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海王社文庫「文豪×人気BL漫画家の描き下ろし表紙イラスト×人気声優による朗読CD」シリーズ。
この巻は夏目漱石の小説「坊っちゃん」です。表紙イラストは高永ひなこ。付属の朗読CDの語り手は木村良平。
「坊っちゃん」は明治39年(1906年)に雑誌「ホトトギス」4月号別冊付録に発表された作品。著者夏目漱石が明治28年(1895年)4月から明治29年(1896年)4月まで一年間愛媛県尋常中学校で教鞭をとった体験を下敷きに執筆した作品と言われています。
「親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしている」坊っちゃん(作中では本名は明らかになっていません)。兄とは不仲ですが、下女の清に溺愛されて育ちました。父の死後、親の遺した遺産のうち600円を学費に東京の物理学校に入学。物理学校を卒業したのち母校の校長に頼まれ四国の旧制中学校に代用教員として赴任することになりました。ちなみに担当教科は数学。しかし生徒たちは坊っちゃんが天麩羅蕎麦を4杯、団子を2皿食べたことや温泉の浴槽で遊泳したことを冷やかしたり、同僚の先生たちとはそりが合わなかったりと問題は山積み。坊っちゃんは初めての宿直の夜に何者かから蚊帳の中にイナゴを入れられてしまい…。
文章はリズミカル、展開はテンポよく。映像が見えるような文章で、楽しく読み進められました。何と言っても、坊っちゃんの語り口がこの本の魅力でしょう。有名な冒頭文「親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしている」からグイグイ読ませます。
登場人物も個性的。数学の主任教師「山嵐」、教頭の「赤シャツ」、画学教師「野だいこ」、英語教師「うらなり」…登場する先生たちは俗っぽいですが憎めないキャラクターです。坊っちゃんも子どもっぽくて読んでいるうちに可愛く見えてきました。
イラストは高永ひなこさん。現代風なキャラクターデザインですが、坊っちゃんの爽やかさを的確に表現しています。「坊っちゃん」は各出版社から発売され、様々な描かれ方をしていますが、私はこの高永ひなこ版坊っちゃんが一番好きです。