最後幸せだったのでしょうか。
ここに切なさもあります。
【さとしてやるっ!】
辰巳が出張で他の男を連れて行ったことで、安藤が嫉妬にかられ不安に思うところを中村が諭す話の中で、中村が辰巳の元へきた経緯が語られます。
そして辰巳が戻ってきて、犬のように尻尾を振る安藤の姿が目に見えるようですが、、、
そんな彼に辰巳は秘密を一つ教えるのですw
それは本編の冒頭近辺で♪
腹心の二人がそれぞれのスタンスで、辰巳に惚れているという話ですw