たまゆまま
nekoneko
受×受がテーマの本です。
『愛を抱く middle oyaji nekoneko』
名倉和希さん、初読みでした。すごい面白かったです。
受×受という設定に忠実にお話が組み立てられていて、「ああ、ゲイの人は本当に自分とぴったりのパートナーを見つけるのが大変なんだな」と思いました。
主人公は35歳、ネコの今村。
彼は逞しい男に力強く抱かれたいというタイプ。
しかし見た目は、自分が運動したらしただけ筋肉がつく体質。
運動をしないと自分の体の調子が悪くなるためジムに通う日々を過ごしている。
抱いて欲しいのに、寄ってくるのは抱いて欲しがる男たち。
そして今回のもう一人の受けは、今村の取引先の28歳の大野。
彼は今村のすごいタイプで、見た目もタイプなら中身も誠実でいい男。
ゲイを嗅ぎ分ける能力のある大野。
大野からの告白から始まり、いざいい雰囲気に。
そこで大野が発した言葉が「抱いてください」。
大野のことが好きな今村は、本当に頑張るのですよ。
終盤は本当にいい展開で、こちらまで幸せになりました。
こんな面白いお話を書く名倉さんの作品をもっと読みたくなりました。
『猫の国へようこそ young nekoneko』
杉原理生さんの作品です。初読みです。
飼い主が「化け猫になってもいいからそばにいてほしい」と願ったため、死んでから本当に化け猫になったクロのお話。
化け猫になり『猫の国』で目覚めたクロを色々お世話してくれたのが、美形化け猫のキリ。
キリに何でもお世話になるのが申し訳ないと仕事を探していると、遊郭の女衒に騙されそこで働くことになってしまうが、キリがかつてそこで働いていたため、助けに来てくれるというお話です。
もう、こういうほのぼの・キラキラした話に何の萌えも感じなくなってしまった年月の重みを感じます。
『partner sirver oyaji nekoneko』
木原さんの作品です。読む人を選びます。
五十台後半、もうすぐ還暦の同期の長谷川と南雲のお話。
長谷川は美形で46歳の若さで社長に就任したやり手。人の心を操るのがすごくうまい。
南雲はその会社の部長でお腹が出ないように日々ジムに通ったりしている、人当たりのいい性格の持ち主。
sirver oyaji なだけあり、白い毛があちらこちらに登場。
夜中に全裸でふと鏡を見れば、そりゃ年寄りにも見えるよ。
そんなことが溢れているお話で、物語の終盤には本当にこちらを裏切ってくれるいい展開!
出来る男がもう後戻りもできない状況にまで相手を落しいれ屈服させる展開、本当に大好きです。
木原さんならではの魅せ方で、本当に面白かったです。
ああ、この本の続編のお話、出てくれないかなあ。
名倉さん、杉原さん、木原さんの「ねこねこ」合同誌。
当初、名倉さんと木原さんの間では「おやじねこねこ」で盛り上がったとか(笑)
杉原さんのところで「おやじ」がとれて「ねこねこ」になったらしいです。
杉原さんは、本物の猫というか化け猫の不思議世界?
木原さんは、当初の予定通り「おやじねこねこ」でさすがというか、木原さんカラーがしっかりと出でいました。
名倉さんのお話は切実でせつない。
私的には、名倉さんのお話が一番好みでした。テーマにも沿っていたと思います。
名倉さん、初読みかも・・・他の作品読んでみようかなと思います。