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愛する人にこの身を捧げる!
hanayome wa tsumibukaku
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
私はこの作家さん、最近の新人さんでは一番期待しています。とにかく、文章や書き方を含めた作品の『雰囲気』が自分の好みに合うと感じるんです。
ただ、『ものすごく好き!』な作品があるわけじゃなかったんですね。題材やら展開やら、何かがいつもちょっとだけ違う。
そういう意味ではこの作品も『ドストライク』とは言えませんが、今までの中ではいちばんよかったです。
中華風ファンタジーですが結構『なんちゃって』かな。そして、身代り花嫁もの。これだけで読み手を選びそうですね。私はどちらも苦手ではないので問題ないんですが。
なんというか、突っ込みどころはあり過ぎて触らないでおこうか、と思うくらいです。キャラクターもストーリーも別に斬新とも思わないんですが、読んでいてすんなり入ってくるんですよ。
虎隆(攻)が、王なんだし腰の低い優しいキャラクターだったら私は逆に驚きますが、俺様で不遜には違いなくても、まったく聞く耳を持たないわけじゃない。まあそれも『王道』と言えばその通りなんですけどね。
雪(受)も、父や祖国のためなら命も掛けられるくらいで、『健気』なキャラクターではあるんですが、ただひたすら流されるだけ・駒に使われるだけではない。そうでなきゃ話は動かないんですが、それでも頑ななだけではなく、虎隆に会って変わって行く様子がよかった。
でも、私はこの2人のキャラクターが好きです。青いくらいに真っ直ぐで純粋で、気持ちがよかった。
設定は結構浅いところがあるというか、気になる部分は多いんですよ。国の関係としてはどうなったのか(正式に王家の婚姻を結んだ形になったのか?)とか、華周の王位を巡る問題(もう虎隆は安泰なのか?)とか、神事・神官は今後どうなるんだ、とか。ホント突っ込み出したら止まらない感じですね。
ただ、たとえ引っ掛かるようなポイントがあっても、いちいち止まらずにスムーズに読めました。ストーリーの流れにうまく乗れたというのかな。
そして、大元のラブに絞ってみれば、王道には違いなくても楽しめました。面白かったです。
私は『無理矢理から』が心底キライなんですが、これも・・・う~ん、微妙。ただ、この設定ではいわば『織り込み済み』の展開ですから(『花嫁』の代わりですからね)、目を瞑れました。
この作家さんは、読み続けたら(個人的に)すごい嵌るのが来るんじゃないか、とほかの作品のレビューに書いた気がしますが、これはそこまでは行かなくても『作家買いした甲斐はあった』とは思えました。
ラストのSSは、タイトル通り『媚薬』です。薬草を調合して薬湯を作ったハズが、配合を間違えてできあがったのはなぜか・・・
で、もちろん使うんですね、それを。
今までの3作を拝読した限りでは(しかも私の非常に偏った好みにおいてですが)、この作家さんは日常ものより時代ものやこういうファンタジー(っぽいもの)の方が合ってるんじゃないかな、という気がしました。
結構大仰な文章だと感じる部分もありますので、最初から『構えた』作品の方が、個性が活きるんじゃないかと。
細々と言いたいことはあれど、トータルでは面白かったです。次も読みたいと思えました。
初読み作家さんです。中華風はあまり好みではないのですが、身代わりや花嫁が大好きなので手に取りました。
結果は…面白かったです!
父親の呪縛から自分を大切にできない雪と、周りが敵だらけで誰にも心を許せない虎隆。雪が人を愛することを知り、変わっていく過程が良かったです。最初は国のために捨て駒になる覚悟でいたのに、虎隆のために生きたい…でも、何の憂いもなく生きさせたいと自ら囮になった時にはキュンとしました。虎隆も王なので、傲慢なところもあるけど強いし、最初から雪に対しては優しくて守ろうとしてて、好きなタイプの攻めでした。
恋愛面だけではなく、敵の陽鬼や神官の宝仁とどうなるのかもドキドキしながら楽しめました。健気で男らしい受けが好きなので、一生懸命な雪が気に入りました。読んで良かったです。
読む前から、
表紙の絵から、中華風?
タイトル、あらすじから、花嫁で身代わり?
ということで、大半は妄想予想で先が分かってしまう作品だと想いつつ、
何か予想外はないかな~と期待して購入しました。
予想外だったこと・・・
これが、結構しっかり書いてあるな~ということでした。
(失礼なことを言ってすみません)
中華風設定などを考えると「薄いな~」とは感じてしまうのですが、
まあ、悪くない。
花嫁、身代わりもの好きの方には、読むんで損は無い作品かと思います。
王道系の身代り花嫁で、なんちゃって中華なストーリーです。
攻め様はいずれ世界を制するのではないかと言われている若き華周国王で自身の国の
繁栄の為に、他国から攻め入られ危機的状況に陥っている宗国に助けの手を差し伸べる。
その友好の条件として宗国の姫を花嫁にと申し入れる。
しかし、宗国では、川に毒を入れて窮地に陥れたのは華周国ではないかと言う疑惑が
姫可愛さの王からあがり、それを調べる為に、姫の輿入れの女官として男である
受け様が付き従う事になるのです。
受け様は、宗国でも王の寵臣である父親からの密命を受けるのですが、受け様は父親に
初めて認めてもらえる事が出来ると思うような健気さんです。
受け様の母は色町の芸子で、受け様はその綺麗な母親譲りの美貌だけが取り柄だと
言われ、異母兄たちから蔑まれていたんですよね。
それが、今回の事で認められると喜び勇んで任務に赴くのです。
しかし、輿入れの途中で敵国に襲われ、姫が殺されてしまい、別の姫と入れ替わる間の
偽の花嫁として攻め様の元へ出向くことになります。
前半部分を読むと傲慢かと思った攻め様ですが、意外に物わかりが良くて古い神事を
嫌うような感覚の新しい攻め様でした。
姫の振りをして、死ぬ覚悟の受け様を許し、身代りを受け入れる度量のある攻め様。
そんな攻め様を好きになり、初めて祖国以外で命をかけてもいいと思える相手になる。
ちょっと言葉が足りない攻め様ですから、受け様が誤解してしまうが、
物語はハッピーエンドで、攻め様を裏切る神官と受け様の国の敵を一気に始末するような
全て丸く収まるお話です。
誰にも愛することを教わらなかった受け様が攻め様と出会った事で愛することを想え
そして胸の苦しさも味わう感じかな。
なかなか甘いラブストーリーだと思います。
中華ファンタジーと括るのには若干薄い内容のような気がしますが割とよくできていたので読んでいて飽きるようなことはなかったです。
舞台に合わせてだと思うのですが文章がずいぶん固く作られているように思いました。でも堅苦しすぎて読みづらいとかもなく逆に雰囲気にとってもあっていてよかったです。
最後のほうが少しうーんと思うことやここは最後どうなったの?(作中の内容にはそれほど支障はないところなのですが)というところが気になったのですが総評的にはよかったです。
中華ファンタジーが好きな方はご一読してもいいかもですくらいのおすすめです。
身代わりの花嫁モノの中華風ファンタジーです。何らかの事情で女性の身代わりになる(そして嫁ぐ)という作品はいくつか読んだことがありますが、その中でも断トツの理由の弱さだったので「中立」評価です。
うーん…嫁ぎ先の王様にお姫様の面が割れていないのであれば、沢山いたであろう女官の誰かを身代わりにしたほうがまだマシだったんじゃないかなーなんて…。
そんな序盤と、なんだかご都合主義でまとまってしまった終盤は気になったものの、それ以外は中華風の雰囲気もしっかりあって、何より虎隆が器の大きい素敵な男性だったのは良かったと思います。
kirara
むぼちさま。
なんだかすごく嬉しいです~。
私もほとんど新人作家さんは買わない・読まないんですが、千島さんはたまたま読んだ御本が好みだったので、それから作家買いするようになりました。
中でもこちらはすごく好きなんです。
今までレビューにも書いてきていますが、千島さんが書かれたものすべてが大好きとは言えません。
それでも、むぼちさまが『どんどん良くなって行かれる気がします』と言われるように、私も『見守って行きたい(行かせていただきたい)』と思える作家さんなんですよ。
いつもながら、私のつたないレビューで読まれた作品がお好みに合いましたら、それが本当に嬉しいです。
是非、他の作品を読まれての感想もお聞きしたいです。
コメントありがとうございました。
むぼち
kiraraさんが注目の新人先生と知り、普段は評価が安定している本しか買わない私ですが、興味を惹かれ買ってみました。
面白かったです。もう少し、何かが足りない気がするのですが、これから先書かれる話でどんどん良くなって行かれる気がします。
私も千島先生の他の本を読んでみようと思いました。