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『魔法使いの食卓』の続編です。
まさに『続編』ですので、こちらだけでは読めないと言ってもいいんじゃないかと。
前作でうんざりさせられてもう読みたくないというのが本音ですが、纏めて買ってしまったので仕方なく読みました。
とにかくキャラクターが誰ひとりとして好きになれません。
特に仁(攻)が、文字通り気分が悪くなるほど苦手なんです。まだ仁の正体(仕事)も明かされてませんが、そんなことさえ言えない・言ってもらえない恋人って何?
相変わらずダラダラ引き延ばしを図るような動きのないストーリーも、キャラクターが好みで共感できれば楽しめるんでしょうか。
私は『ほのぼの』も『淡々とした日常もの』も好きなんですよ。
でもこのシリーズは『ホームドラマ』を演出してる感じがワザとらし過ぎて、ただただうすら寒くてぞっとしました。
せめてメインキャラクターのラブだけでも興味持てれば違ったんでしょうが・・・
この作家恒例の無駄に(としか感じない)力の入った脇キャラクターが、もうひとり残らず鬱陶しくて堪りませんでした。
たぶんほのぼのを強調するためだろう瞳(受)の弟2人も邪魔で仕方ない。前作レビューでも書きましたが『いっそ幼児にしろ!』と言いたくなるくらいのあまりの幼稚さに呆れ果てました。
こんなに脇に力注ぐ余裕あったら他にいくらでも書くことあるんじゃないの?
こういうところがもう合わないってことなのかもしれませんね。
まさに『読むのがツラい』という表現がぴったり当て嵌まるくらい、私にとっては酷いとしか言えない作品(シリーズ)でした。
仁への気持ちをきっちり認めて受け入れる瞳。
次の職探しは難色を示し、仁には医者になるべく大学に行って欲しいとせっつかれ。
面接はおちるし、かつての同級生は自分が諦めた医者にの夢を叶え白衣をまとっている姿を目の当たりにして、気分はドン底…。
そこに仁の父登場。
瞳は、どこかこの食えない親父が憎めないようで。
うん、わかる。なんか憎めない。
この親父がなんか一波乱起こすのかと思いきや、結局なんもせずだった…。
瞳は仁を頼りにして、大学に行くことを決意。
え、行くんだ。お金出してもらうんだ。とは思ったものの、まぁ話の流れ上そうなるんだとは思っていたさ。
返す意思はあるみたいだしね、うん。
ってか仁が何をして稼いでいるのか謎のまま…次もあるけど、結局分からず仕舞いで終わるんじゃないかと不安です…。
さてさて。
瞳は無事医者になれるのか、仁の正体が明らかになるのか。
次"約束"へと行ってまいります。
あ、弟たち、実は二人の関係に気づいてんじゃないのかなー。
『魔法使いの食卓』の続編です。
前巻で、瞳が高校卒業後六年間働いてきた工場の廃業が決まり、無職となってしまったところからスタート。
受けは前巻同様、三人兄弟の長男で両親と死別してから一家の大黒柱となっている瞳。
攻めは、隣家に少しの間住んでいたことのある仁で、飛び抜けた頭脳の持ち主。
アメリカへ戻って仕事をしてもらいたいと切望されている仁ですが、瞳たちと離れていた間に彼らが苦労していたことを知り、今巻でもそれを拒否し続けています。
お金より名声よりとにかく瞳が大切で、離れていた間も片時も忘れなかった仁は、大型ワンコでとにかく健気。
前巻では少しツン気味だった瞳も、仁がいなくなったらもう立っていられないと認めていて、ひじょうにラブいです。
この作品は何が良いって、何もないところではないでしょうか。
派手な事件も超絶美形も濃厚グチャグチャシーンもない。
変わってるのは仁と仁の父親の素性くらい。
一般的とは言い難い彼らですが、そんなことさえ読中、大きな要素としてインパクトがあるわけではありません。
あるのは一所懸命生きるキャラたちと、心の機微。
瞳の弟たちは小学生で母親を亡くしているので未だに『お母さん』と丁寧に呼び、瞳は高校生だったので『母さん』と。
そんなちょっとした違いに、弟たちが幼いうちに護り手を失っているのだと切なくなる瞳。
こんな小さな言葉ひとつに、想いが隠れていたんだなあとジンワリするんです。
疲れた心にピッタリのBL作品で、本当癒されます。
この巻は、『魔法使い』シリーズの二作目に当たります。
瞳が高校卒業から勤めてきた渋沢製作所は、様々な事情から廃業してしまいます。そして、瞳は二人の兄弟を育てるため、就職活動を行うこととなるのです。
仁は、早くから瞳に「医者になってはどうか?」「学費なら自分が負担する」と持ちかけるのですが、その仁の持っている多額のお金はどこで、何で稼がれたものなのか全く分からないのです。
頑なに断る瞳ですが、仁は、『瞳が行こうとしている際は、瞳が居るべき場所ではない。』と言うのです。私はこのシーンを読み返す度に泣きそうになるのです。ひとりではどうにもならないことでも、この二人なら、仁ならどうにかなるのではないかと思えるから不思議です。こういうとき、「この2人はきっとどんなことがあってもずっと一緒に居る」と思ってしまうのです。
夏、渚がバイトをしている海の家で、仁の父であるエドワードと会うのです。それから、エドワードは仁が何をしてるのかがだんだん明かされていくのです。
この巻でも、前巻と同じく、ポールの手土産、おいしい差し入れが描かれています。
ポールがアラベスクという有名店のケーキを穂波家に持ってくるから、ハイエナである渚、薫の争いが始まります(笑)まずは瞳ががっつくふたりを叱り、その次に仁がポールに嫌みを言い、そして、瞳が最後に3人まとめて叱るという穂波家名物とも言えそうな場面が登場します。瞳と仁だけではなく、周りの家族や人物を描いているところも読み応えがあります。
瞳の決心が一段落したところで、最終巻へつながっていきます。
前作からの続きです。
瞳の勤める製作所が閉じられることになり、瞳は就職活動を余儀なくされます。
援助をするので医師になるために大学へ行って欲しいと思う仁と金銭的に甘えられない瞳と想いはすれ違いますが仁の仕事に係わる周囲が騒がしくなり瞳は自分の就職活動だけでなくそれにも振り回されます。
仁の父親も瞳に接触、結果的にはそれが瞳の心を動かします。
仁の事はなんとなく雰囲気は伝わりますが今回も謎のまま終わります。
前作から最後はこうなるだろうなとは思っていたのですが・・・仁は穂波家の家族ということで納得するしかないか(笑)
どうやら、さらに続くようですね。
シリーズ2作目、出来れば3作目も是非お願いしたいとハッピーエンドシンドローム中の
私は切に願ってしまう、だからと言ってこれで終わっても気になる部分はあるけれど、
主役二人がラブなのは間違い無いわけだから、ハッピーな終わり方だと思うけど、
前作に引き続き、攻め様が何をしているのかもぼやけて不明だし、
攻め様が保護プログラム対象者だと言うのも気になるところです。
そして、お隣に攻め様を監視だか、お仕事をして欲しいからなのかいつまでも居座る
ポールとガードさん、前作よりも登場する場面が控えめだけど気になる人達。
今回の内容も、大きく何かが起きる事ではなく、6年ぶりに戻って来た攻め様と
紆余曲折で恋人関係になり、受け様の自宅で兄弟たちと居候状態の攻め様と、
受け様の務め先が閉鎖され、転職するべきか、一旦は諦めた亡き両親と同じ医者に
なるべく、攻め様の好意に甘えて医大に進むべきか、そんな内容を日々の生活の中で
描いている作品です。
単発で読むにはいまいち理解しがたい作品ですからこの本から読み始めはおススメ出来ない。
そして、今回は結局受け様は医者を再び目指す事になるような感じですが、
攻め様が何をしてるのかはやっぱり不明、攻め様の問題ありの父親も登場して
確信に迫るような雰囲気もあって、何となくわかるかなぁ~って程度なので、
是非3作目も書いて欲しいと個人的には思う作品でした。
行き成りシリーズものとしらずにこの作品を読んでしまうと厳しいかも。
水上先生ばりに説明が多いのも困りものですがこちらは完全に続きから入って
いるので『魔法使いの食卓』をおさらいしてから読んだ方がいいと思います。
谷崎先生もあとがきで「第2段が書かせていただけるなんて思っていなかった」なんて
恐ろしいことをおっしゃっておりますが前作が細かい所の説明をはしょって終わって
いたのであれで続編がでるかわからなかったという事実が恐いです・・・
正直谷崎先生は長編が得意な作家様だと思うので今回シリーズ2作目ですが
もっとお話は続いて行く設定なのではなかったのかと思います。
一応これで完結みたいに書かれてはいますがやはり、細かい所ははしょったまま
でして・・・
攻様が結局なんの仕事をしていたのかというのもわからず仕舞いです。
今回は受様・瞳の働いていた工場の閉鎖に伴ない、瞳が両親の事故により諦めて
いた医者になるという夢に向き合うお話になっています。
なので攻様・仁については説明不足なまま終わっております。せめてあともう1冊は
欲しい所です。(今回人のお父さんは出てきますがこちらも中途半端感が・・・)
他作品になりますが『ドロシーの指輪』も完結しないで打ち切られてしまったみたいですし
続編希望が沢山寄せられて、仁サイドのお話メインなのを読める機会が来ることを
祈らざる得ない仕上がりになっております。
詰め込まなきゃいけなかったから必然的にいちゃいちゃもあまり入れられなかったので
しょうね。残念です。